■名言名句 第三十四回 「六正六邪」
~魏徴『貞観政要』巻第三 論擇官第七
〔解説〕
「六正六邪」は、『貞観政要』中、諫臣魏徴の上疏文にあることば。しかし魏徴のオリジナルではなく、前漢末の『説苑(ぜいえん)』から政策提言のため引用された句と文です。
この句がある『貞観政要』巻第三の「論擇官第七」は、新国家樹立に向け人材登用と任官について君臣、忌憚なく論を戦わせた段落。
貞観十四年、太宗の治世下では、強敵高昌国を討伐し、内外共に磐石の体制が築かれました。わが国では“人は城”と呼ばれるように、国家運営の要が人材登用・活用にあることは、古今東西を問わない永遠のテーマです。国づくりは、すなわち人づくり。外憂のなくなった唐朝廷と天子に対し、人材登用促進と、現家臣団の綱紀粛正のため、まさに時宜を得た献策が魏徴によりなされました。
「六正六邪」、すなわち「六人の正しい臣」と「六人の邪悪な臣」。この基準に従って、正しい人材登用と任官を行なえば、君主は安らかとなり、人民は治められる、と魏徴は説きます。
聖臣・良臣・忠臣・智臣・貞臣・直臣。これら六人の正しい臣が「六正」。たとえば、「直臣」について、本文では以下のように規定しています。
国家が傾き乱れる時、上に諂(へつら)わず、あえて主の厳しい顔も犯し、面と向かって主の過失を指摘する。こうした者を直臣という。
かたや、具臣・諛臣・姦臣・讒臣・賊臣・亡国の臣。これら六人の邪悪な臣を「六邪」とする。姦臣とは以下のような輩です。
内面は陰険邪悪であるのに、外見は謹厳実直。弁舌巧みで人当たり温和、善人賢人を妬み憎む。われが推挙する人物の美点を目立たせ、欠点をおおい隠す。退けようとする人物の過ちを暴きたて、長所を隠す。主の賞罰は当たらぬよう、命令は行われぬように取り計らう。こうした者を姦臣という。
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http://bit.ly/LiBba8
~魏徴『貞観政要』巻第三 論擇官第七
〔解説〕
「六正六邪」は、『貞観政要』中、諫臣魏徴の上疏文にあることば。しかし魏徴のオリジナルではなく、前漢末の『説苑(ぜいえん)』から政策提言のため引用された句と文です。
この句がある『貞観政要』巻第三の「論擇官第七」は、新国家樹立に向け人材登用と任官について君臣、忌憚なく論を戦わせた段落。
貞観十四年、太宗の治世下では、強敵高昌国を討伐し、内外共に磐石の体制が築かれました。わが国では“人は城”と呼ばれるように、国家運営の要が人材登用・活用にあることは、古今東西を問わない永遠のテーマです。国づくりは、すなわち人づくり。外憂のなくなった唐朝廷と天子に対し、人材登用促進と、現家臣団の綱紀粛正のため、まさに時宜を得た献策が魏徴によりなされました。
「六正六邪」、すなわち「六人の正しい臣」と「六人の邪悪な臣」。この基準に従って、正しい人材登用と任官を行なえば、君主は安らかとなり、人民は治められる、と魏徴は説きます。
聖臣・良臣・忠臣・智臣・貞臣・直臣。これら六人の正しい臣が「六正」。たとえば、「直臣」について、本文では以下のように規定しています。
国家が傾き乱れる時、上に諂(へつら)わず、あえて主の厳しい顔も犯し、面と向かって主の過失を指摘する。こうした者を直臣という。
かたや、具臣・諛臣・姦臣・讒臣・賊臣・亡国の臣。これら六人の邪悪な臣を「六邪」とする。姦臣とは以下のような輩です。
内面は陰険邪悪であるのに、外見は謹厳実直。弁舌巧みで人当たり温和、善人賢人を妬み憎む。われが推挙する人物の美点を目立たせ、欠点をおおい隠す。退けようとする人物の過ちを暴きたて、長所を隠す。主の賞罰は当たらぬよう、命令は行われぬように取り計らう。こうした者を姦臣という。
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