先日(10日)、第46回京の冬の旅 非公開文化財特別公開の「長楽寺(ちょうらくじ)」へ行ってきました。円山公園の東奥の方にあります。(八坂神社の楼門からゆっくり歩いて10分ほどで、長楽館【前ぶろぐ】の前を通って東へ)受付を済ませ、まず、書院で説明を伺いました。(10分程度)
長楽寺は、延暦24年(805)、桓武天皇の勅命により最澄を開基として創建されました。建礼門院徳子ゆかりの寺として知られています。建礼門院は、清盛の娘で、高倉天皇の中宮となり、安徳天皇の生母となります。源平合戦の壇ノ浦の合戦の際に、安徳天皇(8歳)を抱いた二位の尼時子(徳子の母時子)の後を追って、徳子も入水しますが、源氏によって海中から引き上げられ捕らわれの身となります。その後、この長楽寺で出家し、その際、安徳天皇の形見の御衣をご本尊前にまつる幡(ばん)に縫ってお布施として奉納しています。その幡は現存し、書院では模造品を、収蔵庫では実物を見ることができます。【写真右下】書院の庭園は、室町時代に足利義政に仕えた相阿弥が銀閣寺の庭を作る際、試作的に作ったと伝えられています。(写真撮影NG庭園のみOK)
【写真左下】石段を登りきったところにある本堂には、天皇即位の際のみに御開帳される御本尊(秘仏)が祀られています。本尊を安置する厨子は、2代将軍徳川秀忠の正室、お江の娘で後水尾天皇の中宮、東福門院和子が寄進されたものです。【写真右下】建礼門院徳子の供養塔です。
収蔵庫には、建礼門院の遺影や幡、安徳天皇の御影、遊行上人像七体などが展示されています。(説明があります:3分)わずか8歳で亡くなった安徳天皇の御影は独楽を回して遊ぶ(天皇の御影としては)異例のお姿です。8歳といえば、小学2年生・・・祖母に抱かれた安徳天皇は、源氏の軍にに囲まれ、いよいよ入水する際「おばば、どこへ連れて行くのか?」「海の底にも御所は御座いましょう・・・」と会話をしたと平家物語に書かれています。つい、わが子と比べ・・・(TT)*御影写真は看板を撮影したものです。
長楽寺はもともと円山公園の大部分を含む広大な寺域をもった有名寺でしたが、幕命により大谷廟建設の際に境内地を割かれ、明治初年に境内の大半が円山公園に編入され現在に至っています。境内奥の墓地からは市内を見渡すことができます。
京の冬の旅では、当日のバスや地下鉄の一日乗車券を受付で提示すると、パンフレットがもらえます。また、スタンプラリーも行われています。【おまけ:写真右下】円山公園の祇園枝垂れ桜です。今年もきれいな花を咲かせてくれることでしょう。昨年の様子は【前ぶろぐ】にて。
長楽寺 http://www.age.ne.jp/x/chouraku/ 拝観所要時間40分~