グッジョブである。IPAが情報セキュリティ担当者向けに、導入の費用対効果をざっくり数値化してくれるExcelシート「NANBOK」を公開した。対策は立てたいが予算に説得力を持たせるデータの裏付けに苦慮している、との声に応えたものの様である。ネーミングセンスはともかく、技術畑の社員が経営者の視点で脅威や脆弱性の可視化(≒損害額の見積)をするのは難しいだろう。そこにお上のお墨付きのデータが有れば、助かるに違いない。実際の個別の弱点をすべて洗い出す事は出来ないだろうが、少なくとも提案のベースにはなるだろう。「そこは各員が気を引き締めて対処すれば済む話だろう」と言い放つような企業であれば、我が身に累が及ぶ前に転職を検討する良いきっかけにもなる。インフラ周りの技術者は報われない事も多い。この様なIPAの側面支援は歓迎すべきものであるが、ヨノナカの経営者はそんなにセキュリティに興味が薄いのかと思うと、少々気持ちも沈むのである。