業務用の最新式パン製造機だと、温度センサーやタイマーなどがマイコンで制御されて、たとえば、スーパーの開店時間である10時に焼きたてを販売し始めるのに、最適な温度にオーブンは温まっているし、本社工場から搬入されたパン種入りの生生地も、うまく解凍される仕組みになっていて、驚かされることも多い。
街角の小さなパン屋さんだと、そういう機能のついたオーブンもなかなか買えないので、どうしても5時頃には起きなければ、朝に焼きたてのものを提供することは困難である。
しかも、種類を増やすことは、なかなか困難である。
最難関は、価格設定かもしれない。パンは、朝食か昼食に供されることが多いとすれば、500円程度で満足できるものを販売できないと、腹持ちが悪いだけに、敬遠されるかもしれない。
できれば、駅前に店舗を構えることが出来たのなら、弁当代わりに買っていく人もいるかもしれないので、立地面でも残念である。
パン作りは、手作りだと、相当の労力を要する割には、コンビニやスーパーなどの競争相手もおおいので、なかなか難しい商売だと言えよう。
味だけで勝負できる時代になるためには、かつての総中流時代のころのような所得水準が必要なのかもしれない。