寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

間違った電報

2010年11月16日 09時21分55秒 | 日記
幹部会議は全く穏やかに進行していました。本来なら総務部長である星部長が司会を勤めるところが代役つまり見習いみたいな感じで西日本事業本部の総務部長が担当していました。
この人物星部長と二つ違いで同じ総務部長であります。 ややこしいのは肩書きが同じ総務部長であります(笑)が中身は大違いです♪
星部長は本社の総務部長、かたや西日本事業本部の総務部長であります。つまり本社の総務部長が一ランク上なのです(笑)
『今日はお手並み拝見だね』
目下この田中部長が星から見て唯一のライバルでした。今のところ年令や格からしても星部長がリードしている事は間違いありませんが、相手は伸び盛りです。油断は禁物!と言った所でしょうか。
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間違いの電報♪

2010年11月15日 09時38分02秒 | 日記
葬式の当日に祝電を受け取り当惑気味の星部長さん♪
同僚に話はしたものの根っからの楽天家です。葬儀の喧騒と合せてすっかり忘れてしまいました(笑)

しばらくして…幹部会の休憩時間にひょっこりと例の役員さんとばったり♪です。
『この間悪い事があったんだってねぇ』
少しも悪びれる様子もなく役員は話しかけてきました。
『はいその節はありがとうございました』仕方なしに星部長は話を合せていました。
何せ相手は役員ですから…(笑)
『お父様でしたか』『はい父ですが…』
よっぽど電報の件間違ってましたよ…と言ってやろうかと思いましたが先ほどのように役員様♪であります(笑)
いくら全く違う部署でありましてもどこでどのような繋がりがあるかも知れませんから… 『こりゃあ君子危うきに近寄らず』だな♪星部長ははやく休憩時間が終わる事を念じていました。
嵐が去るまでは頭を低くして難を避ける…の心境でした。
そんな星部長を知ってか知らずか役員はますます話しかけて来ます。
『実は俺の親父も去年逝ったんだよなぁ…』
『…』
『まあ誰でも年を取ると親とは別れなきゃあならんからね』
取り留めの無い話が続きます。
『君はお子さんは何人いるの?』
『はぁ上が大学で下が高校生です』
『ほう~まだまだ息が抜けないねぇ』大袈裟に驚くと頭をツルリとなで上げました。なあまりにも身振りが派手すぎて星部長は笑いを堪えていました。
『あと何年か頑張らんとね(笑)』
『はい全く大変です。』
適当に合せています(笑)がふと星部長は気がついた事がありました。
それはこの役員さん当たり障りのない世間話で終始しているだけです。 この六十半ばの役員さんははげ上がった頭をつるりと触る癖がありました♪一息付く度にツルリと撫でる仕草が滑稽すぎて
笑い出しそうになるほどです。
こんな人の良さそうな人はあまり役員では見掛けません。休憩が終わりました。 星部長は一礼をして役員さんの前から立ち去りました。
『あの役員さんは西日本事業本部の方だったなぁ』
創業以来の中心的な事業本部でした。 最もこの役員さんはその中では窓際に近く経営の中枢には程遠い存在です。
役員にも幾つかありまして、やっとなれた人、平取りは通過点の人、そしてかつては鳴らした実力者が落ち度から閑職に追い落とされた場合…
などです。
この役員さんはどちらかと言いますとここまでの人じゃあないでしょうか(笑)
*と言いましても一流企業の取締役ですよ。普通はここまでこられません(笑)
この星部長…年令的にも脂が乗っている五十台です。 本社の総務部長ですから同期の中でも出世頭でした。 当然上を意識していました。
あとは経験の積み重ねたと運や流れをどうやって取り込めるか♪です。 『しかしあの役員さんらしくないよなぁ』
会議に入っても先ほどの話が気になっていました…
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間違いの電報

2010年11月12日 09時11分58秒 | 日記
馬鹿な奴はどこにでもおります。
先日小耳に挟んだ話です。
総務部長の星さんのお父さんが亡くなられた訃報を取り違えた某役員さん♪
普段付き合いが無いのにも関わらず祝電を打ったそうです。
貰った遺族はびっくりです(笑)
『何かお前その役員さんに嫌われているんじゃあないか』と身内で話していると同じ総務内の同僚が顔を覗かせたので笑いながら祝電の件を話したところ、
その同僚真顔でこう言いました。

『短銃なミスだといいけど、似たような話を前にも聞いたよ』
意外な事を言い出します。
『本当かよ…』
『ああ何度かあったぞ』
葬式の自宅に祝電を送りつけるなんてそんな非常識な、まして俺なんかそんな意地悪される筋合いもないし…『俺この役員顔を知っているくらいで関わり合いなんか無いぜ』
星部長は納得のできない顔でぼやきました。
『まあ間違いは誰にでもあるからさぁ』同僚は慰めるように話します。なるほど役員ともなれば弔電や祝電なんか毎日山のように打っているでしょうから、たまには間違いだってあるだろうよ~
星部長はそう考えて納得しました、ところが…
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役員の憂慮(20)

2010年11月11日 07時15分12秒 | 日記
鬼塚専務は自身の留任は認められました。しかし難題はあとにありました。
右腕、いやそれ以上に頼りにしている高辻役員は役停の延長でした。
『役停の延長はもう一年延長できるんですか?』
黒田社長は黙って首を振りました。 役停の延長は異例の事です。それがまた一年延長となると他に示しが付かない…そう黒田社長は説明しました。 『…と言う事は高辻さんは…』
そこまで言いかけた鬼塚専務に重ねて黒田社長は
『専務がどうしても、と言うのなら考えないといけませんし、』
『うーん』腕組みして唸りました。 円山本部長の役員待遇が保留になった訳が分かってきました。
つまりこの事業本部に役員は二人です。
鬼塚専務と高辻役員です。そこに円山本部長が入ると三人となります。 事業本部の業績を見てもとても三人は無理でした。
黒田社長は高辻役員と円山本部長、どっちを取るのだ。と迫っているのです。
『どうですか』覗き込むように鬼塚専務の顔を見ました。
鬼塚専務は悩みました。
流れから行けば若い円山本部長が役員に入るのがベストだし…
しかし円山本部長に果たして高辻役員の代わりが勤まるのだろうか…
いや!無理だ!酒の飲めない役員んて聞いた事が無いぞ! 他に代わりの奴も居ないし…
思案に暮れる鬼塚専務に黒田社長は見透かしたように『高辻さんは今のままだと役停は免れませんが常務に上げれば二年は行けますよ』
『!』
なるほど!
役停は確かに62才ですが、常務以上は66才でした(笑)
『と言う事は…』『はい!そう言う事です(笑)』
黒田社長はニッコリとほほ笑みました。
高辻役員を常務に昇格して役停を延ばした苦肉の策でした。
『取り敢えず私と専務の話し合いにしておきましょう』
『ありがとうございます』
思いがけない提案に鬼塚専務は涙が出るくらい感激をしたそうです。
『じゃあ私はこれで…』鬼塚専務が席を立ち掛けました。
『高辻さんには専務から内密にお話をしておいて下さい』
『はい分かりました』
深々とお辞儀をして社長室を去ろうとしたその時でした。
『いずれ次の幹部を育てないといけませんねぇ』
鬼塚専務はハッとしました。
『専務の事業本部には優秀な人いっぱいいるでしょう』
…はは~ん、円山は×だな。 黒田社長の言い回しには何も円山に固執しなくてもいいじゃあないかと言っています。
黒田社長の笑っていた顔から目だけは鋭い光を帯びていました。
『その件につきましては高辻さんと話し合って社長にご相談します』
『そうですか…分かって頂いて良かったです』
一礼をして鬼塚専務は社長室を出ました。
思いがけない話ばかりで鬼塚は頭が混乱していました。
『俺は留任、高辻さんは昇格、円山は×か…』
廊下を歩きながらふと見ると窓から白い頂きが見えました。
『…富士山だ!』
東京から見える富士山は余程晴れ渡っていないと見られません。
青空に浮かんだようにくっきりと富士山は見えたのでした。
その姿にしばし鬼塚専務は見とれてしまいました。

『おや専務どうされました?』通り掛かった秘書の加賀美さんが専務を見つけて声を掛けました。
『うん?富士山を見ているんだよ』
『えっ!』加賀美さんは吹き出しました(笑)
だって鬼の専務と呼ばれている人が富士山を見て感傷に浸っていたからです。
『なんだよ可笑しいか!』
『いえとんでもありません』笑いを堪えて加賀美さん言います。
『専務、決裁の書類がまだ残っていますから…それと私食事に行かせて貰います』
そう言うと加賀美さんはエレベーターに乗り込みました。
『何だよ馬鹿野郎』いつもの調子が戻りつつ
『知床の岬に~♪』
森繁久弥を鼻歌で歌い専務室のドアに手を掛けました。(完)
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役員の憂慮(19)

2010年11月10日 09時13分56秒 | 日記
広い社長室に鬼塚専務はタバコをくゆらせ座っていました。ただじっと新社長からのお沙汰を待っているのです。
社長は…先ほどから物書きに没頭する事しきりです。 …声を掛けた方が負けだ! 鬼塚専務はそんな動物的な勘でソファに控えていました。
(焦らすなら焦らしてくれよ)
鬼塚専務はちらっとも見ないで呪文のごとく呟いていました。
社長はそんな鬼塚専務の気持ちも知らずにひたすら机に向かっていました。
(なんだろね!人を呼び付けといて…)段々と温厚(笑)な鬼塚専務は腹が立ってきました。
クソ~いつまで待たしゃあ気が済むんだよ(怒)
…と自慢のローレックスに目をやって鬼塚専務は驚きました。
なんで?
そうなんですよ(笑) 精巧無比なローレックスはな、なんと10時35分を指しているじゃあありませんか! 『確か約束の時間は11時…』
壁の時計は?薄っぺらでも品の良いセイコ―かな(笑)
『…やっぱり』
鬼塚専務は11時の約束の時間に30分以上早く来ていたのです。
『ハァ…』周りを見渡しても社長以外誰もいません。 『ハァ…』
そんな鬼塚専務の姿を社長は見逃しません。
クスクスと小さく笑いながら
『お待たせしました』
机から離れると応接セットに腰を降ろしました。 『専務もお忙しいところすみませんね』
『いや…どうもちと勘違いして早く来てしまいましたよ』頭を掻き掻き鬼塚専務はタバコをもみ消しています。
慌てて消したものですから未だ火が残っていました(笑)
『アチチチ!』
鬼塚専務は指先を跳ね上げながら叫んだのです。
その大袈裟な事♪ 黒田社長は思わず笑い出しました。 つられて鬼塚専務も笑います。
『ハッハハハ♪』二人の笑い声が社長室に響き渡りました。
この辺り笑えるのが鬼塚専務の魅力でした。
一通り笑い終わると二人にあった変なわだかまりはすっかり消し飛んでいました。
『専務コーヒーはもう一杯いかがですか』
『ありがとう(笑)まだありますから』『それよりご相談とは…』
鬼塚専務の目はすっかり和らいでいました。
何でも聞きますよ!いつもの鬼塚専務に戻っていました。
それを察知した黒田社長は出来るだけ丁寧に話をしていきました。
『実は人事の件ですが…』
『そうら、お出でなすったぞ』
顔を引き締め次の言葉を待ちました。
『実はこの事業本部は最低でも二年は専務にお任せしたいのですよ』
『え!私にですか…』社長の言葉は以外でした。
たぶんこの数年の低迷の責任を取れ!と言われるものと思っていたのです。
『情勢は楽ではないでしょうが、立て直すのは鬼塚専務しかいらっしゃらないと思います』
『…』(俺は留任かよ…しかし何かあるぞ)
鬼塚専務は気を緩める事無く身構えていました。
『あとはですね、専務の片腕となる人ですが、誰がよろしいですか』
『誰が…』
黒田社長の瞳はもう正気の光を放っていました。
『いやこのまま高辻さんでよろしいのでしょうか!』 高辻役員の名前が出て鬼塚専務はドキリとしました。 『実は高辻役員は去年役停だったんですよね』
『あっ!そうか…』
この話は去年豊島社長と話し合って解決済みと思っていたからです。
しかし現実は高辻役員は異例の一年延長となっていたのです。
*以前紹介したように役停…役職定年と役員定年があります。
役職定年は58才を以て役職を離れます。58才の誕生日になれば本部長以下部長、課長の肩書きは消滅してしまいます。
つまりただの兵隊になります。
それを避けるには次のステップに上がるしかありません。つまり取締役ですね。
役員定年は62才であります。
高辻役員の場合昨年に役停つまり定年になっていました。それを前の豊島社長に相談して一年の延長を認められたのでした。 そして今年延長の期限が来た事を黒田社長は言うのでした…
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