2/13-14 あれはいつだった? 第27話
直子は実家に戻っていた。
直子は母の料理と、居心地のいい自分で部屋で旭の顔のショックから
癒えようとしていた。
ある日、ベッドの上でボーっとしていると
ドアにノックが聞こえた。
そして上の兄、信兄さんが入ってきた。
信兄さんはついていたラジオを止めて
仕事を探しているの?って切り出した。
仕事? 探してない。 今働きたくないの
と直子は言った。
そうなの?
と言いながら、信兄さんはベッドの隅に座った。
歴史好きな父が長男を信長、次男を秀吉と名付け
次男は秀兄さんだった。
信兄さんは直子が戻ってきたことを母から聞いてはいたけど
母に言われて直子と話すために会いにきたのだ。
直ちゃんは英語ができるのだからうちの会社に話してみようか?
信兄さんはやさしい人で、小さな長所でも拡大してくれる。
今働きたくない
と再度言った。
ひょっとして失恋でも?
直子は恋人もいないのに失恋なんてありえない
って口を尖らせた。
信兄さんはちょっと笑った。
なーんだ、恋人もいないのか?
直子は一に食い気、二に食い気だからな!!
と言うと大笑いしながら出て行った。
やな奴と直子は大きな声で言った。
信兄さんの頭では直子は中学生のままなのだ。
信兄さんは直子をからかうのが大好きだった。
旭はパリの久子から絵ハガキをもらった。
それはドガの絵だった。
ひさちゃん、ドガ好きだった?
旭は表を見てそう思った。
久子はパりの16区に住んでいた。
夫のオフィスから遠くなく、まさにパリの日本人街だった。
でも久子はその日本人街の日本人マダムが苦手だった。
久子のハガキにはパリの描写はなく
久子の苦手な生活が電文みたいに書いてあった。
ひさちゃん大変なんだ。
休暇をとってパリにでも行こうかな?
チラっとそう思ったけど、旭がたまった有休で2週間といかなくても
1週間でもまとめて取るのはたいへんだった。
これから願いを出して許可までに3日? もっと?
旭は入社後有給休暇を取ったことがなかった。
たいていは連休なんかに1日か2日つけて消化していた。
旭は手帳とカレンダーを見比べたけど
いつなら取れそうという日がみつからなかった。
金曜と月曜は会社にいるのが必須だった。
GWは今年はもう無理、旭が取る余地はない。
夏休みもみんな取るからな?
秋か、ヒサちゃんの都合はどうだろう?
同じ課の小川が横を通った。
小川さん、有給休暇どうしている?
取るわよ、今年は10日取ってニュージーランドに行くの
ヘー、それは豪華だね。
許可でた?
許可? 許可なんかいらないわ。 届けだけよ。
そうなんだ・・・・
旭は直の上司の小川部長に聞いてみようと思った。
女子社員の小川と小川部長は親子でも親戚でもなかった。
小川部長は今週はなんか事情で休暇をとっていた。
旭は小川部長が先週の金曜日から休暇を取っているのは知っていたが
それが家族旅行のためだなんて知らないのは旭くらいだった。
旭のスマホが鳴った。
久子だった。
今、成田にいるの。これからうちに帰るけど
今夜会えない?
旭はいきつけのスナックバーで久子と会った。
久子が先にいた。
子供は母に預けてきたと言った。
2/14 隣のメモがドアに
部屋の番号が書いてない。
片方は留守。
もう片方は音はするけど出てこない。
トレラがいるなら出るわけない。
その後、もうアッタクされ、電話の妨害。
トレラがいるみたい。
高級自動車が外からコチョっとやられて盗れたのを
ニュースっでえ見たでしょ。
あれをやっているのがトレラの武器。
電話が何度も切断された。
電磁波で電話線を抜かれる・ゆるませることが隣の部屋からできる。
これを読んだかたは通報してください。
電話切られてつながらない。
2/24 天井裏をドタバタ 引きずる音がする
転がしている。隣の部屋は天袋の付き方が逆みたい。
ネズミは天袋からは入れない。
今朝、犬・ロダンが吠えた。