「自虐モード」の終焉
今日(十七日)の朝鮮日報が、〈「韓国は信頼できない」72%、日本人の反韓感情が最悪に「軍事的な脅威」、中国・北朝鮮に続き3位〉という記事を載せています。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/17/2013121701134.html?ent_rank_news
読売新聞は16日、米国の世論調査会社ギャラップと共同で、米日両国民を対象に行った世論調査の結果「韓国を信頼できない」と回答した日本人の比率が72%に達し、「信頼できる」という回答(16%)を圧倒した、と報じた。一方、同じ調査で、米国人は韓国を「信頼できる」という回答(57%)が「信頼できない」という回答(41%)を上回った。また「中国を信頼できない」と回答した日本人は88%に達し、米国人も66%が「中国を信頼できない」と回答した。中国を「信頼できる」という回答は、米国(32%)が日本(5%)より多かった。日本人が挙げた「軍事的な脅威になる国」は、中国(78%)、北朝鮮(74%)、韓国(45%)、ロシア(40%)の順となった。韓国がロシアよりも軍事的脅威になるという調査結果は、2000年の調査開始以来初めて。
朝鮮日報といえば、発行部数が約230万部の韓国最大の新聞であり、韓国の新聞の中でも強硬右翼新聞に属するとされています。それで、韓国の国是は反日ですから、同紙は、反日の急先鋒という位置づけになるでしょう。
では、先に引用した記事もまた、韓国を「誤解」する日本を非難する論調なのかといえば、どうやらそうではありません。事実を淡々と伝えているだけなのです。最近の、パククネ政権の行き過ぎた反日媚中路線を批判する、同紙をはじめとする韓国保守系メディアの論調から察するに、むしろ、この事実を同政権に突きつけて、「大統領よ、この事実に対して如何に対処するのか」と暗に詰め寄っている感じがします。
その背景には、今後の日韓関係に対する韓国エリートとしての一定の危機意識があるのではないかと、私は推察します。それは、こういうことです。
昨年八月に李明博前大統領が竹島に上陸してからの、韓国側の執拗なほどの反日的な言動に対して、日本政府や日本の一般国民は、怒りを感じるというよりも、実は呆れ返ってモノが言えないというレベルに達しているのではないでしょうか。それが、ごく普通の大多数の日本人の反応でしょう(まあ、いろいろな人がいますからね)。そこには、戦後、朝鮮半島のふたつの国家に対して、不快感の表明を自らに対して禁圧し、不自然なほどの寛容さを強いられてきた日本人の集合的な意識が、しかるべき自然体の構えに戻ろうとするがゆえの逆流現象が伴っています。ごく一部の日本人による、いわゆるヘイト・スピーチは、そのことの過剰な現れとしてとらえるべきではないかと、私は考えています(だから許せ、と言いたがっているのではありませんよ)。
そうして、その「呆れ返ってモノが言えない」という態度が、韓国側からすれば、いまどきの日本人の薄気味の悪いクールさとして映っているのではないかと思われるのですね。平たくいえば、「日本人の反応が、なんだかこれまでと違うゾ。なんだか、ヤバイぞ」という感知が、韓国の知識層の間に生じているのではないか。
いちばん大きくいえば、ここ数年の中共の強硬で強引で執拗な侵略行為と韓国の「お笑いレベル」としか評しようのないほどに馬鹿げた反日的言動と北朝鮮・金正恩王朝の幼稚な恐怖政治の「おかげで」、「憂国」の知識人たちから「平和ボケ」と蔑まれつづけてきたごくふつうの日本人の間で、自虐史観の「薬効」がほとんどなくなってきてしまったのです。同じことですが、自虐史観というシビレ薬による日本人の思考回路の麻痺現象が、ほとんどなくなってしまった。
外交的な観点からすれば、東アジア諸国が、これまでのように「日本人のやましさにつけこむ」という強力なカードを失いつつある、ということです。中国が、かつての侵略戦争の事実を突き付けて迫ってきたとしても、「そりゃあ、そうかもしれないが、だからって、他人の国の領土を付け狙うのが許されるわけではないだろう」と反論されてしまうし、韓国に従軍慰安婦や「日帝三五年」をめぐって「反省」を求められたとしても、「そりゃあ、そうかもしれないが、だからって、子や孫の代にまで反日感情を吹き込んで、敵意を剥き出しにして、侮辱の限りを尽くすことが許されるわけではないだろう。だいいち、慰安婦をめぐる軍による強制連行の事実はなかったし、日帝三五年で朝鮮半島は近代化の礎を築いたではないか」と反論されてしまうのです。そういう反論を可能とする知識が、日本の一般国民の間に次第に定着してきた、ということです。
韓国保守系メディアと同じような戸惑いは、日本国内の、朝日・毎日・NHKなどの反日系売国メディアも実は感じているものと思われます。「おかしいなぁ。自虐モードがこれまでのようにあまり効かないぞ」というふうに。とくに、一般国民がNHKを見る目は、相当に厳しいものになっています。無理やり受信料をとられて、彼らの平均年収一八〇〇万円を下支えさせられているのが癪に障るというのが大きいとは思いますけどね。金の恨みと食い物の恨みは怖しいですよ。
そのことと、アニメ映画『風立ちぬ』や小説『永遠の0』が、世代の違いを超えて幅広い支持を受けていることとは、端的にいえば、パラレルの現象なのではないかと、私は感じています。教え子が明るい表情で「センセー、今度『永遠の0』を観に行くんだ」とこちらに語る時代になったのですね。「いろいろ言われてきたけれど、本当は、私たちってどういう歴史を歩んできたんだろう」という素直な思いが、地下水脈でとどまりきれずに地上に湧き出し始めた、ということなのでしょう。
知人から教えてもらった、次のような動画も時代の空気の変わり目を告げ知らせるものなのかもしれません。高校生がこういうものを作るとは、ちょっと前までは考えられなかったのではありませんか。高校生として、きちんと調べ、よく出来た作品に仕上がっているのではないでしょうか。自虐史観の戯画のような日教組のセンセイ方がこれをご覧になったら、総毛立って、生徒たちの間のこういう動きの芽生えを摘み取るのにやっきになるに違いありませんね。彼らは、自分たちの側からの言論弾圧の所在には、不思議なほどに気づきませんから。
日本の高校生が作った竹島問題検証動画が凄すぎる.avi
FBでたまたま見かけた次の動画にも、時代の空気の変化が刻み込まれているように感じます。いまの日本の感覚的にシャープな若者の、韓国に対する変なこだわりのないまともな眼差しが感じられるのです。そこにあるのは、ごくまっとうなクールでポップな視線です。これって、もってまわった理屈よりずっとストレートに、海外の若者たちに伝わるんじゃないかと思います。これらの若者の動きを「嫌韓」として乱暴にひとくくりにするのは、敗戦利得左翼による一種の印象操作にほかならないのではないでしょうか。
[Comfort Women Song] 韓国人慰安婦の歌
中韓に対する自虐感情が薄れつつある反面、アメリカに対する属国意識は、TPP参加への積極姿勢に見られるように、政府・既存マスコミ主導の形でむしろ強まりつつあるように思われます。その意味で、「戦後レジームからの脱却」は、いよいよ難所にさしかかってきたのではないでしょうか。本来は、その難しい流れを生産的なものや実り多きものに誘導する役割を担っているはずの、いわゆる知識人と呼ばれる人びとの多くが、そういう動向に対して鋭く反応しえない、旧時代的な戦後レジーム・センサーしか持ち得ていないような気が、私はします。それは、政治思想の左右を問いません。その意味で、韓国の知識層と日本の知識層とはよく似ています。脳に黴が生えてしまっているんですよね。
今日(十七日)の朝鮮日報が、〈「韓国は信頼できない」72%、日本人の反韓感情が最悪に「軍事的な脅威」、中国・北朝鮮に続き3位〉という記事を載せています。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/17/2013121701134.html?ent_rank_news
読売新聞は16日、米国の世論調査会社ギャラップと共同で、米日両国民を対象に行った世論調査の結果「韓国を信頼できない」と回答した日本人の比率が72%に達し、「信頼できる」という回答(16%)を圧倒した、と報じた。一方、同じ調査で、米国人は韓国を「信頼できる」という回答(57%)が「信頼できない」という回答(41%)を上回った。また「中国を信頼できない」と回答した日本人は88%に達し、米国人も66%が「中国を信頼できない」と回答した。中国を「信頼できる」という回答は、米国(32%)が日本(5%)より多かった。日本人が挙げた「軍事的な脅威になる国」は、中国(78%)、北朝鮮(74%)、韓国(45%)、ロシア(40%)の順となった。韓国がロシアよりも軍事的脅威になるという調査結果は、2000年の調査開始以来初めて。
朝鮮日報といえば、発行部数が約230万部の韓国最大の新聞であり、韓国の新聞の中でも強硬右翼新聞に属するとされています。それで、韓国の国是は反日ですから、同紙は、反日の急先鋒という位置づけになるでしょう。
では、先に引用した記事もまた、韓国を「誤解」する日本を非難する論調なのかといえば、どうやらそうではありません。事実を淡々と伝えているだけなのです。最近の、パククネ政権の行き過ぎた反日媚中路線を批判する、同紙をはじめとする韓国保守系メディアの論調から察するに、むしろ、この事実を同政権に突きつけて、「大統領よ、この事実に対して如何に対処するのか」と暗に詰め寄っている感じがします。
その背景には、今後の日韓関係に対する韓国エリートとしての一定の危機意識があるのではないかと、私は推察します。それは、こういうことです。
昨年八月に李明博前大統領が竹島に上陸してからの、韓国側の執拗なほどの反日的な言動に対して、日本政府や日本の一般国民は、怒りを感じるというよりも、実は呆れ返ってモノが言えないというレベルに達しているのではないでしょうか。それが、ごく普通の大多数の日本人の反応でしょう(まあ、いろいろな人がいますからね)。そこには、戦後、朝鮮半島のふたつの国家に対して、不快感の表明を自らに対して禁圧し、不自然なほどの寛容さを強いられてきた日本人の集合的な意識が、しかるべき自然体の構えに戻ろうとするがゆえの逆流現象が伴っています。ごく一部の日本人による、いわゆるヘイト・スピーチは、そのことの過剰な現れとしてとらえるべきではないかと、私は考えています(だから許せ、と言いたがっているのではありませんよ)。
そうして、その「呆れ返ってモノが言えない」という態度が、韓国側からすれば、いまどきの日本人の薄気味の悪いクールさとして映っているのではないかと思われるのですね。平たくいえば、「日本人の反応が、なんだかこれまでと違うゾ。なんだか、ヤバイぞ」という感知が、韓国の知識層の間に生じているのではないか。
いちばん大きくいえば、ここ数年の中共の強硬で強引で執拗な侵略行為と韓国の「お笑いレベル」としか評しようのないほどに馬鹿げた反日的言動と北朝鮮・金正恩王朝の幼稚な恐怖政治の「おかげで」、「憂国」の知識人たちから「平和ボケ」と蔑まれつづけてきたごくふつうの日本人の間で、自虐史観の「薬効」がほとんどなくなってきてしまったのです。同じことですが、自虐史観というシビレ薬による日本人の思考回路の麻痺現象が、ほとんどなくなってしまった。
外交的な観点からすれば、東アジア諸国が、これまでのように「日本人のやましさにつけこむ」という強力なカードを失いつつある、ということです。中国が、かつての侵略戦争の事実を突き付けて迫ってきたとしても、「そりゃあ、そうかもしれないが、だからって、他人の国の領土を付け狙うのが許されるわけではないだろう」と反論されてしまうし、韓国に従軍慰安婦や「日帝三五年」をめぐって「反省」を求められたとしても、「そりゃあ、そうかもしれないが、だからって、子や孫の代にまで反日感情を吹き込んで、敵意を剥き出しにして、侮辱の限りを尽くすことが許されるわけではないだろう。だいいち、慰安婦をめぐる軍による強制連行の事実はなかったし、日帝三五年で朝鮮半島は近代化の礎を築いたではないか」と反論されてしまうのです。そういう反論を可能とする知識が、日本の一般国民の間に次第に定着してきた、ということです。
韓国保守系メディアと同じような戸惑いは、日本国内の、朝日・毎日・NHKなどの反日系売国メディアも実は感じているものと思われます。「おかしいなぁ。自虐モードがこれまでのようにあまり効かないぞ」というふうに。とくに、一般国民がNHKを見る目は、相当に厳しいものになっています。無理やり受信料をとられて、彼らの平均年収一八〇〇万円を下支えさせられているのが癪に障るというのが大きいとは思いますけどね。金の恨みと食い物の恨みは怖しいですよ。
そのことと、アニメ映画『風立ちぬ』や小説『永遠の0』が、世代の違いを超えて幅広い支持を受けていることとは、端的にいえば、パラレルの現象なのではないかと、私は感じています。教え子が明るい表情で「センセー、今度『永遠の0』を観に行くんだ」とこちらに語る時代になったのですね。「いろいろ言われてきたけれど、本当は、私たちってどういう歴史を歩んできたんだろう」という素直な思いが、地下水脈でとどまりきれずに地上に湧き出し始めた、ということなのでしょう。
知人から教えてもらった、次のような動画も時代の空気の変わり目を告げ知らせるものなのかもしれません。高校生がこういうものを作るとは、ちょっと前までは考えられなかったのではありませんか。高校生として、きちんと調べ、よく出来た作品に仕上がっているのではないでしょうか。自虐史観の戯画のような日教組のセンセイ方がこれをご覧になったら、総毛立って、生徒たちの間のこういう動きの芽生えを摘み取るのにやっきになるに違いありませんね。彼らは、自分たちの側からの言論弾圧の所在には、不思議なほどに気づきませんから。
日本の高校生が作った竹島問題検証動画が凄すぎる.avi
FBでたまたま見かけた次の動画にも、時代の空気の変化が刻み込まれているように感じます。いまの日本の感覚的にシャープな若者の、韓国に対する変なこだわりのないまともな眼差しが感じられるのです。そこにあるのは、ごくまっとうなクールでポップな視線です。これって、もってまわった理屈よりずっとストレートに、海外の若者たちに伝わるんじゃないかと思います。これらの若者の動きを「嫌韓」として乱暴にひとくくりにするのは、敗戦利得左翼による一種の印象操作にほかならないのではないでしょうか。
[Comfort Women Song] 韓国人慰安婦の歌
中韓に対する自虐感情が薄れつつある反面、アメリカに対する属国意識は、TPP参加への積極姿勢に見られるように、政府・既存マスコミ主導の形でむしろ強まりつつあるように思われます。その意味で、「戦後レジームからの脱却」は、いよいよ難所にさしかかってきたのではないでしょうか。本来は、その難しい流れを生産的なものや実り多きものに誘導する役割を担っているはずの、いわゆる知識人と呼ばれる人びとの多くが、そういう動向に対して鋭く反応しえない、旧時代的な戦後レジーム・センサーしか持ち得ていないような気が、私はします。それは、政治思想の左右を問いません。その意味で、韓国の知識層と日本の知識層とはよく似ています。脳に黴が生えてしまっているんですよね。