ここ近年、医学部人気はうなぎのぼりですが、
薬学部人気もかなりのものです。
というのも、医学部受験時、
「成績足らないよ」
と言われた学生は、
次に受験を考えるのは、
歯学部や薬学部だからです。
要するに医療資格系ですね。
一般的な方も、もう今はネットがあるので、
ご存じの方も多いのですが、
医学部は国立でも、他の学部と授業料と同じです。
年数が4年と6年の違いです。
私立大学の場合、3000-5000万円と
とても一般家庭が手が出せる金額ではありません。
また偏差値も、親世代の頃は偏差値40なんて
実在しましたが、
今や60以上が当たり前と言う、
私立だから…ということはありません。
一方薬学部に関しては、
授業料は、国公立医学部同様です。
私立に至っては、平均1200万円と、
医学部と比較すれば、リーズナブル。
無理すれば、何とかなるというご家庭もあるのではないでしょうか。
ただし、教科書などの教材費は別となり、
私立の場合、施設費や実習費が
かなり高額な大学もあります。
先日、お得意さんと話していた時、
「確かに国試合格率と就職率は
とても大事だけど、
医学部と比べると、薬学部は
かなり留年率が高い学部なんだよ。
だから、留年率もチェックすべき項目なんだ」
と言われました。
私「そんなに高いのですか?」
得「ああ、高いね。
留年せずに卒業できるのは、全体の
65%前後と言われている。
35%程度が留年する。
これは大学によって、かなり幅があるから、
一概に、どの大学もというわけじゃないよ」
私「知らなかったです」
得「恐らく一般人はそんなに興味ないから、
知らない人がほとんどだと思うよ。
だから偏差値よりも、むしろ留年率を見た方がいい。
医学部との最大の違いは、
もちろん勉強内容は違うのだけど、
偏差値の差がかなりある。
最上位と最下位とでは約30違う。
医学部は、そこまでの差はない。
矛盾している面もあるけど、やはり偏差値の低い大学は、
留年率も高い傾向にある。
だけど、そうでない大学もあるのだよ」
私「そうなのですね。
学費も安いし、やっぱり国公立がいいですね」
得「それがそうでもないのが不思議なところ」
私「えっ?」
得「医学部の場合、東大や一部の大学を除くと、
多かれ少なかれそれなりに国試対策はする。
だから、学費面もあるけど、
国公立がいいと言える面が多い。
だけど、薬学部は少し違う」
私「どう違うのですか?」
得「国試合格率を見て、恐らく志望大を決めると思うのだけど、
国公立大学と私立大学では、絶対の学生数が違う。
1000:10000と10倍の差がある。
国公立なら80%だけど、私立なら70%と言われている。
合格率なら国公立。人数なら私立になる。
それに私立の場合は、薬剤師国試専門予備校の講師が
教えに来る大学もある。
また、少人数担任制を取って、留年をとにかく
させないように努力している大学もある。
すごいところは、学生5人に教員が一人つく」
私「それはすごいですね」
得「それに医学もそうだけど、薬学部も
国試に通ることを、目的達成にしている人が多い。
もちろん取得せずに就職する人もいるし、
必要ない職場もあるから、
絶対とは言わない」
私「そう考えると、わが子には向いていないかも」
得「命を預かる職種だから、責任感がある人、
根気のある人が向いているよね。
でも、10代の時に、自分ははっきり
〇〇だから向いているなんてわからないじゃない」
私「そうかもしれません」
得「今はとにかく視野を広げること。
医学も薬学部も、恐らく一般人が考えるよりも、
ずっとカリキュラムもきついし、
国試を通ってからも勉強の毎日。
遊びたい人が行く世界ではないよ。
僕は、単純にここの世界なら
頑張っていけれるという人に挑戦して欲しいかな」
私「わが子はどうなるのでしょうね…」
得「まだ決めるのじゃなくて、頑張る時期だよ。
極端な話、共通テスト後でもいいのだから。
まだ若い。勉強しつつ、
色々な学部を調べていくのがいいと思うね」
ちょっと長くなりましたが、以上です。
お得意さんの話は、毎回ためになりますね。