突然ですが・・・・イギリスの(upper) middle classの少年が大好きです・・・
実は、私が’Harry Sever’くんよりもずっと昔から心に抱いている、upper middleのイギリス人少年の名前があります。
それは、、、「クリストファー・ロビン(Christopher Robin)」くんです。ロビンはミドルネームなので、全部書くと、クリストファー・ロビン・ミルン(Christopher Robin Milne)というのですが、世界中に「クリストファー・ロビン」として知られています。年齢は永遠に5歳!
そう、クマのプーさんの親友のクリストファー・ロビンのことです。クリストファー・ロビンと、プーをはじめとする、森のいろんな可愛い動物たち・・・コブタ、イーヨー(年老いたロバ)、トラー、カンガ、ルー、ラビット、フクロ(ふくろうのこと)との友情と楽しい冒険のお話を、私は心から愛しています。
あら、今日はディズニーアニメのお話ですか?と思っている方がきっと多いでしょうね。そのくらい、ディズニーのキャラクターの方が有名になってしまいましたが、本来、アラン・A・ミルン(Alan Alexander Milne、1882-1956)というイギリス人作家が、自分の息子を実名で登場させた、イギリス児童文学の最高傑作のひとつなのです。
1.「クマのプーさん」Winnie-the-Pooh
2.「プー横丁にたった家」The house at Pooh Corner
3.「クリストファー・ロビンのうた」When We Were Very Young (詩集)
4.「クマのプーさんとぼく」Now We Are Six (詩集)
ミルンはこの4冊を書いており、日本語でも、石井桃子さんの名訳で岩波少年文庫から出ています。このように、ミルン版では「クマのプーさん」(Winnie-the-Pooh)ですが、ディズニー版では「くまのプーさん」(Winne the Pooh)と表記されるのが普通です。
私は、ディズニー版は一度も見たことがないので、その価値については評価できる立場にありませ。ディズニーもそれはそれとしての魅力があるのでしょう。ただ、絵の雰囲気が、原作とはあまりに違っているので、ディズニー版は特に見る気がしないというのが正直なところです。原作の挿絵は、アーネスト・シェパード(Ernest Howard Shepard、1879-1976)という画家にによるもので、イギリスの田園風景が美しく描かれ、クリストファー・ロビンはじめどのキャラクターも素朴ながら、実に優雅な趣をもっています。白状すれば、私がクリストファー・ロビンとプーの物語に惹きつけられた最初のきっかけは、この挿絵でした・・・
シェパードの挿絵は、ディズニーの絵と区別するために、特にクラシック・プーと呼ばれています。
クラシック・プーの一部をこちらにて堪能できます(なぜか、アメリカ人歌手によるBGMつき・・・)。
すいさん(素敵なブログへどうぞ)やカメ吉さん方のように、小さいころから石井訳で慣れ親しんできたという立派な方!もいらっしゃるようですが、私は小さいころはもっぱら日本昔話みたいなのしか読んでなくて、プーの物語は、20代の中ごろになって(イギリスから帰国後しばらくしてです)初めて、原作から入りました。物語の楽しさ、可愛さとともに、軽妙ながらも実に洗練された英語のすばらしさに心底魅了され、続いて日本語訳を購入して石井訳のみごとさにびっくり。それから、いろいろとコレクションを始めました。まだインターネットなどなかった時代のことで、自分の足で都内の丸善や紀伊国屋に通い、買い集めました。
初めて買ったペーパーバックの原作と岩波の訳本がこれです。
ほかには、、、
シェパードの原画集
A.A.ミルンの自伝、クリストファー・ロビン・ミルンの随筆、演劇の台本としてリライトしたもの、など・・
これは、ポップアップブック・・・
中を開くと、こんな感じです。素敵でしょう!
豆絵本もありますよ。
実は、私が一番大切にしている宝物が、これ。Lionel Jefferiesというイギリス人俳優の朗読によるカセットテープです。
彼たったひとりで、原作をそのまま録音しているだけなのですが、美しいクイーンズイングリッシュの発音で、すべてのキャラクターが全部違う声と話し方で生き生きと表現されていて、それはもう素晴らしい、絶妙の一言に尽きます!まさに、それぞれのキャラクターに命を吹き込んだといえます。目を閉じて聴いていると、クリストファー・ロビンやプーやコブタやイーヨーや。。。みんなが遊んでいる100エーカー森に自分も居るような、とても幸福な気分になれるのです。
今我が家にはカセットデッキがないのですが、川崎市の溝口(今でこそ、大規模開発が進んでいるようですが、当時は何もない場末の町でした)の小さなぼろアパートの一室で、わびしい1人暮らしをしていたころ、小さなラジカセで夢中になって聴いていたころの記憶が、しっかりとよみがえります。
原本の朗読のカセットブックやCDブック類は、他にもいくつか出ていて(アメリカ人によるものも含め)、少し聴いてみたこともありますが、Lionelさんの朗読があまりにも素晴らしくて、耳と心に焼き付き、彼がクリストファー・ロビンやプーやコブタやイーヨーに与えてくれた声が、私の中では絶対的なものなので、他の朗読はもう受け付けられないのです。Lionelさんのカセットブックは、今でもアマゾンから入手できますので(jpでも6000円ほど)、イギリス英語の愉しみとして星100個?!つけてお薦めします。CDでは出ていないのが、なんとも残念ですが・・私は、今からカセットデッキを購入してでも自分でCD化して保存したいと考えています。
今日はここまででおしまい。近いうちに、第二弾、あるいは三弾として、私が特に好きな場面をいくつか部分的に採り上げて、原文と訳文と対比してちょっとした分析を試みることや、クリストファー・ロビン・ミルン氏のことについてもっと掘り下げて語るということを考えています。また、クリストファー・ロビンにまつわる音楽なども紹介したいと思います。引き続きお付き合い下さいね。