2003年4月3日の陸奥新報WWW-NEWに掲載された記事。
弘前さくらまつりは二十三日に開幕するが、主催団体の一つ弘前市は県内外の観光客にPRするポスターに、生誕百年の棟方志功の作品を採用した。志功作品が使われるのは一九七〇年以来のことで、志功らしいダイナミックなタッチで描かれたポスターは美術ファンからも注目されそうだ。
志功作のさくらまつりポスターは五六―五九年と七〇年の過去五回あるが、それ以降は写真が主だった。このため市では「そろそろ目先を変えてみたい」とし、ちょうど生誕百年の志功の作品を“復活”させることを企画。まつりを共催する弘前観光協会、弘前商工会議所に提案して採用が決まった。
今回の作品はポスター用として市が依頼し、五六年に描かれたものの一つで、市所蔵の六点の中から「櫻の弘前城」の文字が入り、これまでポスター化していないものを使用した。
原画は志功が「倭(やまと)画」と呼ぶ日本画で、桜と岩木山、弘前城、そしてタカが描かれており、「弘前らしさをまとめた中に、志功独特の強さが出ている作品」(山田勅・市立博物館長補佐)となっている。
制作に当たって市は作品を最大限に生かすため、作品内には文字を入れず、右と下に設けた余白に開催期日などを挿入した。
このため作品部分は原画(縦百一・〇センチ、横七十二・一センチ)より一回り小さい縦八十七・五センチ、横六十三・〇センチとなっているが、原画の迫力は失われていない。
Hirosaki Cherry Blossoms festival Aomori
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