これまで橘花についていろいろと書いてきましたが、模型もいくつか出ています。
最も入手が容易なキットはファインモールド1/48でしょう。同社らしい詳細な説明書も入っており、私のこのブログの記事など読まなくても、開発史を知ることができます。キットは初飛行時だけでなく、実戦部隊に配備されたことを想定したマーキングも入っています。
今回はネ-20エンジンのことも触れていますので、限定版として流通しているホワイトメタル製のエンジンパーツとレジン製のナセルがついたキットを組んでみました。
専用のパーツが同梱されています(分かりづらいですが)。
もともとのキットも組みやすく、よくできていますし、メタルやレジンのパーツの合いも良好で、大きな修正をすることもなく組めました。
さて、塗装については橘花の場合諸説あって、例えばファインモールドのキットは箱絵も含めて下面色を銀色としています。私は当時の写真などから、明灰白色でもいいかなあと思い、Mr.カラー35番の明灰白色にしました。暗緑色は同じくMr.カラー15番中島系の暗緑色です。
作例では初飛行時ではなく、全備重量での試験飛行を数回繰り返していたら・・・という姿としたため、アンテナもつけていますし、初飛行時にはつけていなかった前脚の扉も当然あります。また、主翼下面にロケットブースターをつけています(再度の登場となりますがご容赦ください)。
黒いボンベのような形をしています。二回目の飛行で離陸に失敗、擱座したのはこのブースターの取り付け角度が微妙にずれていて所期のパワーを出せなかったこと、ブースターの燃焼が止まり、スピードが一時的に低下したため操縦していた高岡 迪少佐(当時)がエンジン故障と勘違いして慌ててブレーキをかけようとしたから、などと言われています。
1/72でも橘花のキットが出ていました。私が組んだのはチェコのAZモデルというメーカーのもので、8年ほど前に発売となったものです(現在は入手困難です)。メーカーになかなか想像力豊かな方がいたようで、史実どおりの試験飛行のバージョンから、Me262よろしく迎撃機、夜戦仕様などバリエーションも豊富でした。
私自身1/72がメインなので、このキットも組んでみました。
飛行機と後ろのトラックの位置関係が微妙な箱絵です(汗)。
さらには箱のサイドにこんな文字が・・・。一見さんとミーハーはお断りだよ、とでも言いたそうです。
このキット、この注意書き(?)に違わず、私のような年数だけはベテランモデラーでも大変なキットでした。よくある「部品の合いはパチピタで、二時間で士の字になりました」なんていうレビューとは対極の位置にあります。接着がイモ付けの部品が多く、穴に差し込むものがあったとしても、位置決めを丁寧に行う必要がありました。作例でも水平尾翼は真鍮線を埋め込んでから取り付けました。脚カバーなどはプラ板から切り出してもよさそうです。
また、ピトー管やテールスキッド、垂直尾翼のトリムタブなどはプラ材や0.3mmのプラ板から作りました。
ただ、全体の形などは悪くなく、主翼もネ-20エンジンを取りつけるために若干のガル翼になっているところまで再現されています。
プラスチックが日本のキットよりも柔らかいため、切削などはスムーズにできました(少々削りすぎたところもありますが)。
エンジン部品については内部のパーツの取り付け位置が決めにくく、プラパイプで継ぎ足したりしています。モデルアート2013年1月号で荒瀬悟氏が紹介している作例のように、ミサイルの部品を活用してエンジンに組み込んだ方が簡単かつリアルな仕上がりとなりそうです。
悪いところも書きましたが、シートに繊細な彫刻でシートベルトが再現されていますし(作例ではパイロットを乗せて載せてしまいましたが)、メーカーも頑張って作ったというのは感じられます。手を入れれば入れただけいい仕上がりになるようなキットで、工作の楽しさも難しさも再認識させてくれました。こういうキットはプロターのF1マシンのキットにも通じるものがありました。
おまけというわけではありませんが、Me262も少しふれておきましょう。
ハセガワ1/72のキットで、買ってずっと棚の肥やしでした。こういう時が来たら作ろう、と思って買ったのですが、箱には銀座の某鉄道模型店の値札が貼ってあり、おそらく15年どころではきかない歳月が経っています。塗装は有名なノヴォトニー少佐機としましたが、キットの指示と異なり、エンジンの前縁部は黄色に塗りました。
最後に改めて橘花です。零戦52型と並べてみました。
零戦と大きさが変わりませんし、翼の大きさなどは橘花の方が華奢です。ちなみに零戦のマーキングは架空のものです。
今回は参考文献等の紹介まで至りませんでした。次回、拾遺も含めて橘花の話を書きつつ、参考文献などもご紹介いたします。
最も入手が容易なキットはファインモールド1/48でしょう。同社らしい詳細な説明書も入っており、私のこのブログの記事など読まなくても、開発史を知ることができます。キットは初飛行時だけでなく、実戦部隊に配備されたことを想定したマーキングも入っています。
今回はネ-20エンジンのことも触れていますので、限定版として流通しているホワイトメタル製のエンジンパーツとレジン製のナセルがついたキットを組んでみました。
専用のパーツが同梱されています(分かりづらいですが)。
もともとのキットも組みやすく、よくできていますし、メタルやレジンのパーツの合いも良好で、大きな修正をすることもなく組めました。
さて、塗装については橘花の場合諸説あって、例えばファインモールドのキットは箱絵も含めて下面色を銀色としています。私は当時の写真などから、明灰白色でもいいかなあと思い、Mr.カラー35番の明灰白色にしました。暗緑色は同じくMr.カラー15番中島系の暗緑色です。
作例では初飛行時ではなく、全備重量での試験飛行を数回繰り返していたら・・・という姿としたため、アンテナもつけていますし、初飛行時にはつけていなかった前脚の扉も当然あります。また、主翼下面にロケットブースターをつけています(再度の登場となりますがご容赦ください)。
黒いボンベのような形をしています。二回目の飛行で離陸に失敗、擱座したのはこのブースターの取り付け角度が微妙にずれていて所期のパワーを出せなかったこと、ブースターの燃焼が止まり、スピードが一時的に低下したため操縦していた高岡 迪少佐(当時)がエンジン故障と勘違いして慌ててブレーキをかけようとしたから、などと言われています。
1/72でも橘花のキットが出ていました。私が組んだのはチェコのAZモデルというメーカーのもので、8年ほど前に発売となったものです(現在は入手困難です)。メーカーになかなか想像力豊かな方がいたようで、史実どおりの試験飛行のバージョンから、Me262よろしく迎撃機、夜戦仕様などバリエーションも豊富でした。
私自身1/72がメインなので、このキットも組んでみました。
飛行機と後ろのトラックの位置関係が微妙な箱絵です(汗)。
さらには箱のサイドにこんな文字が・・・。一見さんとミーハーはお断りだよ、とでも言いたそうです。
このキット、この注意書き(?)に違わず、私のような年数だけはベテランモデラーでも大変なキットでした。よくある「部品の合いはパチピタで、二時間で士の字になりました」なんていうレビューとは対極の位置にあります。接着がイモ付けの部品が多く、穴に差し込むものがあったとしても、位置決めを丁寧に行う必要がありました。作例でも水平尾翼は真鍮線を埋め込んでから取り付けました。脚カバーなどはプラ板から切り出してもよさそうです。
また、ピトー管やテールスキッド、垂直尾翼のトリムタブなどはプラ材や0.3mmのプラ板から作りました。
ただ、全体の形などは悪くなく、主翼もネ-20エンジンを取りつけるために若干のガル翼になっているところまで再現されています。
プラスチックが日本のキットよりも柔らかいため、切削などはスムーズにできました(少々削りすぎたところもありますが)。
エンジン部品については内部のパーツの取り付け位置が決めにくく、プラパイプで継ぎ足したりしています。モデルアート2013年1月号で荒瀬悟氏が紹介している作例のように、ミサイルの部品を活用してエンジンに組み込んだ方が簡単かつリアルな仕上がりとなりそうです。
悪いところも書きましたが、シートに繊細な彫刻でシートベルトが再現されていますし(作例ではパイロットを乗せて載せてしまいましたが)、メーカーも頑張って作ったというのは感じられます。手を入れれば入れただけいい仕上がりになるようなキットで、工作の楽しさも難しさも再認識させてくれました。こういうキットはプロターのF1マシンのキットにも通じるものがありました。
おまけというわけではありませんが、Me262も少しふれておきましょう。
ハセガワ1/72のキットで、買ってずっと棚の肥やしでした。こういう時が来たら作ろう、と思って買ったのですが、箱には銀座の某鉄道模型店の値札が貼ってあり、おそらく15年どころではきかない歳月が経っています。塗装は有名なノヴォトニー少佐機としましたが、キットの指示と異なり、エンジンの前縁部は黄色に塗りました。
最後に改めて橘花です。零戦52型と並べてみました。
零戦と大きさが変わりませんし、翼の大きさなどは橘花の方が華奢です。ちなみに零戦のマーキングは架空のものです。
今回は参考文献等の紹介まで至りませんでした。次回、拾遺も含めて橘花の話を書きつつ、参考文献などもご紹介いたします。