まちの安全管理センター

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火力発電所酷使

2013-09-16 07:51:35 | 日記
 停止した原子力発電所に代わって、電力供給の柱となるのが火力発電所です。しかし、火力発電所は予想以上の猛暑で酷使され今年度、関西電力では故障や不具合などトラブルによる運転停止件数は前年度比1・6倍に急増したそうです。設備の疲労は蓄積される一方で、予期しない停止の危険性は高ます。電気使用率が95%に達した日もあります。5%余裕があると思う人もいるかもしれませんが、5%しか余裕が無いのです。これは不測の事態に想定外の停電が起こり社会が混乱に陥る数字です。
 「本当はすべて(定期検査に)入れたいのだが…」。関電の火力事業本部の担当者は頭を抱えているようです。先月下旬、年内に法定期限を迎える火力8基の定期検査を延長する方針を明らかにしました。うち5基は2回目、1基は3回目の延長となります。火力発電所を酷使する事は、地球温暖化の原因でもある二酸化炭素を多く出す事にもなります。本当にこれで良いのでしょうか?
 東日本大震災以前は、きっちり4年おきに行われてきた定検です。ですが、震災以降の原発停止を受け、3~4カ月の運転停止を余儀なくされる火力の定検は延期を続けています。
 火力酷使の「ツケ」は徐々に表れています。稼働する火力は32基ありますが、今年度に入って1日以上運転停止したトラブルは10件と、前年同期より4件増えています。
 「当初はこんな深刻な事態になるとは思わなかった」。関電の担当者は、8月19日に配管の水漏れで運転停止した舞鶴火力1号機(京都府舞鶴市、出力90万キロワット)のトラブルを振り返りました。水漏れなら数日での復旧が可能と踏んでいたが、焼却灰を取る装置にも水が流れ込んでおり作業は難航したそうです。関電は同22日、震災後初めて他の電力会社から電気を送ってもらう「緊急融通」に踏み切りました。
 先延ばししてきた定検も、来年2月には関電で初めて最長で2年とされる延期の期限切れを迎えるプラントも出ます。異常事態です。発電所が大きなトラブルを起こしていないのは、定期的に点検しているからです。正常に動いていても、ゴミで汚れてしまいます。このゴミを清掃するだけでも効率や寿命が全然違います。
 定検以外でも課題があります。タービンや発電機など最重要機器は、取り替えに数カ月かかるため、これまでは寿命が来る前の定期検査に合わせて取り替えていましたが、現在は寿命の目いっぱいまで使っています。大変危険です。今後、これらの機器でトラブルが発生すれば定検時期とは別に数カ月停止させる事態も起こる可能性もあります。
 対策は、異常発見の監視態勢強化のほかに見当たらず「奇策」はないのが現状です。電気を当たり前のように使っている我々としては、電気の無い生活は想像できません。大丈夫でしょうか?ギリギリのところで稼動しています。