現在放送中の大河ドラマ『軍師官兵衛』。皆さんご覧になっていますか~?
いよいよ手に汗握る展開になってきましたね・・・・
黒田官兵衛は、織田信長に謀反を起こした荒木村重の説得に失敗し、有岡城地下の陰惨な土牢に、1年にわたって幽閉されます。
この土牢のセットが、今東京のNHKスタジオパークに於いて展示されていまして、私も先週の土曜日(24日)に見学してきました!
混雑しているかなと思っていたのですが・・・まったく空いていまして、スタッフさんがいろいろ説明してくれました。
これが、土牢です!縦方向から中を見られるだけでなく、このように自由に中に入って、撮影したり触れたりすることができます。
まさにここで、岡田準一さんが迫真の演技をしたのだなあーーと、感激し恐れ多くなりながら、遠慮なく写してもらいました。
幽閉時代の着物は3着あるそうで、これが一番汚くなったときのもの。
木の格子の側からも写してもらいました。ちょっとブレブレですが、雰囲気は伝わるでしょうか・・・
光くん、助けてぇ~~~~
ところで、この格子、十字になっていますね。。。
それから、官兵衛を励まし続けるように美しく咲く藤の花が見える小さな明かり窓がありますが・・・
この枠も十字になっているのがよくわかりますね~。
これは、辛い幽閉時代を経て、官兵衛がキリシタンになることを示唆する伏線の意味があるのだそうです!
25日の放送では、この窓がキーポイントみたいにいっぱい出てきましたから、前日にこの説明を聞いてきてよかったな~~!とほくそ笑みながら見ちゃいましたね。
窓の外から見るとこうなっています。
この土牢のデザインについて、軍師官兵衛の美術チーフデザイナーさんの詳しい解説があります(こちら)。< 注へ>
高さ×奥行×幅が、1.35 × 1 × 1.35mとのことですが、その中に岩がごつごつと張り出しているため、岡田さんが足をのばして寝ることすらできない狭さになっています。
こんな、劣悪、凄惨な地獄の環境に1年も閉じ込められるなんて、肉体的・生理的・精神的拷問ですよね・・・・(史実は、もしかしたらもっともっと恐ろしいものだったかもしれませんよ・・・・)
村重の妻だしや、心優しい牢番の支えがあったとはいえ、ここから復活するなんて、官兵衛の精神・肉体両面の強靭さはいかばかりだったろうと、驚かされます。
ただ一言、村重に味方する(織田を裏切る)と言いさえすれば、この地獄から解放されたでしょうに、「どんなに裏切られても絶対に裏切らない」という高潔な信念が彼を支えたのでしょうか!
こちらは、合戦場の本陣。
あと、姫路城の広間などありまして、展示物の数としては予想より少なかったですが、土牢だけでも見応え十分ですっかりテンションが上がりました~。
この「スタジオパーク」という建物には、他にも沢山見学できるところがありまして・・・歴代の大河ドラマと朝ドラの小道具や衣装なども展示されています。
朝ドラ「花子とアン」の特別展。
タイトルバックでアンがかぶっていて花子に渡る可愛い麦わら帽子ですね!こんなの欲しい~~
そしてそして・・・・・官兵衛展以上に私が興奮したのは・・・・
ドラマライブラリーというフロアにある、『平清盛』の小道具3点!
(ドラマライブラリーは、歴代の大河ドラマと朝ドラの小道具、衣装、資料などを展示するコーナーです。)
1.【清盛のサイコロ】
『平清盛』の全話を通して、最も重要な小道具のひとつであった、清盛のサイコロです!
2.【鹿の角で作った髪飾り】
魔除けでもある鹿の角は、清盛の生母舞子と忠盛との絆を表す小道具でした。
舞子を大切に想い始めた忠盛が、舞子に鹿の角をプレゼントし、彼女が嬉しそうに髪に飾るシーン(『平清盛』1回DVDより)。
この直後に舞子は捕われ、白河院の手にかかって、忠盛と赤子清盛の目前で殺されます。
3.【清盛の指輪(こちらも鹿の角でつくったもの)】
清盛の指輪とは、皆さん気付いておられたでしょうか。
「平清盛を引き続き楽しむ集い」掲示板でも話題になっていまして、sswさんが「小道具インデックス」でこのように紹介してくださいました。
「清盛の右手親指にはめられていたもの。弓の矢を引くための取っ掛かりで松ケンの発案だそうです。鳥羽院とのエア弓の時、「神輿を射たは、わざとか?手違いか?」と問われた時、清盛は手のひらのサイコロを握り締める。キリキリと。緊張感の中、この白い指輪が目立ってました。そして「嵐の中の一門」いわゆる血曼荼羅の回では、大日如来に筆を入れる直前、逆光の中で右手からそっと指輪を抜き取り盛国に渡す。こんな細かい演出も。また後白河と対峙する場面でも見られました。」
弓をひっかけるための指輪・・・松ケンさん自身のアイディアで、清盛は最初の頃、この指輪を常につけていました。つまり、あの宋剣と並んで、清盛の武士としての自覚と誇りの象徴だったのです。ですから、「平氏」が「平家」(公卿)になり、武門としての心を忘れていくと、清盛はこの指輪を外してしまいます。
このように、本当にちっちゃいながらも、見過ごしてはならない大切な小道具でした。
サイコロを握りしめる清盛の右手(DVD13回)。
神輿めがけてわざと矢を射たのか、単なる手違いか、という鳥羽院の問いに、どう答えるかでその後の平氏の運命が決まる、といってもいいほどの重要な瞬間でした。
賭けに出た清盛は、「わざとにござります!」とはっきりと答えます。
この返答を待っていましたとばかりに、鳥羽院は、「朕を射てみよ!」と清盛に挑むのです。三上博史さんのシュールな鳥羽院も素晴らしかったですね!
なお、こちらは宋剣のデッサンだそうです。絵ではなくて、実物見せてくれよ・・・と思いましたけどね。
あああ~~~~この記事を書くためにまた『平清盛』のDVDを見返していたのですが、放送から2年が経過してなお、心捉えて離さないドラマです!
官兵衛も面白いし、八重もよかったけど・・・、やっぱり私にとって『平清盛』は別格なのです。
ほかにも、『義経』で、松平健さん演じる弁慶が履いていた下駄だとか、こまごまとありましたが、『平清盛』の3点を見られただけでも、来た甲斐があったと大満足。
ちなみに、、ランチは、館内のスタジオカフェに行ってみました。
官兵衛にちなんだ「軍師官兵衛御膳」、花アンにちなんだ「甲州ほうとう」、そして「ごちそうさん」にちなんだ「昔ながらの洋食セット」、という、ドラマがらみのミーハーなメニューがあって、もちろん
官兵衛御膳にしました!
官兵衛が築城して初代藩主となった中津城にちなんで、大分の食材でつくった膳だそうですが、鯛のゴマたれあえをご飯のにのっけて、だしをかけるお茶漬け、ふわふわのてんぷらなど、大変美味しく頂きました。
この官兵衛ドラマセットの世界は、6月22日まで。花アン特別展は、6月8日まで。ドラマライブラリーは常時展示。月曜は休館です。
アクセスも良いです。渋谷のマークシティ前の2番バス乗り場から、NHKスタジオパーク行き直行バスが出ていて、このバスがNHKの敷地内まで入っていきスタジオパークの建物のすぐそばで止まります(10分ほどです。スイカで206円)。
なお、スタジオパークに入るのに入場料が要るので最初びっくりしたのですが・・わずか200円。展示物の見応えを考えれば安いものだと思いました。
大河ドラマや朝ドラのセットや小道具って、どうなんでしょう・・・使い回しできるものは使ってはいるでしょうが、大半が、1回限りで終わったらさっさと破棄しているのでは?
もったいない話です。入館料がもっと高くてもいいので、展示物の数をもっと増やしてほしいものだと思いました。
さて、『軍師官兵衛』、次回は早くも?!有岡城落城で、官兵衛救出です。逃亡する村重に見捨てられ、処刑される運命にあるだしのことも大変気がかり・・・今後の展開が楽しみですね。
< 注>
土牢の解説は、3ページあります!
「有岡城 土牢①」と「有岡城・土牢②」、さらに、②を一番下までスクロールすると「写真で見る、有岡城・土牢ができるまで」をクリックして開けるようになっています。