農作業を行っていると遠くから歌声が聞こえてくる、太鼓や鉦の音も。どうやら祭りが始まった模様だ。今日が祭りの宮入の日と言うことを、ついうっかり失念していて、一眼レフの携行を忘れてしまっていた。リュックにはコンデジしか入っていない、作業も押してきている、・・・・とかで直接取材は諦め、画像は過去の物を流用することにした。お許しを。祭り自体は例年同様、スタイルは変わっておりませんので、年次変更のみでOKかなと。祭りの主役は建水分神社(タケミクマリ神社)、村の秋祭りと書いたが氏子は村内に限らない。富田林市や河南町にも及ぶのだ。建水分神社の麓を流れる千早川流域の集落で、旧表示だと20数ヶ村になるだろう。
多くの祭りは、神社への「宮入」がクライマックスとなってくる。村の秋祭りもそうしたいのは山々だが、地形上の理由で困難だ。何せ神社が高台にあり、地車の奉納が困難で、神様の方が神輿に乗られて神社を下り麓の広場へとお移りになられる。いわば別邸で奉納をお受けになるのだ。各集落の地車が広場に集結、それぞれのパフォーマンスを披露して神様に楽しんでいただく。ご相伴に預かって参詣人も共に楽しみ、秋の1日を宴の日へと変貌させていくのだ。地元の住民は、祭り命、相当早くに休暇を申請しスタンバイしている。進学や就職で村を出た者も、この日ばかりは帰郷する。
賑やかな歌声は演歌や数え歌等、どうも選曲には一定の基準があるようで、どの地車も似たような曲を歌っている。地車を曳き且つ歌いながら集落を練り歩く。統制が取れてるようで、順番を調整しながら広場へと宮入だ。
神様は乗られた神輿のままで鎮座され、鷹揚に地車の奉納をお受けになるようだ。神様の姿・形は不明だが、神輿の中で楽しんでおいでなのかも。上述したように、当地の祭りでは初日が宮入でいわば祭りのヤマ場、各集落から地車を曳いて広場へと突入し、練り上げたパフォーマンスを披露するのだ。二日目は各集落単位での練り歩きがメインとなってくる。
祭りの二日間、当地は渋滞だらけだ。何せ地車が一車線を占有する、それに引き手や同行者が横に広がって車は走れない。何とも苛立たしい一面だが、怒る者はいないようだ。祭りと葬式は致し方無い・・・・・・・そんな暗黙の了解が地域全体に出来上がっているのだろう。ある意味、優れた生活上の知惠なのかも。