小梅日記

主として幕末紀州藩の学問所塾頭の妻、川合小梅が明治十八年まで綴った日記を紐解く
できれば旅日記も。

大石討ち入りの日

2024-12-10 | 雑記
日本人は忠臣蔵が好き? かっては年末になると長時間ドラマで忠臣蔵がよく作られた。
最近は歌舞伎か文楽で部分的に演られる程度かも。
12月14日は忠臣蔵のクライマックス、討ち入りの日だとされている。
特別に忠臣蔵が好きなわけじゃない。
まあ、歴代の内匠頭や大石内蔵助を演じた役者さんを思い出すのは楽しいけれど…

物書き? の端っこに入って初めての友人になったMの誕生日がこの討ち入りの日だった。
彼女は筆まめな人で背の高い見た目が男性っぽいのだけど内面はじつに細やかな女らしい人。
誕生日にプレゼントをもらって驚愕したのがとても懐かしい。
頂いたらお返しせねばならない。そうしてどれだけの誕生日をむかえてきたか。
それゆえに討ち入りとの誕生日が関連づけられている。
Mは菜食主義だった。なぜか魚介は食べられる。六本木の中華店の海老そばが好きだった。
誰よりも長生きしてみんなの葬儀委員長をするからねと言っていた。
「良い芝居を書きたい」というのが夢だった。
Mはどんどんたぼうになっていき、筆を折って大阪へ来他私とは疎遠になっていった。
誕生日のプレゼント以外は。
パソコンもスマホも使えない彼女とはたまの電話しか連絡がとれない。
そうして久しぶりの電話で「わたし、肺がんでステージ4なの」と告げられた。
もう師走に入っていた。
年が明けたらお見舞いに行こうと大きなシクラメンを贈った。
病人に鉢物を送ってはいけない。そこまで深刻に考えたくなかった。
そして、それが最後の誕生日の贈り物になってしまった。

今年ももうすぐ討ち入りの日が来る。
コメント
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