昨日を そして今日をありがとう

Demain il fera jour.
遠回りして歩きましょう 
素敵な景色に遇えるかも・・・

寛ぎのとき~おん宿 蔦屋 にて~

2012-10-13 | 小さな旅の思い出



『湯治の旅~ついでに紅葉も観てこよう~』の続編です。

前回、江戸時代の様子を色濃く残す町並みをご紹介いたしましたが

この宿も姿は変われども、江戸時代中期に旅籠として創業し、文豪島崎藤村や街道を行く旅の人

御嶽講の信者で賑わった宿なのだそうです。

今は鉄鋼5階建ての建物となり、数年前のリニューアルで

古きよき時代の雰囲気を大切にしたまま、レトロモダンな宿へと変身していました。

   
【廊下に飾られた写真】          【現在の外観】

  

館内には、JAZZが流れ♪ 古きを偲ぶ道具たちが飾られていました。 



 

チェックインの際に出された地元産「熊笹茶」と「熊笹羊羹」

何とも豊かな味わいがありました。

部屋には、「町中への散策やお風呂に行くときにどうぞ」と手提げ籠が!

これは重宝しました。



百草丸という昔からある漢方薬でも有名な地でありますが

大浴場は「百草湯」と呼ぶ薬草入りのお風呂になっていました。

露天風呂からは、木曽川を挟んで代官屋敷や興禅寺を眺めることが出来ました。

明るいうちからのんびり浸かる温泉は、旅の疲れを癒してくれますね。



お風呂から上がった後は、待ちに待った夕食です。

次々に運ばれてくるお料理のほかに

かまどで焚かれた信州米の炊き立てごはんにお味噌汁
おごっつおう(御馳走)と呼ばれる地物の食材で作られたビュフェコーナがありました。

江戸時代、代官屋敷では参勤交代のために宿泊する大名らのために

饗宴料理というものが出されたそうです。

まだ、車も冷蔵庫もない時代に御嶽の氷室で保管された氷を使い

伊勢から新鮮な魚を飛脚を使って3日で運ばせ

お刺身や伊勢海老の料理がお膳に並ばせたのだそうです。

そんな心意気を今に伝えるかのように

地元で採れた食材を生かしながら、趣向の凝らされたお料理は

目にも嬉しい感動のお料理の数々になっていました。

なかでも、お皿の上に活けられたススキに棕櫚で作られた

本物そっくりのバッタが止まっていたのには大きな声で

「すごい!」と感嘆の声を上げてしまいました。

どれもこれも美味しく、母や叔母もとても喜んでくれました。





寝る前に、もう一度温泉に浸かり 

気持ちよく床に就いたのですが、真夜中過ぎ

温泉で温まった体が ぽか ポカ ポカ  ポカ ・・・・・あつい!!

外は寒いほどだというのに、暑くなって目が覚めてしまい

エアコンを一時間ほど付けてやっと寝付くことが出来ました。



それでも、温泉効果か朝はすっきりと目覚め

再び温泉に浸かりさっぱりとした後の朝食です。




 

出来立てのお豆腐や信州産のはちみつも並んでいました。

スタッフの方々の真摯で溌剌とした受け答えも心地よく

リピーターが多いとの評判通りの大満足な宿でした。



さて、もっとゆっくりしたい思いに後ろ髪をひかれながら

すでに温泉効果で足取りも軽くなった母と叔母とともに

次への目的地へと出発したのでした。







おん宿 蔦屋の ホームページは → こちら

宿が見えなくなるかならないかのうちに

後部座席からは、「次はいつ来る?」なんて話声が聞こえてきていました。(笑)