雨の夜と下弦の月

毎日を静かに、穏やかに生きていきたいと思う日々。
そのわりにはジタバタと暮らすワタクシの毎日を綴っております。

ステイホームも太ります。

2020-04-28 20:51:10 | books&magazine


ステイホーム週間が本格的に始まりましたが、ワタクシはカイシャに出勤する日だったので、いつもどおりの電車に乗りました。
6:45くらいの西武線に乗るのですが、まだ、十分なソーシャルディスタンスが取れる距離を空けて乗ることはできません。
大江戸線は座ることができるようになったので、隣の方との距離は気にしつつも、座って通勤することが増えてきました。
出勤時は必ずPCを抱えているので、それでなくてもよろしくない五十肩と捻挫した手首に、できるだけ負荷をかけたくない。

いつものこの時期は民族大移動が始まるので、東京が静かになり、のんびりとカフェで本を読んだりして過ごしております。
今年は、近場のカフェが軒並み臨時休業中なので、外出するのは散歩を兼ねた買い物だけになり、運動不足に拍車がかかりそうです。
狭い家の中では動線が限られているので、とにかくウォーキングをして少しでもカロリーを消費しないと連休明けが悲惨になる。
それに加えて2日に1回のテレワークなので、家で少しぐらいストレッチをやってみても、8時間もPCに張り付いて動かないわけで。

ステイホーム週間中はカロリー消費量がぐんと減るはずなので、食べる量を減らさないといけないのだけど、家にいると、ねぇ。
余計なものは買わないようにと思いつつも、帰宅時は空腹を抱えてスーパーやコンビニに立ち寄るので、余計なお菓子を買っている。
外に出ないようにと思うと、家の中で撮り溜めているTVを見たり、映画を見たりして、その時にお菓子を食べてしまう確率が高い。
ワタクシの場合は、本を読んでいる時は両手がふさがっていて、ものを食べる習慣はあまりないから、何か本を読もうかと目論見中。
最近は駅前の本屋さんに立ち寄る根性がなかったので、明日あたりは本屋さんを物色して、面白そうな本をまとめ買いしようかと。
こういう時は本を読む絶好の機会なのは間違いないのだけど、おのれがあまり本を読む気分ではないのを何とかしたいものです。

青春は恋と革命…らしい。

2019-09-14 14:50:33 | books&magazine


ワタクシにしては珍しく、中10日空けてのカイロプラクティックに行ってきました。
週に1回は行ってメンテナンスしておかないと、特に左腕の状態が悲惨なことになり、腕の可動域が極端に狭くなります。
今回は、先週の土曜日は旅行で不在になるため、先週の水曜日に予約を入れておいて、何とか10日間過ごしました。
遊び惚けている間は左腕のことなどすっかり忘れていたわけですが、今週、仕事に行き始めた途端に不調がぶり返しました。
人間の現金さを身をもって表現しているのだけど、1週間以上の間隔を空けるのは、やっぱりよろしくなさそうです。

帰りがけに最寄り駅近くのTully'sに寄って、パスタを食べながら瀬戸内寂聴の「諧謔は偽りなり」の上巻を読んでいました。
本当は、北陸新幹線の中で読み終える予定だったのだけど、往路・復路とも爆睡してしまい、本を読むどころではなく。
大宮―富山間が2時間かからないので、爆睡している間に移動が完了してしまい、読書の時間までは手が回りませんでした。
いろんな意味で北陸新幹線は便利なことは間違いなくて、結局、2冊持参した本のページは一度も開かないままでした。
「諧謔は偽りなり」の上巻の残りはあと3,40ページぐらいなのに今日も読了できず、この3連休中に読了するかも甚だ怪しい。

大杉栄と伊藤野枝という、関東大震災直後に甘粕大尉によって虐殺される夫婦の伝記的小説で、本としてはとても面白い。
御年94歳の瀬戸内先生が、岩波現代文庫に入るに当たって序文を書かれているようなのだけど、その序文が若々しいです。
「若い人に、今これを読んでほしい」「青春は恋と革命だと改めて思った」など、とても94歳とは思えない書きぶりです。
今も、毎日ステーキを召し上がっているのかどうかは不明ですが、精神的にもお若いんだろうなと拝察する次第。
大杉栄も伊藤野枝も若くして殺されてしまうのだけど、自分がやりたいことをやっている感じがすごく伝わってきます。
毎日ボーッと生きいているワタクシのような人間にはとても真似できないけれど、確かに、青春は恋と革命なのかもしれません。

本文とは関係ない写真は、道の駅のカフェから撮った、JR氷見線の電車と富山湾と、ちょっとだけ北アルプスが写っています。
空と海と山の青に赤い電車のコントラストがとてもきれいでしたよ。

何とも便利な世の中。

2019-08-12 16:55:41 | books&magazine
今日はお昼前にザーッとひと雨降りましたが、あっという間に止んでしまい、買い物に出た時はまた暑くなっていました。
若干の打ち水効果はあったらしくて、さすがのワタクシが住んでいる区も、今日は猛暑日からは解放されたようです。
民族が大移動された後の東京の住宅地は、いつもと比べると人影も少なくなっており、アパートの周囲も静かです。
赤ん坊や小さいお子さんのいらっしゃるファミリーが多いワタクシのアパート周辺ですが、今日は子供の声も聞こえない。
お盆休みとしては、カレンダー的にわりといい感じのようで、9連休という方も多いのかもしれません。

ワタクシの場合は、3連休の初日にカイロプラクティックから有楽町の美容院をハシゴしてきました。
髪の毛が伸びて、耳についているのかものすごく気になっていたので、3連休の間に髪を切ろうと思った次第です。
本当は今日行こうかと目論んでいたのだけど、美容院が今日はお休みだったので、土曜日に遠征してきました。
有楽町はもっと人が多いのかと覚悟して行ったのですが、意外と人が少なくて、お気に入りのカフェでまったりできました。
逆に、美容院はわりとお客さんが多かったのは意外でしたけど、とにかく短く切ってスッキリして帰ってきました。

今は、伊藤野枝を主人公にした瀬戸内寂聴センセイの「美は乱調にあり」を読んでいて、もう少しで読了します。
普通の本屋さんではなかなか見つけられないので、Amazonさまに注文して、先週から読み始めてスラスラと読めております。
NHK-BSプレミアムで不定期に「悪女列伝」という番組を放送していて、たまたま伊藤野枝の回をチラ見して興味を持ちました。
日本史で名前だけは習った記憶はあったのだけど、アナーキスト大杉栄と一緒に虐殺された人という程度の知識しかない。
わりとまっさらの状態で読み始めたので、戦前にこういう女性がいたのかと、結構驚きながら読み進めているところです。
連作の「諧調は偽りなり」も読みたいので、近いうちにAmazonさまに注文しておこうと思い、何とも便利な世の中に感謝中です。

定年後のお楽しみ。

2019-06-11 06:26:59 | books&magazine
おはようございます。

昨日の東京近郊の最高気温は17℃だったとかで、雨も本降りだったので寒い1日になりました。
帰り道の西武線の乗換駅は、冬だと電車を待つ間は寒風吹きすさぶという感じだけど、昨日も寒くて死にそうでした。
気温はそこまで下がってはいなかったと思いますが、雨がホームに降り込むので、傘をさしたくなりました。
今日は昨日よりは気温が上がるらしいけど、それでも最高気温は20℃だとか、梅雨寒は今日までのようです。

作家の田辺聖子さんが91歳で亡くなったという報道を聞き、大往生だったのかなと思ってしまいました。
昔は「カモカのおっちゃん」のエッセイシリーズなどをよく読んだ記憶があり、女性の中では好きな作家のひとりでした。
そういえば最近お名前を聞かないなぁと思っていたので、91歳という年齢を聞いて、静かな晩年だったのかと想像しています。
小説よりもエッセイを読んでいた記憶がありますが、古典の現代語訳もかなりこなしておられたようですね。
楽しいエッセイをありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。

ワタクシは、高校生の頃から古典が苦手で、日本語なのに訳さないと分からないというのが英語みたいだと思っていました。
コツコツと単語を覚えるというのが嫌いな高校生だったので、古典も英語も受験の時に死ぬほど苦労しました。
そのころにもう少し努力していれば、違う大学に進学して今頃は違った生活をしていたかもしれませんが、後悔先に立たず。
大人になってから、橋本治などの古典の現代語訳を読んで、やっと古典の面白さがわかるようになりました。
橋本治の「窯変源氏物語」は、結構必死に読みましたが、あれは正確に言うと源氏物語の翻訳とは少し違うらしい。
瀬戸内寂聴先生が訳された源氏も読みたいと思っていますが、今はその気力がなくて、定年後のお楽しみにする予定です。

相性の良し悪しはあります。

2019-06-01 14:19:37 | books&magazine
カイロプラクティックの予約を入れていたので9:00前に自宅を出ましたが、その時点では曇り空で涼しく感じました。
施術が終わったのが10:30ぐらいだったのですが、外に出たら陽ざしが結構強くて、5分袖のTシャツ1枚で十分でした。
今の時期、世間の皆様の服装も千差万別で、半袖のTシャツ1枚の方もいれば、パーカーを着ている人もいるという感じです。
体感温度が人によって違うのは当たり前だけど、Tully'sで読書に疲れて顔を上げ、街行く人々を眺めるのも楽しい季節です。
相変わらず長時間俯いた姿勢を続けるのはつらいので、30分に1回ぐらいは顔を上げて人間観察に勤しみます。

村上春樹の「騎士団長殺し」をぼちぼち読んでいるのですが、時間が細切れになってしまうので、なかなか読了に至りません。
年度が替わり、少し落ち着きだした4月の中旬ぐらいから読み始めて、まだ、文庫本4巻中3冊目の途中でうろうろしております。
若い頃だったら、4巻あっても3,4日で読了していたと思うので、こういうところからもおのれの衰えを感じる今日この頃。
今回は前評判や書評レビューを一切見ないで読み始めたのですが、やっぱり村上春樹は面白いと思いながら読んでいます。
昔から文体のリズムが自分にしっくり馴染むなぁと思っているので、内容が難しくても、結構スラスラ読めてしまいます。

文体のリズムが合うかどうかというのは、実は結構重要で、内容が面白くても何となく読後感がすっきりしない作家もいます。
大江健三郎のように3回くらいチャレンジしたものの、文章がほとんど頭に入ってこなくて、3回とも途中で諦めた本もあります。
ワタクシは、たいていの本は何とか最後まで読み通すのだけど、大江健三郎と宮尾登美子はどうしても無理で諦めてしまいました。
おそらく作家と読者の相性というのは存在していて、ワタクシは、村上春樹とか橋本治とは相性がいいのだろうと思います。
橋本治も、文章自体は一度読んだだけでは何を言っているのか理解できないけれど、途中で投げ出したことはありません。
どういう基準なのかは自分でもわからないけれど、相性のいい作家の本をリアルタイムで読めるのは、幸せなことだと思うのです。

池袋ウエストゲートパーク。

2018-09-22 16:08:43 | books&magazine
午前中は雨が降ったり止んだりの繰り返しで傘が手放せませんでしたが、今は、雨が止んで久しぶりの青空になりました。
今週はずっと雨だった印象があるので、気温もそれほど高くないし、秋晴れと言ってもいいかもしれません。
3連休の初日ではありますが、いつも通りカイロプラクティックに行って、Tully'sでランチして帰ってきました。
帰りに本屋さんに寄ったら「池袋ウエストゲートパーク13」が出ていたので、思わず衝動買いしてしまいました。

石田衣良の「池袋ウエストゲートパーク」シリーズは、シリーズ10くらいまでは、文庫が出るたびに真面目に読んでいました。
最近読んでいなかったのだけど、物語の主人公のマコトやタカシは、サザエさんみたいにいつまでも年を取らない。
TVドラマになったのは20年近く前ですが、ワタクシの脳内ではマコトは長瀬智也、タカシは窪塚洋介で固定されています。
宮藤官九郎の脚本も面白くて、まだ若い妻夫木聡や坂口憲二などが出ており、当時は結構楽しみにしていました。
役者さんはそれぞれ年を取っているので、TVドラマの再現は難しいですが、小説のイメージは当時のままにできます。

クドカン脚本のドラマは「木更津キャッツアイ」などが続きますが、ワタクシはIWGPで宮藤官九郎を知った気がします。
来年の大河ドラマも手掛ける大物脚本家(?)ですが、ドラマの中の小ネタなどは、当時とあまり変わらない。
大人の方々は「あまちゃん」で宮藤官九郎を知った人も多いと思いますが、あのドラマでも小ネタは随所に見れました。
もともとは「大人計画」という劇団の座付き作家で、彼のドラマには阿部サダヲなどの舞台人がよく出演しますよね。
20年近くも年を取らないマコトやタカシですが、小説で扱う素材は、その時々の時代を色濃く反映しております。
とにかく読みやすいので、30分くらいで1つの物語を読了し、明日中には1冊読み終われると思います。

初めての雫井脩介作品。

2018-09-15 16:17:49 | books&magazine
この数日で何だか急に涼しくなり、しかも、秋の長雨で傘が手放せなくなってきました。
お昼過ぎからTully'sでボーっと外を眺めたり本を読んだりしていましたが、冷たい飲み物の気分ではない。
ホットのハニーミルクラテを飲みながら、雫井脩介の「検察側の罪人」上巻を読んでおりました。
北陸新幹線の中で読もうと上下巻を購入したのですが、新幹線で爆睡し、結局ほとんど読めずに帰ってきました。
カズオ・イシグロも読みかけの本はあるのだけど、どうにも飽きてきたので、久々にミステリーを読んでおります。

木村拓哉と二宮和也で映画化されている「検察側の罪人」ですが、主人公がどうしてもキムタクのイメージではない。
ワタクシが映画化された作品の原作を読む場合、映像としては演じている俳優さんのイメージに引きずられることが多いのです。
ところが、今回は二宮和也が演じる沖野はイメージとして入ってくるのに、キムタク=最上とはならない。
ドラマの検事役のイメージがありすぎるし、「キムタクは何をやってもキムタク」と言われるのも腑に落ちました。
まだ上巻も途中までしか読んでいないし、映画も見ていないけれど、もっと渋い役者さんのほうが頭に入る気がします。

役者としてうまいとか下手とかの話ではなくて、今までがヒーローばかりだったせいで、影のある役にハマらないというか。
そういう意味では少し気の毒な気もするけれど、ワタクシ的にはイマイチ疑問が残ってしまいます。
原作を読み始めた印象でいうと、最上は少なくともかっこいいヒーローではない気がします。
映画を見に行く気はないくせにいろいろ言うなとお叱りを受けそうだけど、ニノはわりとハマりそうな気がするので。
原作を読了したら、また感想などを書ければと思っております。
ちなみに、ワタクシは雫井作品を読むのは初めてなので、作品を読むきっかけを作ってくれた映画には感謝しております。

ランチ・読書・人間観察。

2018-06-09 16:21:31 | books&magazine
昼間は真夏のような暑さで、もう梅雨明けかと勘違いしそうでしたが、今夜から真剣に雨が降るようです。
昨日、カイシャで「台風が来るらしい」と騒いでいた方々がいたのですが、今年は何が起きてもおかしくない。
いきなりゲリラ豪雨や台風が来ても、日本国の亜熱帯化が進む過程では起こりうる話だろうと思い、あまり驚きません。
危機感はあるけれど、自分にできるゴミの分別とかエコバッグの持ち歩きを、ささやかにやっていくしかないと思うし。
一人一人がささやかなことを継続してやっていれば、亜熱帯化を少しでも先延ばしできると信じて、コツコツと。

ワタクシは、最近、土曜日のお昼はTully'sでランチと読書と人間観察に勤しんでいることが多くなりました。
うちの近くにスタバがないので比較はできませんが、個人的には、スタバよりもTully'sのほうが落ち着く気がします。
BGMのジャズも耳障りにならない程度で心地いいし、読書に飽きたら、ガラス窓1枚隔てた通りを歩く人々の人間観察も楽しい。
ワタクシも平日の朝夕は通りを歩く人の1人ではあるけれど、平日の殺伐感は消えて、土曜日は道行く人もリラックスしている。
こちらの気持ちの持ちようが大きく影響しているのかもしれず、平日もこのくらいリラックスできればいいのにと思います。
せいぜい1時間ぐらいしかいませんが、ボーっとできる貴重な時間なので、そういう場を確保できるのはありがたい。

この2か月くらいは、ずっとカズオ・イシグロを読んでいて、先週「わたしたちが孤児だったころ」を読了しました。
今は「わたしを離さないで」を読み始めたところで、読了するのはいつになるやらという感じではあります。
カズオ・イシグロの作品に共通している静かさが不思議と心地いいので、結構分厚い文庫本を少しずつ読み進めています。
村上春樹がアメリカっぽいのに対し、イシグロはやっぱりイギリスっぽいのかなぁなどと考えてしまいます。
ワタクシは村上春樹の文体のリズム感が好きなのですが、イシグロの作品は本当に静かで、リズミカルに読む類の本ではない。
どちらがいい悪いの問題ではないけれど、イシグロにはノーベル文学賞のいかつさがなく、本当に読みやすい作家です。

久しぶりの海堂尊作品。

2018-04-30 15:33:31 | books&magazine
ゴールデンウィーク前半の3連休はあっという間に終わり、平成の御代も残すところあと1年となりました。
来年の今日が平成最後の1日になるはずで、たぶん、元号が変わるために仕事が増えていることと思います。
新しい元号の発表が早まって、特に、システム関係の仕事をしている人は少しでも早めに準備ができると思われ。
来年の今頃は「平成」を振り返るTV番組で大騒ぎになって、カウントダウンとかも始まっているのかもしれません。
今年のカレンダーも、和風のものにも元号が入っていないのが特徴的でしたけど、来年もそうなるのだろうと思います。

ワタクシは、この3日間はカイロプラクティックに行った以外は、ほぼ家に引きこもっておりました。
何もやる気が起きないくらい疲れ果てており、体重が増えるのは覚悟の上でウォーキングもせず。
駅前に食料の買い出しぐらいは出かけましたが、駅から電車に乗ってどこかに行こうという気は全く起きませんでした。
昨日に至ってはブログを更新する根性もなく、海堂尊の「ブラックペアン1988」を2時間ちょっとで読了しました。
カズオ・イシグロに飽きてきたので、買い物ついでに本屋に寄り、そういえばTVドラマの原作だなぁと買ってきた次第。
海堂尊は久しく読んでいなかったのだけど、1冊を一気読みすることが可能なほど面白いのは確かです。

TVドラマは見ていないけれど、主人公が二宮和也、ライバルが小泉孝太郎というのは、読み終わると違和感がある。
原作の2人はもっと骨太な人物のような気もするけど、海堂作品って、原作と映像は別物だと割り切るしかないのかとも思う。
「チーム・バチスタ」とかは、映画では主人公が女性になったりしているので、海堂先生ご本人も割り切っているのだろうと。
小説の「ブラックペアン1988」は、時代が昭和から平成に変わる頃の話で、日本国はバブルがはじけかけている頃。
作中に、主人公が六本木で遊んでいる場面がちらっと出てくるけど、ワンレン・ボディコンのお姉さんが闊歩していた時代です。
ワタクシはまだ社会人になりたてで、当然、薄給だったから、六本木の喧騒なんて外国のことのように思っていましたけどね。

間接照明とジャズに合う小説。

2018-04-07 17:14:47 | books&magazine
年度初め、怒涛の一週間がようやく終わりました。
昨夜はNHK-BSプレミアムの「世界ネコ歩き」の途中から座ったまま寝てしまい、23:00にベッドに移動して爆睡でした。
22:30くらいから今朝の7:30まで寝ている勘定になるのですが、今、この時点でも寝ようと思えば寝られる気がします。
7:30によろよろと起きだしてカイロプラクティックに行ってきましたが、終わってもどこかに行こうという元気はない。
自宅の駅まで戻り、近場のTully'sで読書しながらナスベーコンのトマトパスタ(旨い)とアイスティーのランチでした。

カズオ・イシグロの「日の名残り」をようやく読了し、「わたしたちが孤児だったころ」を読み始めたところです。
ワタクシの個人的なイメージが、カズオ・イシグロ=「日の名残り」だったのですが、物語はとても静かに進みます。
現在のイギリスのことはわかりませんが、第二次世界大戦前後までは上流階級の家には執事がいたようです。
その下に女中頭やその他の使用人がいて、執事は、それらの使用人を統括する立場にあり、この本の主人公がその執事でした。
戦後、時代が変わり、主人公が仕えていた屋敷のオーナーも英国貴族からアメリカ人に替わります。
そのアメリカ人オーナーに勧められ、主人公が英国国内を旅し、昔の女中頭と再会するという筋立てでした。

ワタクシの感想だと、時代から取り残されつつあるのにそれに気がついていない主人公という感じになります。
昔はよかったという回顧録ではないし、執事としては一流と言われる主人公だけど、時代の流れが理解できていない気がする。
アメリカ人オーナーのジョークに戸惑い、最後にはジョークの技術を練習しようと決意するところで物語は終わります。
ジョークって練習すれば身につくようなものかという疑問が残るけれど、その生真面目さが執事の真骨頂なのかもしれず。
主人公が旅に出るのが1956年の設定なので、さらに60年経った現在、主人公のような執事はまだ存在するのでしょうか。
物語は執事とその主人だった貴族のエピソードを交えつつ、静かに、淡々と進んでいきます。
ノーベル文学賞受賞作家の本としてはヒジョーに読みやすい、Tully'sの間接照明とBGMのジャズによく合う小説でした。