「思考地図 vol.3」の中で、東浩紀、北田暁大、原武史の鼎談「『東京から考える』再考」が掲載されていた。「東京から考える」は東浩紀、北田暁大の2人が、「東京」という存在の都市論を語った2007年の著作。70年代~80年代にかけて登場した広告都市・渋谷や広告郊外・青葉台、そして90年代に台頭してきた、大型ショッピングセンターやファミレスなどロードサイドショップが軒をつらねどこであろうと快適な均質空 . . . 本文を読む
「父親をどう超えるか--」これは男にとっては大きな問題だ。僕も親父と仲がいいとはいえないんだけど、年をとればそれなりにうまく付き合っていくやり方というものを身につける。それが男同士というものなのだろう。これに対して「母」と「娘」というのは不思議な関係だ。時に腕を組んで買い物に行くような母娘がいて、友達のように話をしている2人がいて、壮絶なののしりあいをする2人がいる。
何故、そこまで違うのか。
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「踊るんだよ…踊り続けるんだ。何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ…だから足を停めちゃいけない…誰にでもそういう時がある。何もかも間違っているように感じられるんだ…でも踊るしかないんだよ…音楽の続く限り」
この言葉を何度、思い起こしただろうか。時には自分自身を励ますために、あるいは他者を励ますために。この言葉は村上春樹の「ダンス・ダンス・ . . . 本文を読む
村上春樹が無性に読みたくなり、何となく本棚から手に取ったのが「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」。だいたいこの歳で村上春樹を読みたくなるという時点で、精神的にあまりいい状態でないことを示しているわけだけれど、ここで初期三部作を手に取らなかったことがかろうじて抵抗の跡といえるだろうか。学生時代、ぼろぼろになるまで読み込んだ「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」を手に取っ . . . 本文を読む
半分は電通の宣伝ではあるけれど、クロスメディアやAISAS型消費行動モデルの考え方がまとまっているので、これからの広告ビジネスやプロモーション戦略を考える上で一読するのは悪くない。僕自身、大掛かりなキャンペーン全体という観点でプロモーションプランの設計に携わったことがないので、へーこんな風に考えているのか、と単純に感心。
それにしても、ラジオや雑誌、新聞までもがネットを中心とした新しいメディアに . . . 本文を読む
帯には「ウェブ資本主義の正体」とあり、今、一番旬なブロガー・池田信夫さんの著書でもある。これは期待ができるだろうということで購入。ハイエクは名前くらいは知っているものの、フリードマンとともに新保守主義、新自由主義者の代表くらいの知識しかない。ということで、具体的にどんな主張がなされたのかはわからないのだけれど、この著を読んでいるとどこまでがハイエクの主張でどこからが池田さんの話なのかがよくわからな . . . 本文を読む
ほろ酔い気味の部長から、こういうことなんだよ!と勧められた一冊。部長は社長から勧められたらしい(苦笑)。サブタイトルに「世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーション技法」とあるように、IDEO社がいかに新しい何か―と言っても「使いやすい」「わかりやすい」「便利」といったそもそものものだけれど―をどのように産み出しているのか、そのための企業風土や考え方、仕事のやり方がどうであるかを、数多 . . . 本文を読む
アップルフリークにはたまらないかもしれないけれど、まぁ、ちょっと褒めすぎじゃない、といった感じか。現時点では iPhoneは確にそれなりの成果をあげただろうが、しかしそのインターネットマシーンという評価がどれほど日本市場にインパクトを与えたかというのはこれからの評価でしかない。iPhone発表頭初から指摘したように、日本語入力に対するタッチパネル式入力の体感的な違和感の問題や公式サービスへの未対応 . . . 本文を読む
最近、はまっているマンガが「モーニング」に連載中のこれ「GIANT KILLING(ジャイアント キリング)」。あまりサッカーには興味がないんですが、このマンガの面白いところは、主人公を弱小チームの監督に据えているところ。「負けグセ」のついたチームをどう強く再生させるか、相手より弱いという現実を踏まえた上で強いチームとどう闘っていくのか――神がかり的なシュートを打つサッカーマンガなんかとは違って、 . . . 本文を読む
近所に新しく2件目のビレッジバンガードが出来たとあって覗きに行ってみたところ、商材は同じものを取り扱っているんだけど、その配置の仕方が何となくきちんとしすぎていて微妙に違和感が…。ビレッジバンガードっぽさというか、あのおもちゃ箱を引っくり返した感じというか、路地に迷いこんだ感じというか、「縁日的な非日常感」が足りなくて、何かもう1つ「らしさ」を感じない。扱っている商材は同じなのに満足できないのだ。 . . . 本文を読む
「崖の上のポニョ」の公開も間近にひかえ、元来の宮崎駿ファンとしてはちょっと気になるタイトルだったこともあり、思わず購入。帯に書かれている「『となりのトトロ』から最新作『崖の上のポニョ』まで、20年間の軌跡をたどる」が決めてだったのだけど、読んでみた感想はというと…
年代ごとに日米の巨匠、宮崎駿とスピルバーグの作品の興行収入を比較し、その背景を語った(つまり分析ではない)作品なのだけれど、まぁ、正 . . . 本文を読む
いくつかの部門にまたがるちょっと面倒なPJの事務局をやることになり、懲り固まったそれぞれ担当の「やり方」を相手に、どうマージしてどう新しいサービスを作り出していこうかと思い、思わず手にとった一冊。1時間もあれば読めてしまう寓話だけれど、その内容は十分深い。変わらなければ生き残れない――ビジネスの世界でも直面するこの課題にペンギンたちはどのように行動したのか。
カモメになったペンギン / ジョン . . . 本文を読む
「経済学」の教科書に書かれていることはただの学問でしかない、と感じている人は少なくないだろう。いったって、モノを買うのにそんな合理的に毎回、毎回判断していられるわけないじゃないか、そう思っているのなら、この「経済は感情で動く」に書かれている事象はその通り!と思うだろう。ちょっと訳し方がいまいちではあるし、まとまって何かが整理できるというわけではないけれど、人が何故、合理的な判断で行動できないのかに . . . 本文を読む
以前読んだ見田宗介さんの「社会学入門」の中で、現代社会が成長の「S字曲線」でいうところの「平衡系」に入りつつあることが指摘されていたが、それを「人口容量」と「文明」という観点からまとめられた一冊。
日本人はどこまで減るか―人口減少社会のパラダイム・シフト / 古田 隆彦
2004年12月の1億2784万人をピークに日本の人口は減少し始めた。マスメディアわ中心に「少子・高齢化」が原因といわ . . . 本文を読む
グーグルの勢いが凄いのか、テレビが本当に危ないのか、このところ「グーグルが日本を破壊する」や「テレビ進化論」など、このところ今後のテレビのあり方について書かれた本が立て続けに刊行された。この岡本一郎さんの「グーグルに勝つ広告モデル」はどちらかというと既存のマスメディア側の立ち位置でかかれたもので、インターネットが「メディア」として確実に成長する中で、既存のメディアの強みとどうビジネスモデルを変える . . . 本文を読む