昨日を そして今日をありがとう

Demain il fera jour.
遠回りして歩きましょう 
素敵な景色に遇えるかも・・・

『永遠の0』を読んで・・・

2014-01-28 | 本にまつわる話


何年か前の事、NHKのラジオ番組の中で
今は亡き児玉清さんがお気に入りの本を紹介するコーナーがありました。

そのかなで紹介されていたのが、今映画でも話題になっている永遠の0でした。

熱を帯びた児玉さんの言葉に、これは読んでみなくてはと思っていました。

先日、ここ何年も小説を殆ど読んでいない夫がこの映画のCMを見ていて

「この原作、読んでみたい・・・」と言うので早速図書館で借りてきました。^^:

       

もちろん、読み終えるのを今か今かと待ち

私も読み終えました。



≪あらすじ≫
祖母の葬儀の席で零戦搭乗員だった実の祖父の存在を知った佐伯健太郎が

新聞記者である姉と共に、祖父の生き様を調べることになる。

特攻隊員でありながら、妻や娘(健太郎の祖母)を残しては死ねない。
必ず帰ってくると言い続け〝海軍一の臆病者″と呼ばれていたことを知る。

生還することにこだわっていた祖父の姿を追ううちに様々な真実が明らかになる。

そして、過去と未来が交錯するなか驚くべき事実を知ることになる。


最初のページを読み始めたところから、惹きつけられ

一気に読んでしまえます。

どこかの新聞に、この物語にはエンジンが付いていると書かれていましたが

その通りでした。

それで、それでどうなったの?

知りたいという気持ちが次々とページをめくらせました。

確かにこれはミステリー小説でもあるかもしれませんが

ラブストーリでもあり、歴史小説でもありました。

丁寧に織られたストーリーが最後に見せてくれたものには

はっとさせられました。

何かわからなかった柄が最後の一糸を織り込んだ途端に

あ~そういう絵柄だったのかとわかったような

そんな気持ちにさせられました。



永遠の0(ゼロ)と言うタイトルがついているくらいだから

零戦のパイロットの話だということはなんとなく解っていましたが

戦争賛歌ではないかという話も耳にしていました。

しかしながら、読み進むうちに決してきれいごとだけではない

戦争の悲惨さを十二分に伝えているように思いました。

私の伯父も二人が戦死しています。

お墓参りに行くたびに、墓石の横に掘られた

〝ソロモン群島にて戦死″〝ニューカレドニアにて戦死″と言う文字を

見るにつけ、悲しい気持ちになったものでした。

それでいて、一度も会ったことのない伯父たちの事を
そんなに深く考えたことはありませんでした。

しかし、この物語の中に出てくる両島での戦争の様子を読み

申し訳ない気持ちになりました。

こんな中で亡くなっていったとは・・・・言葉がありませんでした。

この日、仏壇に向かって

「・・・伯父さんたちの死を無駄にしないように
      一生懸命生きていきます。・・・・」

そう心の中でつぶやきながら手を合わせました。

そして、ふと目を上げると

仏壇の中に二つ下げられている金色の灯篭の片方が

すーっと下りてきたのでした。

突然のことに思わず後ろに仰け反りました。

落ち着いて調べてみると、かけてあったフックが
何故か外れて下がってきていたのでした。

暫くして、思いました。

つぶやきが天に届いたのかもしれないと・・・



~ちょっと用があって出かけた母校の図書館でも特集されていました~

先日、高校時代の同級生たち20人ほどと集まった時

たまたまこの物語の事が話題になりました。

驚いたことに、8割の人が本を読むなり映画を観るなりしていました。

ある一人が言いました。

「うちのおやじ・・・当時、潜水艦乗りだったんだ。」

「出撃する前に襲撃され、艦が破損したために
 参戦出来なくなり、そのまま終戦になったから俺がここにいるんだ。
生きて帰ってくれたから、こうして生きていられるんだ。」


長い付き合いの中で、そんな話を聞いたのは初めてでした。

皆、 「この物語には感動した。」

「息子や娘に見せたい、読ませたい。」
と言っていました。

誰もが同じ想いを持っているとは思いませんが

いつもは面白おかしく過ごす仲間たちともこうした会話を持たせてくれたこの本に

感謝したいと思います。

そして、タイトルの永遠の0

0が単に零戦を表しているだけではないという事を、深く胸に刻んだのでした。





Thank you for coming♪


『お西さん』を訪ねて・・・新春の京都にて・・・

2014-01-22 | 小さな旅の思い出


もう半月も前の事になりましたが、伏見稲荷大社に初詣に出かけた折

西本願寺にもお参りしてきました。

西本願寺とは浄土真宗本願寺派の本山で、世界遺産に認定されている寺院です。

日本最古の能舞台や、白書院、黒書院と呼ばれる日本最大の大書院が国宝に指定されています。

京都の人たちには、「お西さん」という愛称で呼ばれているそうです。

小学校の修学旅行と二十歳の頃に一度来たことがあったのですが

すっかり記憶は薄れてしまっていたので、もう一度しっかり観ておきたくなったのです。

京都駅からも歩いて10分ほどのところにあり

堂々とした門構えは遠くからでもすぐに見つけることが出来ます。



かつて新撰組の屯所として使われたという歴史を持ち

広大な境内のなかに建つこれまたとてつもなく大きな

建物群には、ただぽかんと口を開けて見上げてしまいます。



こちらは歴史の教科書で見覚えのある飛雲閣です。

塀に囲まれていて近づいてみることができませんが

予約をしておけば、この塀の中に入って間近に見学させてもらえるそうです。

学生の頃の教科書には確か秀吉の住まいであった聚楽第から
移築されたものと載っていたように思いますが

他にもさまざまな説があるそうで、仙洞御所からの物だと説く方もあるように聞きました。

いずれにせよ、お寺にこのような優雅な貴族の別荘のような建物がお寺の境内にあるとは!

如何に西本願寺の力が強大であったかを伝えています。



これは伏見城の遺構であったとも伝えられてもいる唐門です。

絢爛豪華なこの門は、日が暮れても眺めたりないほどの豪華さということから
「日暮門」とも呼ばれたそうです。



平成の大修理と呼ばれた工事も終わり、整然と立ち並ぶ建物数々ではありますが

阿弥陀堂と御影堂の縁側と廊下には、江戸時代に修理に関わった職人たちの

遊び心を見つけました。




木の節目や亀裂を埋める、 埋め木です。

まるで墨絵のように見える富士山や、川面に浮かぶ紅葉や軍配など

当時、この工事に携わった職人さんたちの楽しげな様子が目に浮かぶようでした。

説明してくださった方によると、修学旅行の女子学生に人気があるのは

ハート(写真左下)の形の埋め木なのだそうす。



門前町近くのお漬物の西利に立ち寄り

仏具の並ぶ門前町では、数珠入れを買い求め

京都駅へと向かったのでした。




 Thank you for coming♪

商売繁盛祈願の京都土産はよこさんしょ

2014-01-17 | 小さな旅の思い出



1月も半分が過ぎようとしています。

お正月気分もすっかり抜けた頃かと思います。

今年は初詣にでかけられましたか?

うちはといえば、除夜の鐘をききながら夜道を歩いて

近所にある神社にお詣りに行きました。

数日後、恒例の京都の伏見稲荷大社へと出掛けました。

佳き年になるように、きっといいことがある年になるという想いで出かける人が多く集まる場所は

プラスの気も多く集まるということになり、信仰心がなくとも心身にいい影響があるのだとか。

伏見稲荷大社は、五穀豊穣、商売繁盛にご利益があると云われています。

              

眼光鋭い狛犬ならぬ狛狐が、参拝客を見下ろしています。

まるで、疾(やま)しい心を持ったものがいないか見張りをしているようです。

参道には、様々な縁起物が所狭しと並べられています。

托鉢姿のお坊様もいらっしゃいました。

お勤めご苦労さまでございます。



              

さて、京都のお土産と言えば何を思い浮かべますか?

八橋?五色豆?抹茶スイーツ?お漬物?

どれも好きなものではありますが

お詣り帰りに必ず寄るのがここ、「ちりめん山椒」のお店です。

透明のパックに詰めてくれるのですが、蓋の部分にまでびっしりと

こぼれてしまいそうなくらいに目の前で詰めてくれます。

このたっぷり感が、縁起のよさに繋がるようなきがして

このお店に立ち寄るのも楽しみのひとつになりました。

京都のお土産として有名なちりめん山椒ですが、実は歴史は浅く

まだ50年ほどしかたっていないのだそうです。

京都の花街の一つである上七軒の料理人であった晴間保雄氏が

ちりめんじゃこと実山椒を、炊き合わせたのが始まりと言われています。

晴間保雄氏は販売はせず、知り合いに贈る程度だったのですが

やがて味の良さが評判となり、各地で作られるようになり

晴間氏の家族も商売として始めるようになったのだとか。

我が家では、欠かすことのできない新年の味となりました。

何しろ、ちりめんじゃこも山椒も大嫌いなはずの夫も

「これは美味しい!」と毎朝食べているほどなのです。

昔から商売屋では、表に花梨(借りん)の木を植え

裏には樫(貸し)鬼門には南天(難を転ずる)

そして脇には山椒(よこさんしょ=よこしなさい)を植えたものだそうです。

まあ、横取りはいけませんが(笑)

今年もたくさん買ってきました。

皆様の一年も、佳き事がてんこ盛りになりますように♪




 Thank you♪




とんだハプニングの嬉しいおまけ

2014-01-11 | 街,建物,美術



新しい年が始まり、はや10日!

十日恵比寿が終わると、お正月気分を払いのけ

日常に戻らねばなりません。

そんな訳で、その前日は筋肉痛を癒すべく

母とふたりで車を走らせ、温泉に出掛けてきました。



観光客も、スキー客も姿は無く

殆ど貸切状態でした~♪

せせらぎの四季

泉質
含二酸化炭素−ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉
 
●適応症
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりうちみ、くじき、
慢性消化器病、痔症、冷え性、病後の回復、疲労回復、健康増進
 
●温泉固有
きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、高血圧症、動脈硬化症



鉄錆び色のお湯にじっくり浸かって

すっかりリフレッシュできました。

ところで、どうして筋肉痛になっていたかと申しますと・・・



今週の月曜日、用事があって名古屋まで出かけました。

ついでに、某所への年賀の挨拶をと思い地元の和菓子屋さんでお菓子を買い求め

もひとつついでに、息子の処にもお土産を持って電車に乗りました。

地下鉄に乗り換えるために名古屋駅より3つ前の駅で降りることにしていました。

間もなく電車を降りるという所で、隣の席の方に話しかけられました。

ホームに降り立ち、地下鉄に乗るところで

はたと気付きました。。。。。


菓子折りを網棚に置いたまま。。。。

忘れた。。。。。。 

どうする!?どうする!?

スマホで乗換案内をチェックすると

乗って来た電車は名古屋駅で折り返し運転になっていました。

このまま地下鉄で追いかければ間に合うかも!

そして、名古屋駅に到着!

走る!走る!走る・・・・・・・

しかし、

電車は発車した後だったのでした。

やむなく、忘れ物取扱所へ行き届出をしました。

手土産なしに、用事を済ませましたが

結局夕方になるまで、見つかったとの連絡はありませんでした。

仕方なく、帰りの電車に乗ったのでした。

帰り際、もしかしてと思い地元の駅で菓子折りの忘れ物はありませんでしたか?と尋ねたところ

あったのです!!

なんと、菓子折りだけが先にわが町に戻って来ていたのでした。

やれやれ・・・

そんな訳で、翌日また名古屋へ出かけることになりました。

息子に連絡すると、丁度仕事が休みだから

一緒にお昼でも食べようということになりました。

既にプレゼントは貰っていたのに、お母さんの誕生日だからご馳走するよと言ってくれました。

それでは、お言葉に甘えてイタリアンをリクエスト。(笑)



手打ちのパスタと石釜焼きのピッツアの美味しいお店でした♪

食事が終わると、どこか行きたいところがあるなら付き合うよ。

そんな訳で、息子と息子の彼女と三人んで、名古屋ボストン美術館へ行ってきました。



名古屋ボストン美術館浮世絵名品展第三弾 北斎 公式H.P
名古屋ボストン美術館浮世絵名品展第三弾 北斎 パンフレット

歴史好きの息子と着物好きの彼女とで、ああだこうだと言いながら

一枚一枚ゆっくりと鑑賞することが出来ました。

ボストン美術館には5万点もの浮世絵コレクションがあり、その一部が来日しています。

有名な富岳三十六景色とともに、江戸の人々の暮らしを丁寧に

そしてユーモラスに描いた浮世絵の数々は、かなりの見応えがありました。

とんだハプニングのお蔭で、楽しい誕生日を過ごすことが出来たのでした。



帰ってきたら、花束とケーキが待っていてくれました。
           

 Thank you♪


あけまして・・・ キッチンから愛を込めて

2014-01-05 | キッチンから愛を込めて



新しい年の幕が開き、心新たに始まった日々もはや5日が過ぎようとしています。

来客、同窓会、来客、初温泉、初詣~!

寝正月と思ってはいたのですが、何故かバタバタと日を送り

今年初めのブログの更新となりました!

既に新年のご挨拶を頂きました方々には、謹んでお礼申し上げます。

さて、年末せっせと作っていたおせちで祝いの膳と相成りました。

庭木を剪定したものと庭の花を使って玄関や床の間
そしてテーブルにお正月の花を生けました。



(いつものように自己流です~!)

千両と松があるだけで、おめでたい雰囲気になるから不思議です。



一の重には祝い肴三種の数の子、黒豆、田作りに
きんとん、紅白蒲鉾、昆布巻き、公魚の唐揚げ煮

二の重は、若者向けにミートローフ、スモークチキン、簡単ベーコン
チャーシュー、煮玉子、牛肉のたたき、松風焼き、牡蠣のオイル漬け

三の重には、酢蓮根、紅白なます、蕪の千枚漬け、菊花蕪
たたき牛蒡、蛸の柔らか煮



他に、伊達巻、ポテトサラダ、海鮮サラダ、竜眼焼き、有頭海老の塩焼き
長芋の八幡巻き、煮しめ、里芋の煮物・・・
刺身の盛り合わせ(これは切っただけだわ~!

そしていつものお雑煮です。

無病息災と子孫繁栄を願い、謂れのある食べ物を
家族揃って頂けることにも感謝しつつ

一年に一度の思いっきり料理を楽しむ行事となりました。



そうそう、今年初めて作った「松風焼き」
これも、定番お節の仲間入りになりそうです。

鶏のひき肉を味噌と生姜、砂糖、醤油、味醂で味を付け
型に詰め、オーブンで焼いたものです。
甘辛いタレを塗って、ケシの実を散らします。

なのに、ケシの実を忘れて・・・
今年の年末には忘れず用意するようにしましょう~!



 Thank you♪