Pontiac Firebird Trans Am (1970~1981)
アメ車が輝いていた時代は決して遠い昔の事ではない。僅か40年程昔の事である。当時のアメ車はアメリカらしい、つまり大陸的な個性があった。やがてアメリカの中で日本車が浸透しその耐久性や効率的な燃費の良さによってマッスルカーと呼ばれて一世を風靡した数々のクルマはその後の波に飲まれて淘汰されてしまった。まるで当時のアメ車は虚勢されたように個性を失ってしまった様に感じる。
色褪せた、ボンネットのディカール
このトランザムが新車の時は、このディカールはさぞかし誇らしかったであろう。
寂しさを感じてしまう。
一台のクルマから、かつての栄光を想う。
当時のアメリカの道には翼を広げたファイアーバード(火の鳥)が光っていた。
...
そしてこのクルマを見ると、あのシーン(映画)を思い出す。
1977年、ファイアーバードトランザムを扱った映画
Smokey and the Bandit
(日本名称、トランザム7000)
トム と ジェリー的
アメリカ大陸を舞台にした豪快な走り、いい映画であった。
トランザム (Trans-Am) の名称は
Trans America , つまりアメリカ大陸横断から来ているのだ。
即ちこのクルマはアメリカのGTカーなのである。
このファイアーバード2ndジェネレーションは10年間製造された。その後もモデルは続いて行くが、やはりこの2ndファイアーバードが一番アメリカという個性を感じる。今日アメリカ人の間でこういったクルマは人気がある。きっと人々はクルマを手に入れる事によって当時の良きアメリカ(ファイアーバードが輝いていた時代)を回想するのであろう。
旧車の価値というのはただ単に古い物では無く、失った物語への憧憬にもあるのかも知れない、と思ってきた。