三浦朱門・鷲田小彌太著
致知出版社 P112より引用
ISBN4-88474-644-9 1300円+税
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三浦
明治になって帝国陸軍の兵士に最初
に与えられた武器は村田銃でした。だ
が、これでは威力に乏しいというので
間もなく連発式の村田銃に変わる。(中略)
それで明治三十八年、1905年に登場す
るのが、三八式歩兵銃です。(中略)
ところで、私が入隊したのは昭和二十
年1945年です。そこで与えられたのが
三八式歩兵銃なんですね。(中略)
四十年前の鉄砲で戦い続けていたんで
す。
鷲田
初めはいいセンまでいくんですね。
トップクラスにのしあがる。だが技術
開発、技術革新のあとが続かない。
三浦
誰もあまり言わないことですが、
日本にはどうもそういう癖があるんじ
ゃないか。(中略)
もしそうなら、初めは調子がいいが、
頂点に達したころになると、息切れが
して後が続かず停滞する傾向をわれわ
れ日本人のもう一つの特性としてしっ
かり認識する必要があるのではないで
しょうか。
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▼夜襲で日本軍が一発撃つと連合軍か
らは百発返ってくると聞かされたこと
があります。それほど旧式の銃だった
のでしょうか。また聞いた話ですが、
どうせ死ぬのだから、海軍に志願して
優秀な戦闘機に乗りたいといって南方
の戦地で偵察飛行中、下からの攻撃を
受けて傷を負った人もみえました。日
本には同じものを作り続ける特性があ
るのでしょうか。その当時は米国のよ
うにベルトコンベア式に武器を大量生
産するシステムも出来ていない状態で
あった。現場の意見がほとんど上に
伝わらないところがありました。