青い花

読書感想とか日々思う事、飼っている柴犬と猫について。

I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE

2016-01-06 07:50:08 | 日記
『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』を観に行きました。


《みんな、だれかのだいじ》

世界一有名なビーグル犬・スヌーピーが、初めて3D/CGアニメーションとしてスクリーンに登場。私にとっては懐かしい『PEANUTS』の世界が、初めて観る娘にはどう受け入れられるのでしょうか?

《チャーリー・ブラウンは失敗ばかりのダメダメ人間。
今日もスケート場で凧揚げに失敗し、ルーシーから「アンタに凧揚げなんて無理なの!何故なら、アンタはチャーリー・ブラウンだから!!」と強烈なダメ出しを食らってしまった。

チャーリー・ブラウンの隣家に新しい住人が引っ越してきた。
その中にチャーリー・ブラウンと同年代らしき赤毛の女の子の姿が…。「僕のことを知らない人であって欲しい。僕の今までの失敗を何も知らない人に、先入観なしで見てもらいたい」チャーリー・ブラウンは新たな出会いに期待を膨らませる。

翌日学校に行くと、赤毛の女の子も登校してきた。
いきなりテストが始まってしまったので、言葉を交わす暇もない。テストの終りに赤毛の女の子の落した鉛筆を拾ったチャーリー・ブラウンは、鉛筆に咬み跡があるのを発見し、自分と同じ癖だと喜ぶ。

チャーリー・ブラウンの恋を知ったスヌーピーは、犬小屋の上で創作活動に励む。
パイロットのフライング・エースが第一次世界大戦下のパリ上空で宿敵レッド・バロンと対決する傍ら、プードルのフィフィと恋に落ちる冒険小説だ。

チャーリー・ブラウンは、赤毛の女の子のことをルーシーに相談した。
赤毛の女の子はなかなか、自分はダメダメ…緊張して声をかけることが出来ない、と言うチャーリー・ブラウンの顔の前に、ルーシーは手鏡を出し、「いい?これが失敗する人の顔!典型的な失敗顔!!」と失礼極まりないダメ出しをする。「女の子が好きになるのは成功する男の子」と言われたチャーリー・ブラウンは、学芸会でマジックを披露することを思いつく。

学芸会の日が来た。
チャーリー・ブラウンの出演はラストだ。しかし、ひとつ前のサリーのカウボーイ芸がすべりまくっていた。おまけに時間が押している。ピンチのサリーのためにチャーリー・ブラウンは、自分の出演時間を犠牲にして滑稽な牛を演じた。

ダンス・パーティーの日が近づいてきた。
ペパーミント・パティからカップケーキ係を任せられたチャーリー・ブラウンは、カップケーキ作りの支度をしつつ、今度こそ良いところを見せるためにスヌーピーとステップの練習に励んだ。

ダンス・パーティーの日が来た。
チャーリー・ブラウンは、スヌーピーとカップケーキを焼いて会場に出向く。練習の甲斐あって、チャーリー・ブラウンのダンスは大好評だった。しかし、自分が零したジュースで足を滑らせ、脱げた靴がスプリンクラーを誤作動させ、会場は水浸しに…パーティーは台無しになってしまった。肩を落とし帰路に着くチャーリー・ブラウンにスヌーピーの表情も曇った。

テストの結果が発表された。
何とチャーリー・ブラウンが首位。しかも開校以来初めての100点満点だったのだ。周囲から突然ヒーロー扱いを受けるようになったチャーリー・ブラウンは戸惑いを覚える。

赤毛の女の子が親戚のお見舞いのため月曜日まで欠席するという。
その間に二人一組で読書感想文を書き上げるという課題を出された。赤毛の女の子と組むことになったチャーリー・ブラウンは彼女の分も頑張ることになる。

チャーリー・ブラウンは、優秀成績者として全校生徒の前で表彰されることになった。
しかし、スピーチの直前に返却された答案用紙を見て、チャーリー・ブラウンは動揺する。その答案用紙はチャーリー・ブラウンのものではなかった。ペパーミント・パティの答案用紙と入れ替わっていたのだ。壇上でそのことを告白するチャーリー・ブラウンに会場は興醒めになる。チャーリー・ブラウンは、一瞬にしてヒーローからマヌケに逆戻り。おまけに徹夜で書き上げた読書感想文が、風に舞い上げられた直後にレッド・バロンにビリビリにされてしまった。あまりの不運続きに、チャーリー・ブラウンは落胆を隠せない。

明日から夏休み。
ここ数カ月、何も良いことが無かったチャーリー・ブラウンは、憂鬱な顔をしている。
夏休みの課題として二人一組で文通することになった。チャーリー・ブラウンの名が呼ばれると、誰もが目を逸らす。その時、赤毛の女の子が手を挙げた。
何故、赤毛の女の子はチャーリー・ブラウンと組みたいと言い出したのだろうか…?》

チャーリー・ブラウンの仄かな恋を描く2D世界とスヌーピーがフライング・エースとして活躍する3D世界が違和感なく共存している。観る前には、『PEANUTS』に3Dなんて…と思っていたが、スヌーピーの戦闘シーンが意外なほど滑らかで迫力があった。そして、人気キャラを勢揃いさせつつも、そのキャラがそこに出てくる必然性のあるバランスの良い脚本には感心した。

『PEANUTS』には大人が一切登場しない。上から批判したり助言したりする大人がいない世界で、子供たちはそれぞれ自分で考え、自分のやり方で立ち上がる。努力が報われない虚しさ、気持ちが届かない哀しさ、毀誉褒貶に振り回されるやり切れなさ…。チャーリー・ブラウンだけでなく、すべての子供たちが、それぞれ何か心に満たされないものを抱えていて、それでも楽観的なのだ。

チャーリー・ブラウンは失敗ばかりのマヌケん坊だけど、そばに居て気持ちの良い男の子。紳士なのだ。ルーシーは「女の子に好かれるには成功者の証を見せる事」って言っていたけど、チャーリー・ブラウンは胸に金のバッジなんかなくたって、ちゃんと女の子から好かれるのだ。彼の公明正大さ、何度転んでも立ち上がることの出来るハートの強さを評価する女の子はちゃんといる。彼はこの先もきっと失敗ばかりで、みんなのヒーローには絶対になれない。だけど、だれかをだいじにし、だれかのだいじになれる男の子なのだ。
私がずっと好きだったチャーリー・ブラウンを娘も好きになってくれて嬉しかった。そう言えば、娘はちょっとサリーに似ている(笑)。

チャーリー・ブラウンとスヌーピーの距離感も良い。
内省的なチャーリー・ブラウンに対して、スヌーピーはどちらかというとイケイケタイプ。でも、スヌーピーは決して自分の流儀をチャーリー・ブラウンに押し付けない。チャーリー・ブラウンのボヤキをヘラヘラ聞き流しているように見えて、実はちゃんと聞いていている。そして、余計な言葉は挟まず、気が済むまでボヤかせてあげる。自分で考える時間を与え、さりげなくヒントを出し、最後にそっと背中を押す。
スヌーピーは見返りを求めない。「○○してやってるのに!」なんて態度は絶対に取らない。陽気で親切。自然に優しい。犬の美質をギュッと集めた最高の相棒なのだ。
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