フィンランド、ヘルシンキ近くのエスポーに住むA.Ba〇〇anen氏よりメールが届いたので紹介します。
(ご本人に無断なのでプライバシー保護のため、苗字に伏字を使いました。ご容赦ください)
親愛なるmarco
コロナでそちらも大変な思いをされていることでしょう。今年はいつもより春の訪れが早いばかりか、初夏のような陽気の日もあるそうだね。
さて、君が私たちのような小国の空軍の戦いに興味を持ち、模型も作っていると聞いて驚いたよ。日本には第二次大戦のフィンランドの戦いに関心を寄せている人がいて、専門書も出ていると聞き、我々の歴史を知ってくれる人が遠い異国にいるということは、とても素晴らしいことだと思う。
私も君の模型作りのお役に立てるのではないかと以前に博物館で撮った写真があったので送りました。君の国も我々の戦いに関わっていたんだね、私も正直初耳だった。写真の「ミツビシ・タイプ96」戦闘機は日本から20機購入し、ソ連との戦いの初期に活躍したと説明版にあった。ソ連の目をごまかすために観測用機械という名称で輸出したそうじゃないか。ブルーステル(ブリュースター・バファロー)が「空の真珠」とうたわれた中、こちらは製造メーカーのマークから「空のダイヤモンド」と呼ばれていたとか。


君の模型作りの役に立てたら嬉しく思うよ。
さて、君のおじいさんは海軍勤めだったそうだが、私の祖父は陸軍でスナイパーをしていた。白銀の世界に紛れ、時にはトナカイを連れて敵を一撃を浴びせる、そんなことをしていたそうだ。

その風貌から「カレリアの白貂(しろてん)」と言われていたらしい。

肩に担いでいたのは君の国のアリサカ・ライフル(注・38式歩兵銃)だったと聞いている。ロシア人から分捕ったライフルとは格段の性能差だったと祖父も言っていた。腰にはモロトフ・カクテルと呼ばれた火炎瓶を下げているのが見えるだろうか。
コロナが収束して旅行が自由にできるようになったら、ぜひフィンランドに遊びに来てほしい。そのときは博物館を案内してあげたいし、夏ならばペサパッロ(フィンランド式ベースボール)をやってみないか?冬ならばクロスカントリースキーを体験できるし、オーロラも見られるぞ。
では、お元気で。君の家族にもよろしく
4月1日 A.Ba〇〇anen 」
もうお判りでしょうが、毎年恒例、エープリルフールのネタでございます。96式艦上戦闘機を含め、日本の航空機がフィンランド空軍に在籍したことはありませんので、間違っても信じないようにしてください。ただし、96式艦上戦闘機と同時代のフォッカーD21、バファロー、フィアットG50など、陣営も関係なく多種多様な航空機をフィンランドは導入しています。フィンランドとソ連が戦火を交えた1939年当時、フィンランドは新鋭機で実戦経験もあった日本の96艦戦や97式戦闘機などを欲しがっていたかもしれません。しかし日本も零式艦上戦闘機が中国大陸で「先行投入」される前で、まだ空母の甲板に96式艦戦がいた頃ですし、なにより中立国ソ連を刺激したくないでしょうから、実際に96式艦戦を輸出するというのは、やはり無理がありそうです。
また、寒冷地で開放風防はないだろう、と言われそうですが、フィアットG50もそうですし、フィンランドの人たちのことゆえ、現場で風防をつけてもおかしくはなさそうです。
さて、模型のほうはフジミ1/72の96式2号艦戦のキットを組んで、塗装と手持ちのデカールでフィンランド風にしたものです。


塗装指示はハセガワのバファローのそれを参考にしています。なお、カウリングなどの黄色について、ハセガワのバファローの説明書にはMr.カラー4番の黄色とありますが、私はRLMイエローにしました。
もともと1/144の食玩でブリュースター・バファローのフィンランド仕様が出ていたので、それに合わせてSWEETの96式艦戦をフィンランド風に塗ったらなかなか似合ったので、1/72でも再現したという次第です。1/144はこんな感じです。


それからスナイパーですが、こちらはICM1/35 フィンランド狙撃兵というキットを組んでビネットにしたもので、数年前に作ったものです。トナカイなんて模型で作る機会はなかなかありませんし「実物資料」といってもネットに出ている写真くらいですので、少々難儀しました。火炎瓶や38式歩兵銃、集束爆弾などは他キットからコンバートしたものです。
後ろの針葉樹はトミーテックの「杉の巨木2」にグレインペイントの白をペタペタ塗っています。

今回はエープリルフールネタではありましたが、フィンランドとソ連の戦いについては以前から興味があり、本も何冊か持っております。1/72のバファローも実は同時並行で作っていたのですが、3月が本業多忙で96艦戦と並べるには至りませんでした。こちらは近日中に完成させたいところです。また、38式歩兵銃はフィンランドに輸出された実績があるようで、個人装備としてソ連との戦いで使われていたかもしれません。
それから、私自身はフィンランドには友達はおりません。ぜひ行ってみたい国ではあるのですが・・・。「友人」の名前もよくある「〇〇ネン」というフィンランド人の苗字から使ったものです。ちなみにフィンランド人の苗字でアホネンさんという方がいて、スキージャンプの名選手でも名前を聞いたことがありましたが「草原から来た者」という何とも美しい意味があるようです。それにしてもフィンランド出身のF1ドライバーは人数は少ないけれどもほぼ例外なく最低でも表彰台、さらには世界王者を3人も出しているのはなぜだろうか?本当の意味でトップの選手しかF1に行けないからなのか。いつも不思議に思っています。
(ご本人に無断なのでプライバシー保護のため、苗字に伏字を使いました。ご容赦ください)
親愛なるmarco
コロナでそちらも大変な思いをされていることでしょう。今年はいつもより春の訪れが早いばかりか、初夏のような陽気の日もあるそうだね。
さて、君が私たちのような小国の空軍の戦いに興味を持ち、模型も作っていると聞いて驚いたよ。日本には第二次大戦のフィンランドの戦いに関心を寄せている人がいて、専門書も出ていると聞き、我々の歴史を知ってくれる人が遠い異国にいるということは、とても素晴らしいことだと思う。
私も君の模型作りのお役に立てるのではないかと以前に博物館で撮った写真があったので送りました。君の国も我々の戦いに関わっていたんだね、私も正直初耳だった。写真の「ミツビシ・タイプ96」戦闘機は日本から20機購入し、ソ連との戦いの初期に活躍したと説明版にあった。ソ連の目をごまかすために観測用機械という名称で輸出したそうじゃないか。ブルーステル(ブリュースター・バファロー)が「空の真珠」とうたわれた中、こちらは製造メーカーのマークから「空のダイヤモンド」と呼ばれていたとか。


君の模型作りの役に立てたら嬉しく思うよ。
さて、君のおじいさんは海軍勤めだったそうだが、私の祖父は陸軍でスナイパーをしていた。白銀の世界に紛れ、時にはトナカイを連れて敵を一撃を浴びせる、そんなことをしていたそうだ。

その風貌から「カレリアの白貂(しろてん)」と言われていたらしい。

肩に担いでいたのは君の国のアリサカ・ライフル(注・38式歩兵銃)だったと聞いている。ロシア人から分捕ったライフルとは格段の性能差だったと祖父も言っていた。腰にはモロトフ・カクテルと呼ばれた火炎瓶を下げているのが見えるだろうか。
コロナが収束して旅行が自由にできるようになったら、ぜひフィンランドに遊びに来てほしい。そのときは博物館を案内してあげたいし、夏ならばペサパッロ(フィンランド式ベースボール)をやってみないか?冬ならばクロスカントリースキーを体験できるし、オーロラも見られるぞ。
では、お元気で。君の家族にもよろしく
4月1日 A.Ba〇〇anen 」
もうお判りでしょうが、毎年恒例、エープリルフールのネタでございます。96式艦上戦闘機を含め、日本の航空機がフィンランド空軍に在籍したことはありませんので、間違っても信じないようにしてください。ただし、96式艦上戦闘機と同時代のフォッカーD21、バファロー、フィアットG50など、陣営も関係なく多種多様な航空機をフィンランドは導入しています。フィンランドとソ連が戦火を交えた1939年当時、フィンランドは新鋭機で実戦経験もあった日本の96艦戦や97式戦闘機などを欲しがっていたかもしれません。しかし日本も零式艦上戦闘機が中国大陸で「先行投入」される前で、まだ空母の甲板に96式艦戦がいた頃ですし、なにより中立国ソ連を刺激したくないでしょうから、実際に96式艦戦を輸出するというのは、やはり無理がありそうです。
また、寒冷地で開放風防はないだろう、と言われそうですが、フィアットG50もそうですし、フィンランドの人たちのことゆえ、現場で風防をつけてもおかしくはなさそうです。
さて、模型のほうはフジミ1/72の96式2号艦戦のキットを組んで、塗装と手持ちのデカールでフィンランド風にしたものです。


塗装指示はハセガワのバファローのそれを参考にしています。なお、カウリングなどの黄色について、ハセガワのバファローの説明書にはMr.カラー4番の黄色とありますが、私はRLMイエローにしました。
もともと1/144の食玩でブリュースター・バファローのフィンランド仕様が出ていたので、それに合わせてSWEETの96式艦戦をフィンランド風に塗ったらなかなか似合ったので、1/72でも再現したという次第です。1/144はこんな感じです。


それからスナイパーですが、こちらはICM1/35 フィンランド狙撃兵というキットを組んでビネットにしたもので、数年前に作ったものです。トナカイなんて模型で作る機会はなかなかありませんし「実物資料」といってもネットに出ている写真くらいですので、少々難儀しました。火炎瓶や38式歩兵銃、集束爆弾などは他キットからコンバートしたものです。
後ろの針葉樹はトミーテックの「杉の巨木2」にグレインペイントの白をペタペタ塗っています。

今回はエープリルフールネタではありましたが、フィンランドとソ連の戦いについては以前から興味があり、本も何冊か持っております。1/72のバファローも実は同時並行で作っていたのですが、3月が本業多忙で96艦戦と並べるには至りませんでした。こちらは近日中に完成させたいところです。また、38式歩兵銃はフィンランドに輸出された実績があるようで、個人装備としてソ連との戦いで使われていたかもしれません。
それから、私自身はフィンランドには友達はおりません。ぜひ行ってみたい国ではあるのですが・・・。「友人」の名前もよくある「〇〇ネン」というフィンランド人の苗字から使ったものです。ちなみにフィンランド人の苗字でアホネンさんという方がいて、スキージャンプの名選手でも名前を聞いたことがありましたが「草原から来た者」という何とも美しい意味があるようです。それにしてもフィンランド出身のF1ドライバーは人数は少ないけれどもほぼ例外なく最低でも表彰台、さらには世界王者を3人も出しているのはなぜだろうか?本当の意味でトップの選手しかF1に行けないからなのか。いつも不思議に思っています。