まちの安全管理センター

このブログは、全ての人々が安全で安心出来る地域社会を実現します。

ソーラー道路

2014-05-30 08:27:37 | 日記
 ソーラーパネルで地面が覆われた、実験的な駐車場が公開されました。パネルの発する熱によって雪や氷を溶かしたり、パネルに標識やメッセージを表示したりすることも可能だそうです。実用化へ向けて、開発者夫妻が、Indiegogoで100万ドルのクラウドファンディング・キャンペーンを開始しました。路面がソーラーパネルでできた画期的な道路の試作品を製作したアイダホ州の夫婦が、また新たな試作品を完成させ、支援サイト「Indiegogo」で資金を募っています。
 ソーラーパネルで覆われた車道の試作品が2010年に発表されたとき、進歩的な人たちや政府関係者らは大きな関心を示したそうです。今回ブルソー夫妻が製作したのは、約3.7m×約11mの広さを持つ実際に利用可能な駐車場で、アイダホ州にある夫妻の研究室の外に設置されています。
 新しく設計されたソーラーパネルは六角形になっており、カーヴや勾配のある場所でも設置が簡単です。また、熱を発するため、雪や氷を簡単に除去できます。内蔵LEDを使えば、路面に標識を表示するだけでなく、メッセージを見せることも可能だそうです。 豪雪地帯での除雪対策にも役立つのではないでしょうか?
 ブルソー夫妻によれば、ガラスで覆われたこの新しいパネルは、路面への接着状態や衝撃耐性のテストが繰り返されたもので、約113トンの荷重に耐えられるようになったそうです。 113トンまで可能なら、普通の車、トラック、バスなど、ほとんど大丈夫です。
 このソーラーパネルが実際の環境に設置されるのは今回が初めてのことです。駐車場には、下水や電線のための専用溝も設置されています。
 このプロジェクトはいまのところ、50,000ドルの民間助成金と、連邦高速道路局による2段階の資金調達プログラムから支援を受けています。ブルソー夫妻はIndiegogoでキャンペーンを開始し、試作品を実用化するための資金として100万ドルを募っています。 試作品の設置にかかった費用はまだ不明で、詳しく算定されたうえで、7月中には明らかにされるはずです。ブルソー夫妻によれば、ソーラーパネルを搭載した道路が実用化されれば、耐用年数が過ぎるまでに元が取れるほど十分な電力を供給できるそうです。 ぜひ実用化してほしいです。

立体駐車場の規制強化、安全面も大臣認定の対象に

2014-05-28 19:47:34 | 日記
 機械式立体駐車場での事故が続発しているのを受けて、国土交通省は駐車場法施行規則の改正を検討中です。これまでメーカーの任意規格だった安全機能について、大臣認定の範囲に含めます。現在、改正案について意見を募集しています。6月13日まで意見を受け付けた後、7月に公布。2015年1月から施行する予定です。
 駐車場法の規制対象となるのは、商業施設など不特定多数が利用し、面積500m2以上の駐車場。機械式立体駐車場の場合は、構造と設備に関して国交省の大臣認定が必要となるものの、機械装置の安全性については認定基準に含まれていませんでした。
 安全面についてはメーカーで構成する立体駐車場工業会が、装置内への侵入防止措置や緊急停止装置の設置といった項目による独自の認定制度を設けています。しかし法的な位置付けがなく、実効性の担保に欠けていました。
 機械式立体駐車場は型式ごとに大臣認定され、12年度までに1995件が認定を取得しています。国交省が施行規則を改正した場合、メーカーに大臣認定の再取得を求める可能性もあります。同省街路交通施設課の担当者は、「詳細については調整中」と説明しています。併せて、機械式駐車場の安全機能に関する審査業務を担う法人を指定する「登録認証機関」制度を構築するそうです。審査に高度な専門知識を必要とするため、省令で登録の要件などを定めます。
 いままで任意だった事には驚きました。国で基準を決めるのは、安全面からもとても良いと思います。

疲労耐久性10倍の制振ダンパー

2014-05-26 19:33:16 | 日記
 竹中工務店は、物質・材料研究機構、淡路マテリアと共同で、疲労耐久性を従来の10倍に高めた制振ダンパーを開発し、「JPタワー名古屋」(2015年11月竣工予定)で初採用したそうです。繰り返しの変形を受けても安定した性能を維持するため、ダンパーの交換頻度を抑えることが可能になるそうです。すばらしい技術です。
 開発したダンパーのせん断パネルには、鉄を主成分として高濃度のマンガンやケイ素などを添加した新合金を用いた。開発チームが実施した低サイクル疲労試験では、ステンレス鋼などの実用鋼材のほとんどが1000サイクル未満で破断したが、新合金の疲労寿命は10000サイクル以上だったそうです。竹中工務店は「世界最高峰の疲労寿命を持つことは間違いない」としています。
 東日本大震災によって、長周期・長時間地震動への対策が改めて注目されています。繰り返し変形してもダンパーの性能が落ちなければ交換が不要になるため、大地震後の建物の復旧コストや時間を低減できます。
 竹中工務店は「震災の前から超高層建築では長周期・長時間地震動に配慮した設計が行われており、余裕度を超えてしまったダンパーがあったとは考えていない。ただ、南海トラフ地震の震源に近い場所では地震動の影響がさらに大きいことが懸念されます。これまでの想定を超える地震動に加えて、長時間継続する余震に対して、さらなる余裕度確保が必要だと考えた」としています。
 指定建築材料に関する国土交通大臣認定を取得し、竹中工務店が施工中の超高層ビル「JPタワー名古屋」に採用した。採用したのは、地下3階、地上40階(高さ約196m)の高層棟の低層部分だ。粘性体制振壁や鋼材ダンパーと併用。低層階は階高が高く、地震時にダンパーに加わる変形が大きくなることから、1階~4階の計16箇所に新合金制振ダンパーを設置します。
 同ビルに採用したせん断パネルの大きさは、縦1260mm×横1500mm×厚さ16mm。新合金を加工して、大きく変形した場合にも応力が局所的に集中しない形状としたほか、新合金を二重の補剛板で挟み込んで座屈を防止する工夫を凝らしています。 同ビルを想定した構造実験では、極めてまれに発生する地震と、その半分程度の強さの地震(強い余震)がそれぞれ3回程度発生したとしても、ダンパーのエネルギー吸収能力が2%程度しか低下しないことを確認したそうです。
 竹中工務店によれば、新合金制振ダンパーは、建物規模や構造形式にかかわらず採用可能だ。超高層ビル以外でも長時間地震動に対する余裕度を大きくする必要が生じる場合があり、指定建築材料としての適用範囲が広がれば、中低層建築物への採用も可能だそうです。
 コストは、従来の低降伏点鋼ダンパーとオイルダンパーの中間程度。生産の効率化や補剛方法の見直しによって、さらなるコスト低減を検討するそうです。ぜひ、コスト削減を進めてほしいです。

災害や東京五輪見据えた鉄道政策の審議を開始

2014-05-21 09:57:33 | 日記
 国土交通省は、首都直下地震などの災害や2020年の東京五輪の開催を見据えた東京圏での鉄道政策の審議を開始しました。5月7日に交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会の会議を開き、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方」についての答申を、今後15年度まで2年をかけてまとめる方針を示しました。地震などの災害に強い日本の技術を、世界にしめしてほしいです。

春の小川

2014-05-14 19:56:45 | 日記
 東京・渋谷駅周辺の再開発に伴って今春、渋谷駅東口駅前広場の地下を北から南に流れる渋谷川の暗渠が半世紀ぶりに地上に姿を現しました。かつて渋谷川に流れ込んでいた支川は、唱歌「春の小川」のモデルといわれています。再開発によって、現在はほとんど水がなく干上がった渋谷川に清流を復活させ、川沿いに新たな水辺空間を創出させます。
 渋谷川は、JR渋谷駅のすぐ東側を“最上流”とする長さ約2kmの二級河川です。下流で名前が古川に変わり、長さ約4kmの開水路を通って東京湾にそそぎ込みます。渋谷川のうち、バス乗り場などがある東口駅前広場を横断する250mほどの区間は、長らく暗渠となっていました。
 2014年1月、この暗渠の内部を目にすることができると話題になりました。暗渠の蓋として架けられていた桁の一部が撤去されたからです。この工事は、「駅街区開発計画」で実施しているものの一つです。同計画は都市再生特別地区の再開発事業として東急とJR東日本、東京メトロが東京都に提案し、都が13年6月に都市計画決定しました。この再開発事業によって、渋谷駅の東口には高さ約230mの駅ビルとなる東棟が建つ予定です。渋谷川は暗渠区間を現在よりも東側に移設し、駅前広場の地下に雨水の貯留施設を設けるそうです。
 移設する渋谷川の水路は、東棟と地上部、13年3月に地下化した東急東横線の地下駅などとを垂直につなぐ「東口アーバンコア」のそばを通る計画となっています。エスカレーターやエレベーターといった上下の動線を設ける東口アーバンコアの地下1階付近を水路が横断します。水路の構造は鉄筋コンクリート(RC)造のボックスカルバートで、内空断面は幅が約10m、高さが約4m。この水路への切り替えは15年4月ごろを予定しています。切り替え前の渋谷川は、東口駅前広場のほか東急百貨店東横店東館の地下1階部分を流れていました。東京都建設局河川部によると、渋谷川の流路を変更するのは「再開発の工事に支障がないようにするため」です。
 暗渠であり、かつ平常時に水流がない現状に合わせて、移設する約250mの区間は河川から下水道に法的な位置付けを変えます。東京都は09年6月に都市計画変更を決定しました。同区間の渋谷川について、都市計画河川の指定から外しました。
 東京都は、流路を切り替えた後のできるだけ早いタイミングで、管理を都の建設局河川部から下水道局に引き継ぐ予定だそうです。雨水の貯留施設などと組み合わせて、総合的な治水対策を講じます。
 東口駅前広場の地下に設ける雨水の貯留施設は、RC造で平面が約20m×約50m、深さが約25mの大きさです。最深部が地下を通る東急東横線の軌道とほぼ同じ位置となるようにつくる計画です。集中豪雨などで1時間に75mmの雨が降っても、雨水を一時的にためることで、渋谷駅周辺の地下街などが浸水しないようにします。
 元々の渋谷川は、渋谷駅から3kmほど北側にある新宿御苑の湧水などが水源です。渋谷駅のすぐ北側で支川と合流した後、東口駅前広場のある場所を南に向けて流れていました。合流する支川の一つが唱歌「春の小川」のモデルといわれています。かつて小川が流れていた小田急小田原線の代々木八幡駅近くには歌碑が残っています。
 長らく水の流れなかった渋谷川ですが、95年3月に水流が復活しました。渋谷駅東口駅前広場から500mほど南にある並木橋付近に下水の高度処理水を放流し始めたからです。渋谷川の同橋から下流側に水が流れるようになりました。
 これは東京都の清流復活事業によるもので、水を失った河川や用水路に水流を復活させます。
 高度処理水は、東京都新宿区にある「落合水再生センター」から供給しています。並木橋付近の護岸に設けた放流口から、1日当たり約2万m3を放流しています。ただし、並木橋より上流側に恩恵はなく、豪雨時以外はほとんど干上がった状態が現在も続いています。
 渋谷駅周辺の再開発の一つとして現在、JR渋谷駅よりも南側の渋谷川沿いのエリアで「渋谷駅南街区プロジェクト」が計画されています。同プロジェクトは、都市再生特別地区の再開発事業として東急が提案しました。東京都が13年6月に都市計画決定しました。 同プロジェクトでは、今でもほとんど水流のない渋谷川の並木橋から上流側に水辺空間を創出します。そのために今後、下水の高度処理水を放流するための管路を、並木橋から500mほど上流側に移設。護岸の壁伝いに高度処理水を流す「壁泉」と呼ばれる水景施設を整備する計画です。
 さらに、渋谷川をまたぐように2カ所の広場を整備して、イベントなどにも活用します。渋谷川沿いの600mの区間には遊歩道を設けて高木を植えたり、ツタで護岸を緑化したりするそうです。
 清流復活事業に供給する下水の高度処理水は、沈殿処理や微生物を利用した反応処理といった通常の下水処理に加え、紫外線を使って殺菌処理したものとなります。「春の小川」の歌詞に出てくるメダカやコブナが泳ぐには、水質の問題はなさそうです。 しかし、計画している放流量は1日当たり約2万m3で今と変わらず、メダカやコブナの復活には水量が足りそうもありません。 渋谷区も清流の復活とはいえ、メダカやコブナが泳ぐ小川の実現までは想定していません。個人的には、魚が泳ぐ川を目指してほしいですが。
 まずは、水が流れる渋谷川沿いに、歩行者が快適に通行できる遊歩道を設けます。豪雨時の安全などを確保するため、歩行者が直接、渋谷川の水に触れることのできる親水空間の整備も難しいそうです。都市再生特別地区では、地域のまちづくりの考え方と整合することなどを条件に、地域再生への貢献度に応じて容積率などが緩和されます。渋谷駅南街区プロジェクトでは広場などの整備によって、容積率が現在の平均716%から1350%に緩和されます。
 渋谷駅南街区プロジェクトにおいて、東急は計7棟のビルを建設するそうです。13年3月の地下化によって不要となった東急東横線の高架橋を生かして、国道246号の上空に渋谷駅と南街区とをつなぐ歩行者専用の横断デッキを整備するそうです。 渋谷川の右岸には、旧東横線の高架橋の跡地があります。14年4月末時点で高架橋の撤去をほぼ終えた状態です。渋谷駅南街区プロジェクトは、都市計画決定した13年6月時点で18年3月末までが工期です。一方、駅街区開発計画に位置付けられ、東口アーバンコアなどを設ける東棟は20年の開業を予定しています。