自分のこころを自分の意志でコントロールしましょう4
自分のこころを自分の意志で動かしましょう
私は、心療内科をしています。それは心から来る病気を治すためです。しかし、私は精神科医や心療内科医たちと違って、自分で自分の病気を治すようにアドバイスしてきました。
私の友人の精神科医は、「お前はよく病気を治しているな」と感心してくれています。
それは「自分の健康は自分で守る」ということが私の医療の基本であり、それを実現すべく、心療内科を学びました。私の父の友人である若月俊一より、沢内村で実践した医師のこころを選んだのです。池見酉次郎さんを始めとする九大心療内科の人たちは、いろいろなことを教えてくれました。
また科学史の中山茂さんからも教えられました。
自分で学び、自分で自分をコントロールすることです。学生時代は、怒りをエネルギーにして活動していましたが、心療内科を学んで心穏やかに活動することができるようになりました。その方法を、ブログに載せていきます。
こころは、なかなか自分では動かせません。それを動かすようにするのです。痛みは自分のからだが教えてくれる警告信号ないしは注意信号です。その痛みを心でコントロールできるのです。「心身滅却すれば、火もまた涼し」ということを言った人がいましたし、針のむしろに坐ることができる人もいるし、消したばかりの燃えていた炭の上をはだしで歩き、やけどしないという話も聞いたことがあるでしょう。それはすべてこころが働いているのです。
宗教で病気が治るのもその一つです。キリストやモハメッドの奇跡も、そうです。信じればある程度は治ることができます。こころの持ち方で、がんも治ります。但し、それには大変な努力が必要です。出来る人は僅かしかいません。だから仏教では、清水寺や高野山など多くの高名な寺では、一生そこで修行し続けるのです。
心療内科をしていて判ったことは、修行を一日でもやめると、それだけ退行する、つまり得られた境地が戻ってしまいます。毎日することが必要です。
今までは、診療所内でしかお話していなかったことを、余裕ができたのでブログに載せていきます。
まず簡単に出来ることから、だんだん努力が必要なことへと薦めていくつもりです。
「心療内科」です。これは、精神神経免疫学ともつながります。コロナウイルスを克服するには、心穏やかに、決して負けないで、乗り越えていきましょう。
スペイン風邪の時は、死を恐れず、人の死を乗り越えて闘った人々が生き残ったのです。
でもこころだけではだめで、それに食と体力温存が必要です。睡眠も必要です。
1. 呼吸法の原則
いろいろな呼吸法を見てきて判ったことは、こつは皆同じです。それは、
1.「息を吸う時は、まず鼻で吸うこと。」それと同時に、こころで「いち、にー、さん、しー」と四つ数える間、息を吸い続けます。つまりゆっくり、深く静かに、鼻で息を吸います。
口で吸うより鼻で吸う方が、効果が大きいです。何に効果があるかと言うと、心身一体なので、こころに大きくひびくのです。何年もしていて慣れてくると、息を鼻で吸っている間に、心が落ち着き始めます。
2.次に「息を吐く時に、鼻から息をもらすように少しずつ息を吐きます。」その時に、こころで「いち、にー、さん、しー、ごー、ろく、しち、はち」と八つ数えるくらいの時間をかけて、少しずつ吐いていきます。
3.この四つ数えるくらいの間、鼻で息を吸い、八つ数える間鼻で息を吐くということがコツです。
私はトレーニングを積んできましたから、これをするだけでも足の裏からジーンとしてきます。
4.こころを落ち着けるには、この呼吸法をするとよいです。
催眠に入る前の呼吸も、「リラックス反応」の時の呼吸も、この方法でします。
5.心身のトレーニングとしての自己修養法としての「呼吸法」も教えますが、これは時間がかかります。
ゆっくり時間をかけてする方法です。
2.「リ ラ ッ ク ス 反 応 」
ハーバート大学医学部教授ベンソン博士による、高血圧症の治療の為のめい想法(ハーバート方式)で、人間の身体のもつ「リラックス反応」をめい想によってひきだす方法です。
高血圧の人のために考案されましたが、心身症や神経症にもよいです。
(1) 楽な姿勢でいすに静かにすわります。脊ぼねはのばしますが、首の力は抜いて前へたらして下さい。また楽な姿勢であおむけに寝てもかまいません。その時は座ぶとんを膝の下に入れると楽です。
(2) 目を閉じます。
(3) 足先から順次全身の筋肉の緊張をほぐし、力をぬいていきます。右足の親指から始めて、人差し指、中指、薬指、小指と進めます。次に足の甲、足の裏、足首、すね、ふくらはぎ、膝、ふともも、ふとももの裏の筋肉と進め、次いで左足、右手、左手、お尻、お腹、胸、背中、首、頭、顔(目、鼻、耳、口と唇)と身体中の筋肉を一つ一つ力を抜いていきます。
「右足の親指の力をぬいて」、「右足の人差し指の力をぬいて」、「右足の中指の力をぬいて」、「右足の薬指の力をぬいて」、「右足の小指の力をぬいて」と進め、次に足の甲(足背)、足の裏、足首と進めていきます。
一つひとつ命令をして、力を抜くことがポイントです。熟練すると、「はい、力を抜いて」
と自己暗示するだけで、全身の力が抜けるようになります。
力が抜けているかどうかは、力を入れてまた抜いて見れば分かります。
身体の緊張をとり、身体をリラックスさせる感じは、お風呂に入って腕が自然に浮いて来る感じになれば良いのです。太ももや肩から腕にかけての筋肉の緊張がとれればリラックスしやすいのです。
ここで体の緊張が取れたと思ったら、次へ進みます。
(4) 鼻で静かに呼吸し、静かに息を吸い込み、はく時に「ひと――つ」と数えます。
静かに、自然に吸い、そしてはく時に「ひとーつ」「ひとーつ」「ひとーつ」を繰り返します。
この時のコツは、鼻で吸う時に、ゆっくり「いち、にー、さん、しー」と四つ数えるくらいにゆっくり吸い、次に息をはく時に、「いち、にー、さん、しー、ごー、ろく、しち、はち」と八つ数えるくらいに、ゆっくりはきます。その息をはいている間に、「ひと―――つ」もしくは、「ひとーつ、ひとーつ」と二度繰り返すかします。この時、「ひとーつ」のかわりに「気持ちが落ち着いている」としてもよいです。これをくりかえします。
(5) 10分から20分続けた後に静かに時計をみます。決して時計のタイマーを使ってはいけません。時計を見て、これでよしと思えば、そのまま目を閉じ1、2分、そして目を開いて2、3分静かに同じ姿勢を続けます。始めは、かなり長くやっているつもりでも、時計を見るとそんなに時間がたっていません。上手になるにつれ、時間があたるようになっていきます。でも、時間を気にしてもいけません。大体でいいです。
(6) 自分がうまくめい想しているかどうかなど気にかけてはいけません。リラックス反応が自然におこるのを待ち、雑念が浮かんでも決してそれを発展させて考えてはいけません。浮かぶままにします。余り雑念を意識せずに、それを止めて元に戻します。
いろいろな雑念が、ちょうど泉の水が湧いてくるように、浮かんできます。雑念が浮かんでそれを考えていることに気がついたら、それを止めて下さい。そしてまた息を吸い、息をはく時に「ひとーつ」、「ひとーつ」と数えます。これを一日一回または二回、15分から20分間、毎日実行して下さい。
身体と精神の緊張には相関関係があり、まず(1)~(3)で身体の緊張をとり、それから(4)~(6)で精神(こころ)の緊張をとるのです。こころをリラックスさせるために身体の緊張をとるのです。身体の緊張がとれると眠くなるかも知れません。それから終わりには大きく「のび」をして下さい。
そのまま眠ってしまったら、目がさめた時に大きく「のび」をしましょう。こころの訓練は身体の訓練(スポーツ)と同じです。だからうまくできるようになるには時間がかかります。こころのリラックスができるようになるには、人によっては1年以上かかることもあります。あせらず毎日続けましょう。
眠れない時にすると、睡眠の導入に効果があります。眠れない時というのは、いろいろなことが頭に浮かんで眠れないのです。それが、この方法で考えを打ち消せると眠れるようになります。
自分のこころを自分の意志で動かしましょう
私は、心療内科をしています。それは心から来る病気を治すためです。しかし、私は精神科医や心療内科医たちと違って、自分で自分の病気を治すようにアドバイスしてきました。
私の友人の精神科医は、「お前はよく病気を治しているな」と感心してくれています。
それは「自分の健康は自分で守る」ということが私の医療の基本であり、それを実現すべく、心療内科を学びました。私の父の友人である若月俊一より、沢内村で実践した医師のこころを選んだのです。池見酉次郎さんを始めとする九大心療内科の人たちは、いろいろなことを教えてくれました。
また科学史の中山茂さんからも教えられました。
自分で学び、自分で自分をコントロールすることです。学生時代は、怒りをエネルギーにして活動していましたが、心療内科を学んで心穏やかに活動することができるようになりました。その方法を、ブログに載せていきます。
こころは、なかなか自分では動かせません。それを動かすようにするのです。痛みは自分のからだが教えてくれる警告信号ないしは注意信号です。その痛みを心でコントロールできるのです。「心身滅却すれば、火もまた涼し」ということを言った人がいましたし、針のむしろに坐ることができる人もいるし、消したばかりの燃えていた炭の上をはだしで歩き、やけどしないという話も聞いたことがあるでしょう。それはすべてこころが働いているのです。
宗教で病気が治るのもその一つです。キリストやモハメッドの奇跡も、そうです。信じればある程度は治ることができます。こころの持ち方で、がんも治ります。但し、それには大変な努力が必要です。出来る人は僅かしかいません。だから仏教では、清水寺や高野山など多くの高名な寺では、一生そこで修行し続けるのです。
心療内科をしていて判ったことは、修行を一日でもやめると、それだけ退行する、つまり得られた境地が戻ってしまいます。毎日することが必要です。
今までは、診療所内でしかお話していなかったことを、余裕ができたのでブログに載せていきます。
まず簡単に出来ることから、だんだん努力が必要なことへと薦めていくつもりです。
「心療内科」です。これは、精神神経免疫学ともつながります。コロナウイルスを克服するには、心穏やかに、決して負けないで、乗り越えていきましょう。
スペイン風邪の時は、死を恐れず、人の死を乗り越えて闘った人々が生き残ったのです。
でもこころだけではだめで、それに食と体力温存が必要です。睡眠も必要です。
1. 呼吸法の原則
いろいろな呼吸法を見てきて判ったことは、こつは皆同じです。それは、
1.「息を吸う時は、まず鼻で吸うこと。」それと同時に、こころで「いち、にー、さん、しー」と四つ数える間、息を吸い続けます。つまりゆっくり、深く静かに、鼻で息を吸います。
口で吸うより鼻で吸う方が、効果が大きいです。何に効果があるかと言うと、心身一体なので、こころに大きくひびくのです。何年もしていて慣れてくると、息を鼻で吸っている間に、心が落ち着き始めます。
2.次に「息を吐く時に、鼻から息をもらすように少しずつ息を吐きます。」その時に、こころで「いち、にー、さん、しー、ごー、ろく、しち、はち」と八つ数えるくらいの時間をかけて、少しずつ吐いていきます。
3.この四つ数えるくらいの間、鼻で息を吸い、八つ数える間鼻で息を吐くということがコツです。
私はトレーニングを積んできましたから、これをするだけでも足の裏からジーンとしてきます。
4.こころを落ち着けるには、この呼吸法をするとよいです。
催眠に入る前の呼吸も、「リラックス反応」の時の呼吸も、この方法でします。
5.心身のトレーニングとしての自己修養法としての「呼吸法」も教えますが、これは時間がかかります。
ゆっくり時間をかけてする方法です。
2.「リ ラ ッ ク ス 反 応 」
ハーバート大学医学部教授ベンソン博士による、高血圧症の治療の為のめい想法(ハーバート方式)で、人間の身体のもつ「リラックス反応」をめい想によってひきだす方法です。
高血圧の人のために考案されましたが、心身症や神経症にもよいです。
(1) 楽な姿勢でいすに静かにすわります。脊ぼねはのばしますが、首の力は抜いて前へたらして下さい。また楽な姿勢であおむけに寝てもかまいません。その時は座ぶとんを膝の下に入れると楽です。
(2) 目を閉じます。
(3) 足先から順次全身の筋肉の緊張をほぐし、力をぬいていきます。右足の親指から始めて、人差し指、中指、薬指、小指と進めます。次に足の甲、足の裏、足首、すね、ふくらはぎ、膝、ふともも、ふとももの裏の筋肉と進め、次いで左足、右手、左手、お尻、お腹、胸、背中、首、頭、顔(目、鼻、耳、口と唇)と身体中の筋肉を一つ一つ力を抜いていきます。
「右足の親指の力をぬいて」、「右足の人差し指の力をぬいて」、「右足の中指の力をぬいて」、「右足の薬指の力をぬいて」、「右足の小指の力をぬいて」と進め、次に足の甲(足背)、足の裏、足首と進めていきます。
一つひとつ命令をして、力を抜くことがポイントです。熟練すると、「はい、力を抜いて」
と自己暗示するだけで、全身の力が抜けるようになります。
力が抜けているかどうかは、力を入れてまた抜いて見れば分かります。
身体の緊張をとり、身体をリラックスさせる感じは、お風呂に入って腕が自然に浮いて来る感じになれば良いのです。太ももや肩から腕にかけての筋肉の緊張がとれればリラックスしやすいのです。
ここで体の緊張が取れたと思ったら、次へ進みます。
(4) 鼻で静かに呼吸し、静かに息を吸い込み、はく時に「ひと――つ」と数えます。
静かに、自然に吸い、そしてはく時に「ひとーつ」「ひとーつ」「ひとーつ」を繰り返します。
この時のコツは、鼻で吸う時に、ゆっくり「いち、にー、さん、しー」と四つ数えるくらいにゆっくり吸い、次に息をはく時に、「いち、にー、さん、しー、ごー、ろく、しち、はち」と八つ数えるくらいに、ゆっくりはきます。その息をはいている間に、「ひと―――つ」もしくは、「ひとーつ、ひとーつ」と二度繰り返すかします。この時、「ひとーつ」のかわりに「気持ちが落ち着いている」としてもよいです。これをくりかえします。
(5) 10分から20分続けた後に静かに時計をみます。決して時計のタイマーを使ってはいけません。時計を見て、これでよしと思えば、そのまま目を閉じ1、2分、そして目を開いて2、3分静かに同じ姿勢を続けます。始めは、かなり長くやっているつもりでも、時計を見るとそんなに時間がたっていません。上手になるにつれ、時間があたるようになっていきます。でも、時間を気にしてもいけません。大体でいいです。
(6) 自分がうまくめい想しているかどうかなど気にかけてはいけません。リラックス反応が自然におこるのを待ち、雑念が浮かんでも決してそれを発展させて考えてはいけません。浮かぶままにします。余り雑念を意識せずに、それを止めて元に戻します。
いろいろな雑念が、ちょうど泉の水が湧いてくるように、浮かんできます。雑念が浮かんでそれを考えていることに気がついたら、それを止めて下さい。そしてまた息を吸い、息をはく時に「ひとーつ」、「ひとーつ」と数えます。これを一日一回または二回、15分から20分間、毎日実行して下さい。
身体と精神の緊張には相関関係があり、まず(1)~(3)で身体の緊張をとり、それから(4)~(6)で精神(こころ)の緊張をとるのです。こころをリラックスさせるために身体の緊張をとるのです。身体の緊張がとれると眠くなるかも知れません。それから終わりには大きく「のび」をして下さい。
そのまま眠ってしまったら、目がさめた時に大きく「のび」をしましょう。こころの訓練は身体の訓練(スポーツ)と同じです。だからうまくできるようになるには時間がかかります。こころのリラックスができるようになるには、人によっては1年以上かかることもあります。あせらず毎日続けましょう。
眠れない時にすると、睡眠の導入に効果があります。眠れない時というのは、いろいろなことが頭に浮かんで眠れないのです。それが、この方法で考えを打ち消せると眠れるようになります。