どか~~んと届いた「プレミアムひものセレクト“極”」(冷凍)
10個も、いろんなお魚が!
贈り主は・・・「佐世保市役所」さんです。
そう、ふるさと納税の返礼品です。たった1万円の寄付でこんなに豪華なお品をいただけて、ありがたすぎますね~~
遅ればせながら、わが家は、今年初めてふるさと納税しています。皆さんもやっておられますか。
わずかな金額ではありますが、長崎県内の自治体に3か所、あと、被災地支援の意味で、熊本県内に2か所、寄付して、それぞれ返礼品を申し込みしました。
「ふるさとチョイス」というサイトを利用すると、全国の自治体にクレジットカードで簡単に寄付ができて、返礼品もよりどりみどりです。。。絶対お得だというので、乗り遅れまいと、やってみたのですが・・・・さすがに、この品物がほしいから、この自治体に!というように、お取り寄せ感覚で、縁もゆかりもない自治体に寄付をするというのは、気が引けました。佐世保市や西海市には、今、私にとって大切な人たちがたくさん住んでいるだけでなく、近い将来自分も住む可能性が高いので、心からの郷土愛で行うことです。しかしそれでも、なんらかのメリットがあるから、積極的にやるんじゃないでしょうか。実質手出し2000円で、それ以上の価値の品をもらえる、となると、背に腹は代えられないですよねぇ・・・
ふるさと納税をしていない方のために、仕組みを大雑把に書いてみますと・・つまりですね・・・
あなたがA市の住民で、住民税が10万円だとします。このうちの一部を、「寄付」という形で別の自治体に納税するのがふるさと納税です。寄付先は自分の故郷とかに限らずどこでもOK。B市を選んでここに1万円「寄付」すると、このうち8000円があなたの来年の住民税から控除されるので、10万円のうちの8000円を、A市の代わりにB市に前倒しで納税したことになるのです。で、2000円だけあなたの手出しになりますが、B市から、寄付額の4~5割相当の返礼品がもらえるので、あなたは実質的に得をします。寄付額が2万とか5万とか大きくなっても手出しは2000円で寄付額の4~5割相当が返礼になるので・・・大金を寄付できる人は、大儲けというわけです。ちなみに、住民税のうち、いくら寄付できるか、という限度額は、納税者の年収や家族構成などにより決まりますが、限度額は年収に比例して高くなるので、富裕層が有利となる制度であるのは明らか。限度額の目安は、こちら。総務省のサイトです。2.「控除額について」の「寄付額一覧」をクリック)
佐世保市は、ふるさと納税の成功率が大変高い自治体のひとつで、ふるさとチョイスの統計によれば、2015年度の寄付金額ランキングで全国5位(ちなみに、平戸市はさらにその上を行き3位)!ふるさと納税で24憶円も集めたんですね・・・この額は年々増大するのでしょう。品物が良いのはもちろんですが、対応も早いですもの!カードで支払い完了したその夜にお礼メールが届き、翌日には発送しましたメールが届き、3日後には茨城の納税者のもとにお品がどかんと到着となるよう、手配してくれるんですからねぇ。その素早く丁寧な仕事ぶりは評価するとして・・・気になるのは、24憶というスケールの資金を、具体的にはどう活用して佐世保市民をより幸福にしてくれるのか、ということです。市のサイトに、佐世保応援寄付金活用事業という説明がありどういう使い道をしているか、ある程度書いてあるのですが・・小中学校情報通信ネットワーク整備とか、世界遺産活用推進とか、若者の定住を促進するなんとかとか・・・でも、私が一番望む、高齢者福祉の充実は、見当たりません・・・それにはちょっと不満が残ります。
寄付額が大きい自治体なればこそ、できるだけ寄付者の望む活用を可能にするシステム作りを望みたいです。どの自治体にも言えることですが、寄付金の使途の透明化と、寄付者の願いを吸い上げる努力・・・課題として考えていただきたいです。
ふるさと納税が過熱するにつれ、いろんな問題も浮上していますね。
住民税の一部を好きな自治体に寄付という形で納付し、納付先の自治体からお礼の特産物などがもらえるというシステムそのものは、ある意味きわめて日本的だし、とてもいいと思うのです。ただ、上にも書いたように、富裕層がますます大きく優遇され、低所得層ほど恩恵がないという、大きな不平等を生んでいるのは、おかしいのではないでしょうか。
そして、現在最も大きな問題・・・誰かがふるさと納税をすると、その納税者が住む自治体からは、控除として税収が流出することになります。集まる寄付よりも控除として出ていく額が大きければ赤字となり、本来の行政サービスに支障が出ます(実際出ているところがあります)。そういう事態に陥ることを恐れ、どの自治体も、これでもかと返礼品を豪華にして(特典をつけて)、税収獲得合戦(もっといえば、奪い合い)状態になっており、自治体間の格差は広がるばかり・・・暴走するふるさと納税とまで言われて、本来の趣旨である、自分の故郷の自治体や愛着のある市町村を応援することで地方創生に貢献する、という理念に立ち返るべきでないか、という批判もあちこちで上がっているようで、私も同感です。
そのうち、返礼品の在り方に何らかの制限がかかるようになるかもしれませんね・・・。寄付額にかかわらず、返礼品は、手出し2000円をちょうど埋め合わせるか、ちょっとプラスアルファくらいの価値(せいぜい3000円??)のものに統一すればどうですかね?
あと、使途の透明化については・・・ふるさとチョイスサイトの「使い道でチョイス」タブをクリックすると、具体的にこういうプロジェクトに活用します!という明確な約束を提示して募集している自治体も増えています。これはいいですね~。西海市や大村市も、「天正遣欧少年使節関連史跡の整備」とか、やりません?!で、返礼品が「ジュリアンポーク」って、どう!!
・・・と、いろいろ考えながらも、プレミアム干物セットの次は、ミカンに、お肉に、バターにチーズだと、届くのを楽しみに待っている栗恵光家であります。 クレジットカードで寄付金を支払うとき、「返礼品は不要」をクリックする選択肢もあるのですが・・・やっぱりもらいたいのが正直なところ。
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