徒然刀剣日記

刀剣修復工房の作品・修復実績と刀剣文化活動のご紹介

柄前新規作成(居合向け大刀編)

2013-02-07 00:39:57 | 拵工作
大刀の柄前が完成しました。



当該お刀は居合にお使いになられており、修復のご相談時に柄を外すと、柄下地の峰側に亀裂が入ったとても危険な状態でした。

そのため、下地から新たに作成することをご提案いたしました。
刀装具は、元々用いられていた物を再利用することとし、鮫皮は短冊から一枚へ変更。
柄糸は、皮製のものから正絹に変更し、諸捻り巻き(目貫部のみ諸摘み)で巻き上げることで、使用感の向上と実用性を加味しました。

ちなみに、付属の鞘は今まで見た鞘の中で最も美しい鞘の一つでした。



武道用と言えども、鑑賞にも堪えうる拵えとして制作することは、当方のモットーでもあります。