ICON を手掛ける TLC
TLC, ICONとは?
Drawn from inspiration, not mass production. と彼らが詠っているようにICONとは即ちプロジェクトの名前なのだ。TLCのヒラメキを具体的に形にしていく、そのプロジェクト(クルマ創り)の基本はワンオフのハンドメイドである。
TLCが手掛けるICONとは創作活動である。
昨年の夏にTLCの工房を訪れた時に同時に幾つかのプロジェクトが進行していた。その一つはICON FORD BRONCO であったが、その他のプロジェクトにおいてはどのような結果が披露されるのか全く予想が付かなかった。
実はTLCは昨年の(2011年)ラスベガスのSEMAにブロンコと一緒に彼らが手掛けた別のICONを持ち込み披露していたのであった。
ICON DERELICT、このプロジェクトに付けられた名前である。
ジョナサン ワード氏と彼が手掛けた次世代的スリーパー。
1952, TLC ICON Chevy Deluxe Business Man's Coupe.
...60年前のクルマです。
ぱっ、と見た目は錆びてやれたアメリカの旧車にしか見えないが...。
しかし、
内装とメカは...、
WOW! 驚きです。
そして、更にもう一台
ぱっ、と観るとかなり年季の刻まれた古いワゴンです。
...まだこんなのが走っているのかって、笑ったりしませんか?
高級住宅街ではなく廃れた街角にコロガッテいそうな...、
実はこれも、
スリーパーです。
1952、TLC ICON Chrisler Town and Country Custom Wagon
旧車の持つ楽しみの可能性を広げる、さきがけ的なプロジェクトだと感じる。見た目はボロクルマだが中身は別物です。こういう発想は昔からあったが、TLCが手掛けるとなぜか違って観える。
...
レストレーションや、修理だけではなく、創作的な感覚は芸術に近いと感じてしまう。
TLC の工房の光景、そしてジョナサンのインタビューです。
ジョナサンが面白い事を言った。
それは、
侘びと寂び(ワビとサビ)、つまり日本語である。
WABI-SABI ...彼の中にある心像を形容する表現。
これを旧車に当てはめると、自然に流れるまま(風化)を美しいとして愉しむ感覚かな?そして、その歳月を得て風化した固体の美しさを大切にしている。使い古したジーンズや革製品、或いは寿司屋の研ぎ減った職人の大切な包丁の様でもある。
そして、クリエイティブ(創造的)という言葉、そしてその実践。
古いものと新しい物、異なる物を融合してみせる匠の技。
...このセンスは真似たい、学びたいと思う。
時期プロジェクトはセダン?
彼が謳う DERELICT という意味は、英語で遺棄という意味である。
つまり、ゴミだ!
しかし、
人々から捨てられて(忘れられて)朽ちてゆくクルマ(ゴミ)に人間が創造性を懐いて接すればそこには素晴らしい道が開けるぞ、と言わんばかりである。
彼らから学ぶのは目に見える結果の事よりも、その創造的野心だといつも思っている。
...!