『 田貫湖にて 』
森川 由美子さん 撮影
連日、春の長閑な日が続いている。しかしTVをつけると途端に悲惨な映像が飛び込んでくる。
両者のかみ合わない言い分の遣り取りが続いている。
そこにロシアの残忍極悪の将軍が総司令官になって一気に攻めるという話が流れている。
そこにロシア軍が化学兵器をとうとう使ったという速報が今あった。
いよいよ泥沼に入り込み混迷の様相になってきた。
戦争というものは、あんなにも人間を頑なにし、エゴと意地と怒りと闘争心の固まりのように
してしまうものなのだ。大分昔に本で読んだ太平洋戦争開始時、日本軍の大本営の様子を思い
起こさせた。自分だけが正義で、征服欲と偏見とで押し進め、聞く耳持たなかったのと似て
いるようだ。これは人間の本性なのであって、昔も今も人種は違っても同じなのかも知れない。
和平への条件としてウクライナの出したのを見て直感的に思ったのは、これでは和解とか妥協は
生まれないということだ。プーチンはクリミア半島から全面撤退といわれては妥協は出来ないだろう。
これではロシア国内では敗戦、失政となってしまう。大国の意地、面子、お国柄、プーチンの気質
から受け入れられないのは当然だろう。
強いていえば、クリミアは無論、東部地区は占領状態そのままとして(課題は将来に残して)直ちに
完全停戦、中立を維持する、国際機関への提訴も断念、NATO加入はしないといった位の妥協案で
交渉しなければとても無理だろうと思う。
長引けば互いの傷が深まり、他国の干渉や一方への非難とか逆に援助が強くなれば、ますます妥協点
が見えなくなってしまう。
こうしている間にも、又彼の地では市民が兵士が倒れていくのを思うと、一日でも早く妥結をすべく、
国民のために大いなる歴史に残る妥協をするべきである。それこそが国の英雄である。