まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

Q. 哲学者の人は何型が多いですか?

2011-04-21 07:53:24 | 哲学・倫理学ファック
「先生の血液型は何ですか?」 という質問は例年いただくことがあるのですが、
今回のような一般化された質問は初めていただきました。
基本的には、何でも考えることが哲学ですが、
学問としての哲学は、個別的な事柄よりも、普遍化された一般的な事柄を扱いますので、
このほうがより哲学的 (あるいは学問的) な問いだと言えるでしょう。
この問いに対しては大まじめに次のように答えておくことにいたしましょう。

A.哲学者の血液型に関する研究やデータがないのでわかりません。

申しわけありませんが、本当にわからないのです。
まず基本的に知っておいてほしいのは、
血液型占いをこんなに信じているのは日本人くらいだ、ということです。
そして、血液型と性格の関連性を実証することはできないということが、
心理学者の方々の研究によって明らかにされています。
現在の心理学は、にもかかわらずなぜ人は血液型占いを信じてしまうのか、
ということも研究しているようです (こちらのブログを参照)。
私も以前に先輩たちからの質問にお答えして、
血液型占いに限らず、占いは当たるのかどうかということについて、
ブログに書いたことがありますので、そちらもご覧ください。
「Q. 占い師の占いは本当に当たるのか?」

さて、心理学はそもそも血液型と性格に関連性はあるのかといったことを研究しますので、
血液型占いによる分類を前提として、それぞれの職業の人には何型の人が多いか、
みたいなことを研究している人はめったにいません。
たまに、スポーツ選手には何型の人が多いかみたいなことを研究 (?) している、
怪しい心理学者もどきの人がいないわけではありませんが、
そういう人も、マスコミに取り上げてもらえないような少数派の人たちのことを調べたりはしませんので、
哲学者の血液型に関する研究というのは見当たらないわけです。

心理学者による研究がなかったとしても、
哲学者どうしで話をしていて、なんとなくこの血液型の人が多いよね、
ということがわかったりはしないのでしょうか?
残念ながら、そういうデータもありません。
なぜでしょうか。
哲学者は何でも疑ってかかる人たちで、
理性によって説明のつかない非合理的なことはほとんど信じることがありません。
特に占いや超常現象の類はまったく信じていませんので、
哲学者が集まって学会を開いたり飲み会をしたときに、
血液型占いの話が話題に上ることはまずありえないからです。
今回この質問をいただいてちょっと考えてみたのですけれど、
友人の哲学研究者がたっくさんいますが、彼らが何型なのかまったく知りません。
聞いてみたことがないのです。
また、私はカントという哲学者が大好きで、その研究をしていますが、
カントの血液型が何なのかなんてことも今まで考えてみたことがありませんでした。
たぶん私以外のカント研究者の皆さんも知らない、というか、知りたくもないんじゃないかなあ。
というわけで、先ほどの答えをもう少し書き換えておくことにしましょう。

A.哲学者は血液型占いを信じていないので、哲学者の血液型に関するデータはありません。

ちなみに私は昔とあるお店で、血液型を尋ねられて次のような会話をしたことがあります。

「まさおさまの血液型はなに?」
「なんだと思う?」
「うーん、B型?」
「ブーッ、残念でした。」
「じゃあ、O型?」
「違います。」
「エーッ、じゃあA型なの?」
「はっずれー!」
「ふーん、AB型なんだぁ。やっぱりねぇ、そうだと思った。」

どこがやっぱりやねん、まるっきりハズレとるやないかい、
と心の中で思いっきりツッコミを入れましたが、
たぶんこの人は私の血液型がなんであったとしても、
「やっぱりねぇ、そうだと思った」 と思ったことでありましょう。
血液型占いってそれくらいのもんだと思うのですがいかがでしょうか?