黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

早期離乳のメリット

2016-05-27 08:32:54 | 予防接種、育児法
私は、早期離乳を提唱しています。日本は離乳が遅いですが、早期離乳を提唱するには訳があります。
小児科医としていろいろな子どもを見てきました。世界中でいろいろな離乳の方法があります。どれを選択するかは国や民族によって異なりますが、これだけグローバル化した今日、同じ国でも民族、宗教、文化水準によっても異なってきました。ぜひ知っておいて、その上で選択してください。

また、今回は書けなかったいろいろな話題もありますが、後日にします。

早期離乳のメリット
―乳幼児の誤飲事故を防ぐために―
 私が提唱する「早期離乳」は、一時代前の欧米で始ったことで、今の状況はコメントされた方の言うようにばらばらになって来ています。
 私が取り上げて提唱した理由は、
第一に、赤ちゃんのストレスもしくは欲求不満を無くすことです。その表現としての指しゃぶりがあります。そして何でも口に持って行ってしまうことです。
 昔、フロイドという学者が、これを子どもの発達の一段階としてとらえて、「口唇期」と呼びました。しかし、早期の離乳が始まると、約三分の二の子どもは指しゃぶりや物を口に入れなくなります。それで私はなんらかの欲求不満と考えたのです。
第二に、そのために乳幼児がいると、口の中に物を入れてしまうので、誤飲事故が起きます。
 これを防ぐには、口の中に入る大きさのものをすべて片づけなくてはいけません。
 子どもは大人の想像できないことをします。想定外のことが、子どもでは普通です。
 誤飲事故予防も大切な目的です。
第三に、栄養学的には母乳や母乳化されたミルクではいろいろな栄養上の問題があります。
 まず、ビタミンC、D、A、鉄分、カロリーの順に不足してきます。母乳栄養児の場合は、ビタミンKが予防的に必要です。(頭蓋内出血の予防です)
 ですから、未熟児あがりの赤ちゃんは、たいてい鉄分とビタミンCを処方されます。早く生まれてしまうと、母親から十分もらっていないために、早く不足するからです。
 ミルクの場合には、ビタミン類は強化されていますが、鉄分とカロリーはされていません (鉄分強化ミルクもありますが、一般的にはなっていません)。
今のミルクは、普通の牛乳と比べると、母乳に近づけられて、ほぼ55%の濃度に薄められています。ですから、母乳もミルクも、それだけでは必要なカロリーを補給できず、大きな赤ちゃんや、男の子、動きの良い子などはおなかが空くので、がぶがぶ母乳やミルクを飲み、ぶくぶく太りになります。離乳食を早く進めると固太りになります。
第四に、母乳がよいというのは、生後三か月までです。最大のメリットは、母乳だと母子ともに母乳の時間が楽しい時間になるからです。赤ちゃんは、空腹を満たして気持ちがよくなるし、母親は腫った乳房を吸ってくれると(よく腫る人は痛くなることもあり)気持ちがよくなります。自然に授乳の時間が母子ともに気持ちの良い待ち遠しい時間になります。
 母乳のメリットの二番目は、免疫の問題ですが、これは過剰に宣伝されています。
 アメリカ小児科学会は、母乳は生後三か月まで飲ませていればよいと言います。それは、母乳の中の抗体が働くのは、乳児の腸管内だけで、それにより乳児の胃腸炎が防御できます。ロタウイルス感染が四か月以後になる理由です。しかし、母乳の免疫が、乳児の血液中に入る証拠はありません。血液中の免疫は、胎盤を通して母親からもらいます。母親に免疫がなければ、新生児から病気になります。新生児破傷風、先天性風疹症候群、トキソプラズマ、サイトメガロウイルスなどが問題です。最近、また増えはじめたのが先天梅毒と言われています。いずれにせよ母乳からは得られません。
 突発性発疹症が、6か月以後に発病するのは母親の免疫を、胎盤を通してもらっているからだという説明には納得できます。

早期離乳に関係ありませんが、母乳の話をします。
 哺乳類のほとんどは、人間とその周辺にいる犬や猫などを除き、乳児期を過ぎると、母乳を消化する乳糖分解酵素を産生する指令を出していた遺伝子ゲノムがその産生の指令を止め、乳糖分解酵素が産生されなくなり、母乳を飲んでも下痢をしてしまいます。それで母乳を飲めなくなり、自然に幼児期には離乳する結果になります。
人間が成長しても母乳や牛乳が飲めるのは、多分何万年もの長い間の適応であろうと言われています。でも、まだ適応していずに、牛乳が飲めない(アレルギーではなく)人が、農耕民族には少なくないという世界的な調査があります。日本人でも、牛乳を飲むと下痢をするという人です。
 母乳はどのくらい出続けるのでしょうか。私の知っている最長は、インドで15歳まで飲ませていたという報道でした。その子は、固形食をほとんど食べていなかったので、6歳くらいの体格で、やせており、精神発達も遅れていました。
昔は、乳母という職業がありました。母親の代わりに母乳を飲ませるのです。赤ちゃんを産んで自分の赤ちゃんが離乳してから、ほかの赤ちゃんに授乳するのです。止めなければ出続けるので、また次の赤ちゃんに授乳します。ミルクのない時代には母乳の出ない母親にとっては、救いの神でしたが、金持ちしか雇えませんでした。
 牛乳はどうしてとるのでしょうか。まず仔牛を産ませて、その仔牛が成長したら母親の牛から離して、牛乳を搾るのです。そして何年かたち、牛乳が出なくなったら、もう一度仔牛を産ませるか、廃牛にします。酪農家で良質の牛乳を出荷する人は、毎年仔牛を産ませ、その間牛乳はとれませんが、良質の牛乳がとれます。北海道でそれをしているグループの話が本になっています。
 ねじめさんという小説家は、小学一年まで母乳を飲んでいたと書いています。だからいつまでも母乳を飲ませていてもよいとは、私は思いません。
 また、よく雌犬が猫やほかの犬の赤ちゃんを授乳して育てた話を聞きます。これは、本当です。
 アメリカでは、養子をもらって母乳で育てる母親が少なくないです。キリスト教徒は子どもを育てられない母親の代わりに、養子にもらって育てる風習(教え?)があります。
 ですから、1970年代のウーマンリブの盛んな時の活動家の女性が、後になって「第一子は母乳が少しか出なくて主にミルクで育てた。第二子は母乳だけで育てた。その次に養子をもらって母乳で育てて、女性としての自信が出来た」と語っていたのを新聞か雑誌に出ていたのを記憶しています。実際、アメリカでは養子を母乳で育てることを勧めています。それは昔からで、いつからかは知りません。
 結論は、子どもへの愛情があれば、母乳は出るのです。ただし、月経がある期間です。
 私を認めてくれた内藤寿七郎先生は、「黒部君、男だって乳腺があるから、母乳は出るんだよ」と言われて、私をびっくりさせました。でも本当です。男の子の赤ちゃんでも、母親のホルモンが残っている時期は、乳腺がはっていると、それをしぼるとピュッと母乳(?)が出ます。
 また、ある禿の人が言うことには、「オナニーをしながら自分の乳房をもむと、乳房がはってくるが、毛も生えてくる」と言っています。きっとそれを続けたら、母乳も出てくるでしょう。その人は、その方法で禿を治す研究会を作っていました。禿に女性ホルモンが関係していることも知られていますが、知る限りでは頭頂部ではなく、それより外側の生え際に近い部分ではないかと思っていましたが、どうでしょうか。私には知識がありません。

 早期離乳と母乳の話をしました。私の知っていることはこのくらいです。いずれも調べて頂ければ、どこかに書かれているか、残されていることです。
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