紀 友則
久方の光のどけき春の日に
しづ心なく花の散るらむ
紀友則は貫之の従兄で宇多天皇の宮廷で活躍した歌人である。
紀氏は古く紀州に本拠をもつ豪族であったが、平安時代に勢力を失い
友則も官位は低くて終った。
友則には多くの秀歌があり、いづれも彼の素直な性格を物語っている。
君ならで誰にか見せむ梅の花 色をも香をもしる人ぞしる
秋風にはつかりがねぞきこゆなる たが玉づさをかけて来つらむ
春霞たなびく山の桜花 みれどもあかぬ君にもあるかな
久方の光のどけき春の日に
しづ心なく花の散るらむ
紀友則は貫之の従兄で宇多天皇の宮廷で活躍した歌人である。
紀氏は古く紀州に本拠をもつ豪族であったが、平安時代に勢力を失い
友則も官位は低くて終った。
友則には多くの秀歌があり、いづれも彼の素直な性格を物語っている。
君ならで誰にか見せむ梅の花 色をも香をもしる人ぞしる
秋風にはつかりがねぞきこゆなる たが玉づさをかけて来つらむ
春霞たなびく山の桜花 みれどもあかぬ君にもあるかな