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マディソン郡の橋と選択理論心理学

2014年01月03日 | FP的選択理論心理学


選択理論心理学の師ウィリアムグラッサー氏の約600ページにも渡る著書の中に、「マディソン郡の橋」が引用されます。

マディソングンの橋は、ごく普通の家庭の主婦が、偶然やってきたカメラマンと恋に落ちてしまい、今の家庭を取るか、この恋心を取るかの葛藤を描いた映画です。

始めてみたのは約20年前で大学生の頃、ぼんやりと記憶には残っているが、改めてみると大人の情事です。

本著では、その恋に落ちてしまった主婦フランチェスカが、Wグラッサー博士のもとへ相談に来るという設定。

選択理論心理学のカウンセリングが具体的に分かりやすく、書かれてあります。

選択理論では、すべて本人の選択であるという考えに立っている。
落ち込んでいるフランチェスカは、一般的にはカメラマンのロバートによって落ち込まされていると考えるが、この落ち込みはフランチェスカが自ら落ち込みを選択したと解釈する。
なぜ、落ち込みを選択するのか?

それは、落ち込みを選択することによって、得られるメリットがあるからだ。

この場合、得られるメリットとは、
慰められる
注意を引くことができる
何かをしないことの理由になる
といったところ。

しかし、この落ち込みを選択し、これらのメリットを得たとしても問題は解決しない。

なので、選択理論では、ここにはフォーカスを当てず、今できることは何かを考える。
今、フランチェスカがコントロールできるものは何か?
彼女だけが、一人でできるものは何か?
これが葛藤を生き抜く方法だ。

葛藤に焦点を当てはならない。葛藤の一部ではないもので、何かできるものに徹底的に 焦点を合わせていく。

Wグラッサー氏自身が、自分のカウンセリングについてこう書いている。

私のカウンセリング技術は、現在に働きかける。現在の問題に結びつくものを求めて、過去を再訪しても何もよいことはないと思っている。過去のみじめな経験から何かを学べるという一般的な精神医学の考え方には反対である。過去に焦点をあてることは、みじめな経験を繰り返すだけである。みじめな経験は一度で十分である。過去にこだわれば、現在の不幸な人間関係を直視することを避けることになる。現在の不幸な人間関係こそがいつも問題なのだ。しかし、私が過去に戻ることがあるとすれば、彼女が効果的に自分の人生をコントロールしていたときを探すためである。過去の不幸ではなく、成功には学ぶものがある。


フランチェスカの環境 をこう表現している。
ロバートは、あなたを蛙から王妃に変えた。そして、今あなたは、自分が再び蛙に戻らなければならないことに悩んでいる。蛙になるのは嫌だ。あまりにも長い間、フランチェスカは蛙だった。まさか、自分が王妃になれるなんて考えてもいなかった。
蛙時代には、カウンセラーの所に行くことはないだろう。しかし、もし蛙時代にグラッサーに会いに来ていたら、それは王妃になりたいということではないですか。


選択理論心理学の難しいところは、
落ち込んでいる人に対して、それは、あなたが落ち込みを選択しているんですよと言えないことである。
この点についてもWグラッサー氏は、この章の最後でこう述べている。
私は人に対して、苦痛や自己破壊的な症状を選択しているとは決して言わない。選択理論を少し教える。

奥深し選択理論、生涯を通じて学んでいきたいと思います。



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