読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

壺霊<これい>(上・下) 内田康夫 文春文庫

2016-03-30 19:54:50 | 読んだ
多分、内田康夫の浅見光彦シリーズは初めて読んだ。(と思う)

よく、テレビの2時間ドラマで浅見光彦シリーズはやっているのだが、なんだかいくつかのバージョンがあってよく解らない。

調べてみたら、大きく分けてTBS版とフジテレビ版とがあって、私はTBSのほうでは沢村一樹と速水もこみち、フジのほうでは榎本孝明と中村俊介を見ている。
といっても、それほどのファンではなく、例えばテレビの番組欄にあって、よーしこれは観るぞ、という姿勢ではない。

ちなみに、好んでみるサスペンスは、原作がしっかりしているものが多い。例えば、十津川警部シリーズ<西村京太郎>(但し渡瀬恒彦のもの)とか、終着駅シリーズ<森村誠一>、山村美沙の原作ものとかである。

というわけで、初めての浅見光彦であるが、推理という部分でいえば、今回は「なんだなあ」という感じで、どちらかといえば、京都の名所や食べ物の紹介と、浅見光彦がただひたすらに「もてる」という話のような感じがした。

この物語は、京都新聞連載ということから、そのようにならざるを得なく、初回から毎日毎日読む人にしか謎解きの楽しみがないように思え、よって京都の紹介が主とならざるを得なかったのか、と思われる。

題名の「壺霊」に惹かれて読んだのだが、読んでいてそのことが強く意識することはなかったのが残念。

伏線のようなものも少なく(というか私は気づかなかった)、途中ではこのままいったら誰が犯人になるのさ!という苛立ちが出たりして、途中を飛ばして犯人を知ってしまおうか、と思ったくらいである。

多分、この物語もテレビドラマ化したら割とついていけると思われる。

読み終わって「やっと読み終えた。やれやれ」と思ったのは久しぶりで、その後すぐに、アガサクリスティーの「ABC殺人事件」を読み始めたのである。

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