いろいろと忙しくてすっかり忘れていました。。
Winnie-the-Poohの80年ぶりの続編について、こちらで先日お知らせしましたが、ついにリリースされました!慌ててアマゾンに注文・・・
美しい表紙・・・心が躍ります!
http://www.amazon.co.jp/Return-Hundred-Acre-David-Benedictus/dp/0525421602
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ありゃりゃあ。。。。
実は「ままの日」の前に, Poohカテゴリーの記事として「養子来る」というのを草稿フォルダーに入れながら書いていて、今投稿したのですが、、、草稿開始時の日付でアップされるため、「ままの日」より下になってしまいました! どうぞぜひそちらの方もご覧下さいね。
恵之介に弟を迎えたいとも思うのですが、体調がこんなですし、他にも考慮しなければならない問題があり(今まで以上に帰省の必要が出てきたことなど)、今他にわんこを迎えることは難しいと思っています。
そんな私のもとに、「うちの子を養子にもらってくれませんか。」とのお話があり、あっという間にこんな可愛い男の子が2人もやってきたではありませんか!しかも、ベルギーからどおんと飛んできてくれました。 いやもうびっくりです・・・
そう、プーとコブタのぬいぐるみくんですが・・・この子たちは、そんじょそこらのプー&コブタではありません。今では殆ど手に入らなくなってしまったMade in EnglandのClassic Poohとしてのプー&コブタなのです!
Gabrielle Designs Ltd. という、ヨークシャーのおもちゃメーカーの製作なのですが、この会社のぬいぐるみはprestigeがあり、しかも、こちらのサイト(4番目のアイテムですね!)にも説明があるように、UK国内で流通しているものの殆どがPaddington bearですから、Pooh&Pigletは貴重も貴重、いわゆるvintageものなのです。
たとえば、、、以前にもお見せしましたが、私が25年ほども昔に銀座のソニープラザで購入したこのプー&コブタも、一応はClassic Poohのタグがついているのです。
ですが・・・この裏を見ると、Made in Chinaなのです・・・中国製でも縫製はしっかりしているし、肌触りもいいので、長年大事にしています。しかし、プーとコブタが同じ大きさですし、いまいち似ていない・・・・
養子たちは、この挿絵そのままです!プーの短いチョッキに注目!
(イーヨーに家を建ててあげるお話のなかで、「雪やこんこん、ぽこぽん」の歌をプーが作って、いっしょに歌うシーンですね。) <雑誌「ユリイカ」2004年1月号表紙を撮影しました>
そして、コブタ!このお顔が長いところやお洋服のシマシマまでそっくり。コブタ同士を比べてみるとよくわかります。
ちゃんとマフラーをしているところも、、それと、、右手にもっているこのスミレに注目!
コブタはスミレが好き。朝早起きしてスミレを摘んで花束をつくり、イーヨーにプレゼントしようと出かけました。ところが、、、イーヨーはその日とりわけご機嫌斜めで、いきなり難しい教育論を語り始め、ついには怒り出すので、怖くなったコブタはせっかくのプレゼンも渡せず、「スミレって・・結構いいなあと思うんだけどね・・」(I think Violets are rather nice)といって、花束をイーヨーの前に置いて逃げ出すしかありませんでした。。。(「プー横丁にたった家」第5話)
こんな、優しいコブタのこころを象徴するスミレなのですね。私は実は、プーの物語に出てくる様々なキャラクターの中でも、コブタが一番好きで、インターネット上で最初に使ったハンドルもPigletとしていたくらいです(今でもたまに使っています)。
・・というわけで、正真正銘のイギリス生まれのこの子たちが、我が家の大切な家族に仲間入りです!
ところで、、、、こんなおいしいプレゼントもいっしょに頂いたのですよ。チョコレート好きのベルギーの人たちに昔から愛されているノイハウスのプラリネ・チョコです。Yukoさん、いろいろと本当にありがとうございました!
(まま・・・ぼく、また見るだけなんだね。。。でも見るだけでも可愛いね!>恵)
Curraghさんちに遊びにいって、オバマ演説のことなどおしゃべりをしていたら、思いがけないビッグニュースを教えていただきました。。。
この秋、
プーの新しい本、つまり続編(sequel)が
80年ぶりに、
イギリス本国とアメリカで出版されます!!
'Return to the Hundred Acre Wood'
なんと胸キュンなタイトルではありませんか・・・
ミルン&シェパードのspiritとqualityを引き継ぐ、David Benedictusさんという作家とMark Burgessさんというイラストレーターが、新たに書き下ろした10編ものお話が1冊にまとめられているそうです。
Mark Burgess氏がどんな画風かということは、こちらのHPを見るとわかりますが、Classic Poohに関しても既にカレンダーなどを手がけているのですね。これ↓を見ると、なかなかいい雰囲気・・・。
また、BBCのサイトにて、David Benedictus氏自身の声による、この本についての説明が聞けます(インタビュー)。こちらです。
取り急ぎ、どういう人たちによってプーが蘇るのかざっとリサーチしました。詳しい続報が入手できしだいまたアップします。
この件についての私自身の想いなどももっと書きたいのですが、また忙しくなってきたので(ちょうど1カ月ぶりにどさっと仕事が・・・・)、今日のところはこれまで。
ああ、、ワクワクですっ。10月が待ちきれないっ!!!
Customery procedures とは、Things to doだと、フクロが易しい言葉に言い換えてくれたので、やっとわかったプーでしたが、具体的に何をするかという説明に移ると、またもや大きな混乱に陥るのです。
今回も、石井訳から先に見てみましょう。
「どうすればいいかといえばァ、つぎのごとくであります。まず懸賞!とする。それからーー」
「あの、しばらく。」と、プーは手をあげてとめました。「まず、なんですって?あなた、なんて言ったんです?お話のとちゅうでせきをなさったものですから。」
「わたし、せきなどいたしませんよ。」
「しましたよ、フクロったら。」
・・・以下、した、いやしていない、したら自分でわかるはず、いや、あなたがしたから、僕に聞こえたんでしょう、といった押し問答になり、フクロがしっぽの発見者に何かを与えるといっているのだと言い換えたところで、プーはやっと意味を理解します。
「懸賞」というのが、プーのパニックの原因のようですが、「咳をしたじゃないですか」という反応がどう面白みがあるのか、いまいち状況がよくわからないと思われませんか?フクロは風邪を引いているのか・・それともいわゆる咳払いをしたのか・・・それが「懸賞」という言葉の発語と同時に行われたのか・・・・
そこのところのみ原文を見てみるだけで、状況はすぐにわかります。
フクロが言ったのは 'Issue a reward' つまり、「褒賞金を出す」
プーの反応は'You sneezed’つまり、「くしゃみをした」
(「咳をした」なら、coughedですからねえ・・・)
日本人の「はっくしょん!」を英米人はなんと言うかをご存知の方は、くすっ!!と笑いがでたでしょう?!英語では、Achoo! (他にatishoo, choo, hachoo, kerchooなどバリエーションあり)と書き、「アチョー、アチュー、アティシュー」などと発音されます。
そうです。issueという言葉を知らないプーが、フクロがいきなりくしゃみをしたと思ったというわけです。
石井桃子さんが、sneezedをあえて「せきをした」としたのは、彼女なりに考えがあってのことだったのでしょうが、私にはどう考えてもそのまま「くしゃみをした」でよかったのではないかと思われるのですが・・・ coughの方は、トラーがイーヨーの後ろで急に激しく咳をしたため、不意をつかれたイーヨーが川に落ちた(とイーヨーが言い張る)場面で出てきますし、sneezeと coughは、似て異なる?生理現象なので、区別したほうがいいと思うのですが。。。
ところで、Issueの方を次のように訳した人がいるのですが、こちらのほうが上手いと思われませんか?
「薄謝を贈呈する」
「はくしゃ!」を「ハクション!」とプーが間違える・・・
これなら、sneezeの日本語のイメージともぴったりですね。
この訳をしたのは、明治大学教授の堀内克明氏。Classic Poohの訳本というのを特に出しておられるわけではないのですが、1971年に「The World of Pooh」(英光社)という大学の講義用(多分)テキストを書いておられて、この中で、注釈として「薄謝贈呈」と説明的に記されています。
なお、私は前回の投稿で、このように部分的に別訳を試みた本が2冊出ていると書きましたが、2冊(だけ)というのは、大間違いで、他にもいくつかあります。そのあたり、ぼちぼち集めていますので、それらを読んで私が面白いと思ったものをこれからもご紹介します。
ついでながら・・・・issue は日本語発音で「いしゅー」と言ってみても、いまいちですが、英語音声学的には、この「シュ」[ʃ]のところは、息がかなり強く出る音なのです(fricative: 摩擦音といいます)。しかも、フクロは、難しい言葉を使えるというところをプーに対して自慢したい気持があるため、Issue!!と特に力をこめて言っていると想像されます。フクロが力めば力むほど混乱するプー。Lionel Jefferiesの朗読では、そのあたりの雰囲気が実によく表現され、品のいいお笑い(落語のような)を聞いているような実に愉快な気分になるのです。
こういうミルンの「言葉遊び」の味わいは、ディズニー版では完全に削除あるいは改変されていると推察しますが、、どうでしょうか?
年末までの怒涛の忙しさが、ウソのように、仕事はまたぷっつりです・・・極端ですからねえ、、、ヒマすぎて、恥ずかしいっ。 いえいえ、こういうときこそやらなければならない勉強が山のようにあるのです。ヒマなんて言ってられないですわぁ・・・ といいながら、つい陽だまりで恵とうとうと・・・・
(プーとコブタのぬいぐるみ。25年くらい?前に銀座のソニープラザで買いました。)
アマゾンに書き込まれているレビューだったかと思うのですが、「クマのプーさんは易しい英語で書かれているので、楽しく読める」といったコメントがありました(日本人の一般読者のです)。
音楽でも文学でも、人それぞれに好きな理由があるのですから、Poohさんの本のどういうところがいいのか、ということについて他人がコメントするのをいちいちとやかく言うわけではないのですが。。。Classic Poohをそういうふうに一言で片付けるのは、かなり誤認識ではないかと私は思います。
Classic Poohにおけるミルンの英語は、確かに一見して平易そうに見えます。例えば、「プー横丁にイーヨーの家がたつお話」の冒頭はこんな感じです。
One day when Pooh Bear had nothing to do, he thought he would do something, so he went round to see what Piglet was doing.
(ある、クマのプーは、なにもすることがなかったので、なにかしようと思いました。そこで、コブタはどんなことをしているか、見てこようと思って、コブタの家へ出かけました。<石井桃子訳>)
ですが、こういう英作文の教科書の例文みたいな書き方は少ないです。一見して易しい単語を用いていても、その使い方が凝っていて、一ひねり加えてあるというのか、、、また、駄洒落を含む巧みな言葉遊びが随所に盛り込まれていて、語法的にも相当難解な部分もあります。それに、内容としても、ミルン独特の深遠なユーモアや独特の思想に満ち溢れているのですが、それは、ミルンが、もともとはいわゆる子供向け童話作家ではなく、アッパーミドルの大人向けの風刺漫画雑誌(「パンチ」)の編集などをやっていて、きわめてハイレベルに言葉を操るテクニックを持っていたからでして、一連のPooh物を単なる子供の本と思って読もうとしても、本当の面白みはわからないのです。
「イーヨーが、しっぽをなくし、プーが、しっぽを見つけるお話」で、プーがイーヨーのお尻にしっぽがついていないことを発見し、びっくりする場面。イーヨーからAre you sure? (「ほんとか?」)と言われて、
Well, either a tail is there or it isn't there You can't make a mistake about it. And yours isn't there!
(だってね、しっぽってものは、あるか、ないか、どっちかでしょう。それにまちがいっこありゃしない。それで、あなたのはないんだ。<石井訳>)
やはり単語は易しいですが、ミルンの一ひねりが見えます。「あるかないかのどちらかだ」なんて、子供の言葉ではないと思うのです。結構論理学的な表現だと思いませんか。
そして、プーは、さっそくフクロ(Owl)に相談に行きます 。フクロウという動物は、西洋ではその風貌から「森の哲学者」などと言われ、賢い動物とみなされていますが、Classic Poohでも、しばしば難しい単語を使いながらインテリに見られようと頑張るキャラクターとして描かれています。
プーーとフクロのやりとりはこう始まります。石井訳での日本語から先にみてみましょう。
「さよう」と、フクロは言いました。「このような事態における慣習的処置はといえばですね・・・」「カシテキショウユって、なんのことですか?」と、プーはいいました。「というのも、ぼくは頭のわるいクマでして、むずかしい言葉になると、弱ってしまうんです。」「どうすればいいかということです」
プーは難しい言葉が理解できないため、フクロの「慣習的処置」を「カシテキショウユ」と聞き間違えてしまうというわけですが、この石井訳を読んで、面白いと思われるでしょうか?「カシテキショウユ」とはいったい??
原文をご覧下さい。
"the customary procedure in such cases is as follows." What does Crustimoney Proseedcake mean? said Pooh. “For I am a Bear of Very Little Brain, and long words bother me. “It means The Thing To Do.”
プーには、customaryも prcedureも難しい単語なので、自分が知っている crusti (crusty 「皮の固い」), money, seed, cakeなどという易しい言葉と聞き違えてしまったわけですね。なので、「カシテキショウユ」というカタカナで石井さんが意図したところは「菓子的醤油」なのですね。お菓子はいいとして、お醤油とは、、石井さんの苦心の跡が見えます。日本に置き換えて、頭のよしあしに関係なく誰でも知っている言葉をもってきたのですね。
でも、うーん・・・ イギリス人、いやイギリス熊であるプーが「醤油」と言うのもどうなのでしょうか・・・。このところ、もっと他に訳し方がないものかと思っていました(私にはできないので・・)。
石井桃子さんの訳本以外には、Classic Poohの訳本は存在しないのですが、実は部分的には別訳を試みた本が2冊出ています。
そのあたりのことを含め、次回には上記のフクロとプーのやり取りの続きをお話したいと思います。現代のお笑いに通じるような、愉快な会話が続きます。
ずっと多忙とはいえ、Poohカテゴリーがあんまり空っぽのままだと、KeikoはあんなにPoohを愛していると言っていたのはウソじゃないのかと思われちゃいますね・・
ワンポイントで、、というか、小出しに思いつくまま投稿していくつもりです。
なお、Poohについて検索していて、今初めて本サイトを訪れてこの記事をご覧になっている方は、この'Classic Pooh'カテゴリーが成立したいきさつについて、こちらとこちらの記事で知っていただければ、ありがたいです。
また、'Classic Pooh'という言い方は、厳密にいえば、シェパードの挿絵のことを指しますが(つまり絵そのもののことです)、本サイトでは、私の独断的見地から、シェパードの原画とミルンの原文が融合して作り出された原作の世界というものを、包括的に意味することをご了承ください。ディズニー版とは全く次元の異なる原作の深い魅力を、少しでも紹介できれば幸いです。
Classic Poohのキャラクターの多くは、実際にクリストファー・ロビン・ミルンが大切にしていたぬいぐるみを、そのまま登場させたものです。しかも、森の中で暮らす生きた動物たちとして描きながらも、ちゃんと、ぬいぐるみとしての可愛さも失わないように、巧みな場面設定がなされていることがわかる箇所が随所にあります(生きた動物と、無生物であるおもちゃという、本来矛盾するこの2つの世界を自由に行き来できるようにしたことも、この作品の愉しみを広げていると思います)。
その代表例が、ロバのイーヨーがしっぽをなくすお話でしょう!いつのまにか、イーヨーのしっぽがなくなっていることに、プーが気付き(イーヨー自身も全く気付いていなかった・・)、ぼくが探してあげると言って、まずフクロに相談に行きます。その結果すぐにみつかり(フクロの家のドアの素敵な引き紐になってしまっていたのでした・・・)、しっぽは、無事イーヨーのお尻に戻ります。ここで、クリストファー・ロビンが釘で打ち付けてあげるところが、いいんですよね。。。あくまでもさりげなく、ぬいぐるみであることを実感させてくれます。
ここで、プーがフクロに相談に行った際の2人のやり取りの中に、原文と日本語訳の観点からきわめて興味深いポイントがあります。それについては、次回に書きますね。時間に追われているため、今日は前置きだけで、お許しください!
写真は、クリストファー・ロビンが持っていた、プーのぬいぐるみと同じ型のテディベアです。1914年製、イギリスのファーネルという会社のもの。素朴ですね・・・山中湖湖畔のテディベアワールドミュージアムの展示物です。昨年10月に訪れた際、撮影しました。ガラスに光が反射して見づらくてごめんなさい。こちらに、もっとよく見える写真があります。