ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

人間・藤原新也が伝わる「空から恥が降る」

2004年10月21日 | 読書
好き嫌いはもちろんあるだろう。正直、「沈思彷徨」ほど共感もできなかった。とはいえ、藤原新也の作品はやはり目を通したいと思う。沢木耕太郎と同じようにアジアの旅を続けたにも関わらず、そのアプローチ法、物事に対する視座や直観力というのは全く違うスタンスだ。沢木耕太郎が(もちろん「深夜特急」や「一瞬の夏」「敗れざる者たち」も大好きだけど)誰からも好かれる優等生だとすると、藤原新也はアウトロー。状況や周囲の期待に関わらず、良くも悪くもズバッと本質を突いた発言をする投げかけてくる。だからこそ、思わずちょっと話を聞いてみたくなるのだ。

空から恥が降る


しかしそれにしても「ビンラディン」を応援しているように受け取られかねない発言は、あの当時の雰囲気を考えるとそりゃまずいだろう、ってついつい思ってしまう。もちろん、それらの発言は理不尽なアメリカに対する裏返しであり、アメリカの「有色人種に対する差別意識」「戦争としての最低限の礼儀さえ守ろうとしない」態度に対する批判ではあるのだが。。。

「捨て猫」をめぐる話など心温まる話もあったり、絵や写真が載っていたりと内容もバラエティに富んでいるが、これも藤原新也のHPのエッセイをまとめたものだからか。この中でも述べられているが、こういったBLOGも含めてインターネットというメディアが、パブリックな発言というよりも個人的な色が強い発言を引き出しており、より一層「藤原新也」色を強めている、といえる。

「週刊!木村剛」がマイメディアを指向しながらも、「木村剛」のイメージを増幅させる装置であるのに対して、こちらのHPはあくまで人間・藤原新也が伝わってくる。一度、きちんとHPを見てみたいと思う。

fujiwara shinya official site



深夜特急




1 コメント

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丸亀日記も、 (亀々)
2005-03-10 15:31:57
はじめまして、

おじゃまします。

藤原さんの名前で検索していたら、

迷い込んできました。

「空から恥が降る」これはよい本でしたね。

「丸亀日記」も大好きです。

藤原さんの世界を知り25年ですか。

藤原さんも60歳ですか。お若い!
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