好きな子が、「わたし、絵本が好きなの」と言った。
「ああ、絵本ね、オレ描いてるよ」とウソついた。
学校終わって、画材を買った。
初めて絵本を描いた。
次の朝見せた。
ものすごい褒めてくれた。
すげー、嬉しかった。
「オレと付き合ってくれない?」と言った。
「絵本で賞とったら、付き合ってもいいよ」
絵本大賞に入賞した。
約束どおり、付き合ってくれた。
オレさ、あそこのでっかい本屋に自分の本置きたいんだよ。
馬鹿みたいだろ?
できるわけねーって思うだろ?
もしできたら、スゲーよな。
できねぇかな、いつかできねぇかな。
あの本屋は、オレの夢なんだよ
「ようちゃん、オレ、この先、絵本作家として、やっていけるのかな」
「大丈夫だよ」
「おじいちゃんまで、やれるかな」
「大丈夫だよ、やれるよ」
「ゴメン、あのなんかさ、ようちゃんに大丈夫だって言われると嬉しくて、
つい、何回も聞いちゃうんだよ・・・」
「大丈夫だよ、何回でも何百回でも、言ってあげるよ」
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