世界秩序を左右しかねない事件が起こった。トルコで軍の一部がエルドアン大統領の
政府側に対してクーデターをお越し世界に大きな衝撃を与えている。一時はテレビ局を
占拠して「国の全権を掌握した」と宣言したが、政府側に抑えられ200人近い死亡者を
出しながらもクーデターに関与した多くの兵士拘束した。
トルコのエルドアン大統領は2014年から大統領に就任してまだ2年にも満たない在職期間中に
危うく天地がひっくり変えるような騒動にまで炎上したものだ。
一瞬だけ第三次世界大戦の火ぶたが切って落とされたのではと脳裏をよぎった。
混迷を極める今の世界情勢に右往左往する前に情勢を見極めていく努力が必要なのだが、
日本は安倍政権になってからこうした火種を受け止めらる覚悟が必要で対岸の火事では
済まされないどころか飛び火するのも時間の問題かもしれない。しかしこうしたところ
日本の政治は外交にしろ防衛省にしろからっきしの弱さを見せる。
2012年のリビア・ベンガジで起きた米国大使館襲撃事件で死亡したクリストファー・
ウィリアムズはISが潜伏するシリア内部にトルコから武器の輸出量を調節する仕事をしていた。
当然のようにトルコの軍部には精通していると思われる。しかしこれが何かの弾みで大使館が
襲撃されてIS問題が激化する方向へ進んだ事実を米国側は重く受け止め事件に関与している
ヒラリーに対する私的メールアカウントの使用について襲撃事件後の4年経過し選挙期間中で
あってもFBIから追求されている。
状況証拠を組み合わせるとリビア大使館に居たクリストファー・ウィリアムズ氏はヒラリーの
意向とは違い、シリア内部への武器輸出量を制限していた事が解る。
その為にトルコ側も期待していた以上の武具による貿易利益を上げていなかったのだろう。
多くの人から戦争屋と揶揄されるケースが多いイスラエルに対して今の世間は誤解を招いて
しまっている。米国のヒラリーは間違いなく戦争屋のやり口だが、この場合イスラエルは
被害者側に位置する。ISを利用して中東地域のイスラム教の国を破壊する目的と同時にシリア
の石油利権を狙った米国CIAとイスラエルのモサドが共闘体制を組んでいる証拠がISの指導者
バクダーティーだった。
しかし米国は英国とイスラエルとの共闘作戦から背信的に単独でのIS活動に移行しつつある。
それは日本人2人後藤健二と湯川はるなを殺害したとされる英国出身のジハーディー・ジョンの
死亡説を含めてイスラエルがバックにいるバクダーティーが空爆に遭い死亡したとされる
情報からは米英イスラエルのシオニズムで結ばれた3か国の関連性はバラバラになった。
こう判断するしかない。
米国のシオニズムの観点ではやはりホルブルック氏が殺害されたことが最も大きいだろう。
彼は2002年にノーベル平和賞を受賞したカーター元米国大統領の右腕としてブルトーザーと
異名を持つ凄腕の外交官だったホルブルック氏は中東情勢においては和平工作の達人だった。
オバマ政権でもこうした功績が買われて中東情勢を担当していたが、2010年に国務省内で
ヒラリーと面会後に体調を崩してそのまま病院に運ばれ帰らぬ人となった。
米国内におけるシオニズムはベンガジ大使館襲撃によって死亡したクリストファー・ウィリ
アム氏と国務省内でヒラリーと面会後に死亡したホルブルック氏の二人が居なくなって
からは坂を転がり落ちる石のように成す術も無くその行く末を見守りながら後を追うしかない
中東情勢に何時までも便乗していたトルコでしたが2014年に大統領がエルドアンになり
こうした十数年来に渡る米英イスラエルの3か国関係による中東制圧のオペレーションに
加担するトルコの立場は3か国の関係の不協和音の影響で不安定になっていった。
親会社同士の相互提携が破たんした理由で切られる派遣社員のようなトルコ軍だ。
そればかりでなく3か国のISオペレーションに強い対抗意識を持つロシアやEUが盛り返して
来る状況でトルコは前線において不利な立場を強いられていた。このまま3国の雇い主を
失ったISオペレーションに乗り続けるかそれとも早めに見切りを付けて距離を取ることを
選ぶかの分岐点で今回の軍事クーデターが起きてしまった。
トルコ軍は余りにも状況の呑み込みが遅過ぎる。こうした中東地域のオペレーションは
9.11から始まっており、2010年のホルブルック氏が死亡してからは米英イスラエルの
3か国で衝突を生む関連性になっている。このオペレーションに未だにしがみ付いて
利益をあげようとするのも無理があり過ぎる。何時れは終わらせなくてはいけない
戦争ビジネスにしか過ぎない。
このトルコ軍のクーデターから解るのは、米国(ヒラリー)はかなりの弱気になっている。
今までの様にトルコ軍を利用できるだけのキャパは持ち合わせていない。ISも弱体化して
トルコ軍も離れた場合に中東地域でオペレーションを施行できるだけの能力を米軍だけで
持ち合わせているとは思えない。そうなると当然の様に米軍を援助する何らかの行動が
必要となってくる。いやぁ~これは財政もたっぷりとたかられるだろうな。wwww