この時期になると目ざとく訪問する場所がある。何処かって、言わずと知れた「籾すり場」だ。最も、籾すり場と言っても農作業に無縁の方々にとっては馴染みの無い存在だろう。説明の前にご理解いただきたいのが、「籾すり」と「精米」の違い、この点を押さえておきたい。収穫し脱穀した米は籾殻が付いた状態である。この籾殻付きの米から籾殻を取り外すのが「籾すり」だ。籾すりした結果が「玄米」である。続いて「精米」は、玄米から糠を分離し賞味に適した白米とする事である。我々が注目するのは前者、つまり「籾殻」だ。
籾殻は農業用資材として多方面で活躍してくれる。主たる目的は土壌の改良だ。炭化させて「燻炭」として土中に投入するのが一般的かな。後、保温用とか雑草の押さえとして利用される方々も多い。チームリーダーのように通路に敷き詰めて歩行の安全を図るようなマレな事例も。子狸の使用法は原則通りの土壌改良を狙ったものだが、燻炭にまでは手が回らない。そこで籾殻の状態で土中に投入し、ミニ耕耘機で攪拌して有機質を増やすようにしている。時間は掛かるが追って融解してくれるようだ。
毎年訪問するのは何時もの籾すり場、河南町のとある農園地帯に常設されている。1年中稼働してるのかは不明だが、この季節はフル回転だ。山となった籾殻が繁忙状態を物語っている。遠慮無く頂戴するのだが、運べるのはせいぜい半ダース程度。詰め込みや搬送も体力勝負で、子狸的には条件がきついのだ。
同行の百姓候補生氏共々、必要量をもらい受け、我々の農園へと搬送する。訪問した日が祭りの当日だったので、地車を避けながらのスロー運転だった。農園に到着すると、大御所がお出迎え、籾殻の件を話すと既に運び込んだ後だとか。過日、草刈名人氏共々トラックで搬送したそうな。先を越されたようだ。
現在、タマネギ畑とエンドウ畑の下準備を進めている。もらってきた籾殻、早速に畝に投入する予定だ。耕耘作業と同時並行で土壌改良も図りたい。燻炭ほどの威力は無いかも知れないが、有機物質として土壌の改良を支えてくれるものかと期待している。