変化を受け入れることと経緯を大切にすること。バランスとアンバランスの境界線。仕事と趣味と社会と個人。
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王家の帰還 ~ルナの航跡 3
連載
/
2006年08月31日 12時03分14秒
----------------------------------------------------------------
<目次> (今回の記事への掲載範囲)
序 章 掲載済
第1章 帰還 ○(1/5)
第2章 陰謀 未
第3章 出撃 未
第4章 錯綜 未
第5章 回帰 未
第6章 収束 未
第7章 決戦 未
終 章 未
----------------------------------------------------------------
第1章 《帰還》 (1/5)
【現代 A.U.C 2688年 春】
狭い部屋の中で、皆がスクリーンを見つめていた。そこには、この国が置かれている状況を如実に示すニュースが流されている。キャスターの男は涼しげなチュニカを着て、視線を原稿とカメラの間を相互に行き来させながら、あくまでも淡々と説明していた。
「皇帝から提案された我が国王陛下との会談について本日、王室から正式なコメントが発表されました。」
そこで一呼吸置き、やや物々しげな表情に切り替えて、発表文の朗読に移った。
「先日、帝国皇帝を名乗ってローマを占拠している者から、我が国王陛下に対して会談が申し込まれたが、我が国としては、不正・違法に我が領土を支配しようとするあらゆる者と譲歩する考えは無い。遠からず我々は彼等を裁き、陛下は首都ローマに凱旋されることであろう。」
短い発表文を読み終えた男は、国営放送のキャスターらしく解説を始めた。
「不正に我が領土とローマを占拠しておいた上に、こちらに謝罪しに来るのであればまだしも、陛下を呼び出すとは不届きにも程があると言うものです。」
王室の発表には皆が興味を示していたが、予想通りのありきたりな解説が始まるや、誰もがスクリーンから目を離してしまった。
そこでニュースの上映は打ち切られ、この日の本題であるフィルムがスクリーンに映し出された。写されたフィルムは、大昔のノンフィクションである。暑くも寒くもない季節の典型的なこの日、部屋の空調は停められており、流れる映像に併せて左右のスピーカーから響く音響が淀み無く耳に届く。フィルムを見るならこの季節に限る。何しろ、この部屋の空調のやかましいことは凄まじく、特に冷房に至ってはスピーカーの性能的限界までボリュームを上げないと、聞き取れない台詞が出て来てしまう程なのだ。そういう意味でこの日は好条件に恵まれていたのだが、フィルムの内容が頂けない、というのが部屋にいる大多数の者の本音であった。そして、映像の中で進んでいく物語は猛暑の季節であり、観ている内に実際よりも部屋が暑く感じられてしまうのだが、これ位の暑さなら空調の音よりもマシか、という不愉快な選択を視聴者に強いてもいた。そんな中、大昔を再現させたフィルムは、いよいよ佳境に入ったようだ。
【A.U.C 709年 夏】
長く狭い石畳の道を、数名の男達が歩いて行く。丘の上の議場を目指して。既に夜明けから数時間が過ぎて気温が上昇しており、蒸すような暑さと石造りの街に特有の誇りっぽさが人々を包み込んでいた。はるか遠方より豊富な水をこの街に引き入れている水道は、浴場というこの時代としては奇跡的な設備を実現させていたが、それは、この暑さにあっても街が汗臭さに覆われることを防ぐ、という恩恵を人々にもたらしてもいた。
人々は時代の権力者である男とその取り巻きを見るために道端に集まって来ていたが、人垣ができる程のその密度の高さは、夜明けから昼食の間に公の活動の殆どを行なう習慣を持つこの国にあって、男達への民衆の興味の強さを物語っている。人々は不安と希望が入り混じった複雑な視線を男達に投げかけているが、男達の未来への希望と勝者の誇りが周囲の空気を張り詰めさせており、その静けさは、彼等の話す声が足音とともに議場まで届くのではないかと思わせる程であった。
「大丈夫だ。ポンペイウス派にもう力はない。」
「しかしディクタトール、彼奴等のオリエントでの影響力は見くびれません。オチデントにおいてでさえ、イスパニアには支持基盤があります。エジプト王家はあなたが抑えましたが、そのやり方に共和派は強く反発するでしょう。」
「もっともな話だ。まず、オリエントの話が深刻だ。我々の覇権に関わるのでな。しかし、対策の準備は進めている。オチデントは既に手を打ってある。エジプトについても考えがある。当面の間、諸君は共和派工作だけを考えれば良い。共和派に早くケリを付けて、オリエント対策を完遂させねばならん。」
「市民会からの支持は磐石です。元老院とて……」
独裁官が話を遮った。
「もう良い。私が勝つことを私が保証しよう。諸君には共和派工作について個別に考えてもらいたいことがある。」
既に頭髪は残り少なく体格も標準的な齢五十を数える男は、戦場では絶対的な将軍として圧倒的な戦績を残した。また、この時代の男らしく髭を蓄えていないので、細面な輪郭が露になっていたが、その顔つきは美男子とは程遠い。にも関わらす、この世界帝国の首都において、彼を上回るプレイボーイはいないらしく、貴族階級の婦人の多くがこの男と関係しているとの噂は絶えない。遠目に見ているだけでは、この男のどこにそれだけの才覚が備わっているのか、分かりはしないだろう。眉間に深く刻まれた皺だけが、思慮深さを物語る程度なのだ。しかし、彼と会話してみるとその迫力に誰もが怖気づき、同時にその魅力に引き込まれてしまうというから不思議だ。そんな最高権力者から頼みごとがあるという。取り巻きの一人が、恐る恐るその内容を確認しようと言葉を発した。
「個別に、と申しますと?」
ただ権力者にへつらうのではなく、役割を与えられれば何を置いても成し遂げようという意思を湛えた目を確認した独裁官は、順を追って話しを続けることにした。
「どこよりもここローマが危ういことには気付いていることと思う。元老院は一枚岩ではない。そこで……」
幾重にも街路地が交差する所に差し掛かった時、何者かが男達に突進して来た。手には短剣が握り締められて敵意に満ち満ちていたが、独裁官を守るべき取り巻きも彼らを見守る市民も、標的が独裁官であることは明らかなのに、彼が倒れ込むまで身動き一つできなかった。日陰でさえ輝くナイフの切っ先が切り裂いた男の腹部から流れ出す血を見て、近くの市民が悲鳴を上げた。それは連鎖的に広まって行くかに見えたその時、静寂をもたらす声が独裁官の口から辺りに響いた。
「賊を捕らえろっ! 大事無い、諸君。私はころんだだけだ。彼の容態を見てやってくれ。」
路面を血で染めたのは、独裁官ではなかった。独裁官は、幾つかの擦り傷と軽い打撲を被ったが、それは彼を亡き者にしようとした刺客の思惑とは程遠いものでしかなかった。刺客以外、誰も動けなかったように見えた一瞬の出来事の中で、取り巻きの一人が咄嗟に身を呈して独裁官を守っていたのだ。哀れにも彼には既に意識も無く、強力な権力者を守ったという栄誉と引き換えに死を賜ったのである。彼の犠牲は、彼の血縁や縁故の者達の未来を権力者が明るく照らすであろうことを約束した。不安定なご時世にあって、それは彼の望む姿だったのかもしれない。実際のところ、咄嗟のことでそこまで考えての行動ではなかったであろうが。
「三人まで捕まえました。まだ二、三人いるようですが、逃がしはしません。」
取り巻きの一人が、市民に袋叩きにされてボロ雑巾のようになった刺客を引き連れて来た。
腫れ上がり、よく見ないと誰だかわからない刺客達の顔を、独裁官は一人づつ見つめた。こともあろうか、その中に腹心の部下が含まれていることに気付いた時、独裁官は思わず呟いた。
「ブルータス、お前もか……。」
独裁官は、自分の身代わりになってくれた者の死体と、捕まえた刺客達を議場に連れ込んだ。
「元老院議員諸君、幸運にも私は生きている。彼の犠牲によって。」
大袈裟に死体を指差し、暫しの黙祷の後、刺客に振り返ってから独裁官は続けた。
「そして、彼を殺し、私を殺そうとした者どもがここにいる。彼等はいかなる信念に基づいているのだろうか?」
両手を広げ、周囲を囲む議員に問い掛け、絶妙のタイミングで自らが応えはじめた。
「どのような信念にせよ、彼等の信念は強固だろう。」
そこで独裁官は刺客達に数歩近付いてから、おもむろに共和派議員達の方に振り向き、あくまでも冷静な声で語りかけた。
「しかし、私の信念は誰よりも強くて固い。そして、ここにいる刺客達を動かしたヤカラがいるのは明白であり、それが誰であるかを私は知っている。私は、決してこのままにすることは無いだろう。」
共和派の議員の中には、緊張の余りに卒倒する者が出始めた。独裁官は暫くその様子を眺めていたが、自派と共和派を問わず議員全員に告げた。
「但し、私は以前の独裁官ではない。私なりのやり方で対処したいと思う。諸君の協力をお願いしたい。」
絶妙である。共和制の急進派は殲滅するが、併せて元老院との協調も匂わせたのである。
再び死体の方を見つめ、独裁官は締めくくった。
「本日は彼への哀悼の意を込め、これにて閉会することとする。」
散会する議員達は家路に付くが、中には拘束され、生き地獄へ連れ去られる者もいた。議論が白熱することはよくあることで、そんな時は議場が体臭に満ちるものである。しかし、この時は独裁官が一方的に短時間の話をしたに過ぎなかったのだが、議場は蒸していた。それは普段とは異なり、冷や汗によるものであったに違い無い。
そこでフィルムが終わり、映写機のライトがスクリーンを直接照らしはじめ、その眩しさに見る者皆が我を取り戻した。いつものように、映写機のカタカタという音と皆の口臭に部屋が満ちていることを嫌が上にも認識させられる瞬間である。部屋の照明が付けられ、階段状に設置された木造の机に寄りかかっていた体を起こし、大きく伸びをする者、欠伸を噛み締める者、それぞれの動作が露になり、皆の意識が現代に帰って来た。決して楽しげでもなく、集中力に満ちた雰囲気でもなかったが、そんなことはものともせず、壇上に初老の男が悠然と立ち上がった。このフィルムを写した張本人であり、部屋にいる大多数とは異なり、映像を堪能した男である。
<続きます>
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