サトイモを大別すると2種類が存在する。いわゆる「サトイモ」と「ズイキ」の相違である。違いは前者が地下部分のイモを食するのに対し、後者は地上部分の茎(葉柄というそうな)を食する。仲間内では大御所がこのズイキに挑戦し、毎年のように常に栽培している。彼の栽培する品種は葉柄と共にイモをも食べれるようで、どちらかというとイモがメインだ。噂の観光客を捕まえての「イモ掘り体験」も、専らズイキのイモが対象となる。ズイキ自体には、赤ズイキ、白ズイキ、青ズイキ、の3種が存在するようだが、後者2種類は見たことが無い。当地付近では栽培されていないのだろうか。
さてこのズイキ、大御所から一株分を頂戴した。ズイキとして賞味してみて・・・・・とのご厚意のようだ。斯様に仲間内でお互いの栽培品目を分け合うことも少なく無い。個々人の好みがあって、栽培品目に違いが生じるのだ。現に、赤ズイキは大御所以外の仲間は挑戦していない。子狸も同様だ。というか、広義のサトイモへの挑戦が無く、専ら仲間達からの頂き物を食している。世に言う「たかり派」だ。
赤ズイキだが、子狸の生まれ在所では余り栽培されてなかった。従って赤ズイキの味を知らずに育ったのだが、ふとした偶然で、天川村の温泉宿で頂戴するハメになり、その美味に虜になってしまった。若い衆には好まれない味のようだが、田舎育ちの子狸にはマッチしたようだ。一番のお好みは、「赤ズイキの胡麻酢和え」、これが絶品で食の進むこと。無論、メインディッシュとなるような品では無く箸休め的な存在なのだが。
私宅の山の神に頼み込み調理してもらった。手間暇が掛かるので余り挑戦したくは無いようだが、そこは丁重に頼み込み・・・・・・。画像の小鉢がそうだが、ご機嫌良く賞味させてもらった。大御所に謝辞を述べておかねばならないだろう。
素朴な山里料理とも言えるかも知れないが、無くせない存在だ。上述したように、若い衆には余り好まれない食味のようで、我が家関係でも賞味するのは子狸のみ、カタカナ料理が大好きな層には苦手な味の模様だ。残念なことである。