読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

はじめての<しゃばけシリーズ> 畠中恵 小説新潮9月号

2008-09-03 22:47:33 | 読んだ
小説新潮9月号の特集のひとつが「日本のファンタジーはすごい!」ということで、<短篇ファンタジー傑作選>となっている。

その巻頭にあるのが、ご存知・お馴染みの『しゃばけ』である。
今回は「はじめての」という短篇である。

しゃばけは、江戸の廻船問屋兼薬種問屋「長崎屋」の若旦那・一太郎が主人公である。
この若旦那は祖母おぎんが「皮衣」という大妖(妖怪)であることから、妖(あやかし)が見え話すこともできるという才能を持っている。
しかし、この若旦那は「気合の入った病人であり、齢十二にして手練れの病もち」なのである。

ここでわかった方は相当の「通」なのであるが、今回の「はじめての」は若旦那が十二歳のころのお話なのである。

若旦那は妖と友達である、病弱である、という特徴とともに「推理力」があるという大きな特質を持っていて、身の回りの不思議なことや謎を解決していくのである。

今回は、医者が社を建てることで、どうも詐欺をしているらしいという話が持ち込まれ、そのだまされていると思われる15歳の健気な娘・お沙衣の話を聴くこととなった。

その事情聴取というか話を聞いている最中に、あろうことか若旦那はお沙衣にひっぱたかれたのである。

お話は、その詐欺を暴くことと、お沙衣の幸せということを柱にすすみ、まあいつものようにハッピーエンドで終了するのである。

であるが、このお話は若旦那の初恋譚(相手はもちろんお沙衣であるが)でもある。そしてこれももちろんのことであるが、初恋はかなわぬままに終わるのである。

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