急行特急は行く…

「突然のさよならは、暖かい風に散る。薄紅の花びらのはかなさにも似て、音も立てず。ゆっくりと浮かぶのはいくつもの過ぎた日々…中略…わけなんて言わないで。春だからそれでいい。あなたから背を向けて傷付かずに始まる物は無い」(篠原美也子『前髪』１９９６年)

早くも散りはじめた桜の花びらを見て、口ずさむ歌は、はかない失恋の歌。私自身は、失恋はしていないが、人生という目に見えて見えない存在から受けた失恋は数知れないが…。

巡り巡るのは季節と同時に暦でもある。月初から何もそんなはかなさにも似た言葉を書かなくても…という声を右から左にやりすごして。
始まりは誰にとっても１回で、良いか悪いかはその後に判る事は言わずと知れた話である。良質な始まりが全ての人にあらん事を。