『 雪が降った翌日の日の出 』
森川 雅昭さん 撮影
週に1回、月に4回だけだけれど、いつもの予定がごっそり抜けると何やら
虚しく手持ち無沙汰なものである。
でも今の状態では2月中の休止は正解だったと改めて確信している。
何の予定もないとは言いながら、カレンダーをみると2月中だけでも、各病院予約が5回、
ワクチン接種で1回、絵の教室も1回(多分これは休止になるだろうが)の記入があり、
そこにピンポン予定の4回を黒く消してあるから、結構賑やかなカレンダーである。
でも病院行きでは少しも楽しくないしストレス解消にもならない(増すばかりだ)し、
運動にもならない。
人間、何の目的(予定)もなくなると、途端に惚けたり、肉体の老化が急速に加速する
と言われている。
徐々に人との会話力が衰え、笑いも刺激もなくなり、ユーモアとかウイットや色気なんて
言う人間独特の持ち味も消えて、やがては身も心も自分だけの 幽玄の世界に住むという。
しかし考え様によっては、こうなるのも悪くはないかも知れない。
何故なら、世界は自分だけの小宇宙だし、そこでは気遣いとか心配りも必要ない。心配事も
悩みもない。遠慮も礼儀も必要なしでこの世に怖いものなしだ。
虚しいとか寂しいとも思わぬらしい、他人が己をどう思っているか、なんて事も卒業できる
らしい。こうなるともう仙人の境地で、案外長生きするそうだ。
世相や政治や今時の若い者は等と言っては腹を立て、かろうじて自分自身で刺激を受けている
のかも知れない。
時には自分もそうした世界に入りたいなと思うことがある。
でも多分今の状態では考えたり感じたりしてしまうだろうから、すぐに虚しくなったり寂しく
なってしまうだろう、そうでなければその世界は案外パラダイスなのかも知れない。
それでもなかなかそうした世界に入り込むのも難しいらしい。若い頃から唯我独尊タイプ、
人の話は聞かぬ人、自信過剰の人と、こうしたタイプの人じゃないとなかなか簡単にはこの
世界に入れないそうだ。
早く、定期的に予定があって、嫌でも能動的に活動し、皆と話し笑い合える生活に戻りたいものだ。
このままの生活に埋没してしまわないうちに……。