
花粉症で苦しんでいます。今年は花粉はましだ、とよく聞きますし、これまでそれほどでもなかったんですね。しかししかし、油断は禁物。突如襲ってまいりました。先週末岡山に行った翌日の日曜日、起きると鼻水、目はおかしい、喉が痛い、頭が重い、とまあこれは花粉だ!と思う、この時期の症状が目白押しにやってきました。いやー、ついに来たかと思いましたが、その日から現在まで、延々と続いております。なんとか薬を飲むとましになるんですが、効き目が切れると、また症状が悪化するということで、なんとも参った次第であります。
まあ、そんな花粉症を音楽で発散させましょう。ということで、今回はベートーヴェン。交響曲第5番ハ短調作品67『運命』であります。この曲を取り上げようと思ったのは、先日三宮の中古やさんで朝比奈隆指揮のCDを見つけたことによります。朝比奈隆指揮NHK交響楽団。1994年6月4日NHKホールでのライブ録音です。私は、朝比奈さんの演奏、ベートーヴェンを聴くのはCDでは初めてです。いままで、なぜか朝比奈さんのベートーヴェンは聴いていませんでした。そのわけは、その昔の中学生のころの良くない印象があるからなんですね。というのは、そのころ学校に本屋のおじさんが毎月、『ミュージック・エコー』という学研のクラシック音楽の雑誌を販売に来ていました。この雑誌には17センチLPが付いていていろんな名曲を聴くことができたのです。値段は300円ほどだったと思います。これを毎月買ってもらっていたのですが、ある号の付録が朝比奈さんと大フィルの『運命』だったんです。そして、早速聴いたのですが、中学生の耳にはオケのアラばかりが耳につきまして、極めて評判は悪かったのです。今はそのLPはありませんので、どんな演奏だったか聞き直す術はないのでありました。このイメージはかなり大きかったんですねえ。以上、昔話でした。
それはさておき、朝比奈さんのベートーヴェンは、どんなもんなんでしょうか。まず、ゆったりとし、また揺るぎないテンポでの演奏が印象に残ります。まるで演奏の王道を堂々と歩むようです。何があっても慌てないようなインテンポの演奏は、実に堂々として心地よさを感じますね。そして、それでいて随所どころか全体を覆うように、熱気に満ちた演奏になっています。オケが全体的に熱の籠もった演奏を聴かせてくれるのです。そして、NHK響の演奏が、これまた素晴らしい。楽器ひとつひとつがほんとに充実した音色を放っていることも素晴らしいことであります。そして、曲が始まったら、それに耳を奪われてしまい、この演奏の特徴にハッと気づくのでありました。第1楽章、運命の動機が登場するたびに、迫力を増すように、次第に熱気を帯びてくる。その熱気は全曲を通じて聴かれます。そして、N響の澄んだ音色も心地よいものです。第2楽章、実に堂々とし、恰幅のよい援徐楽章。楽器それぞれが生き生きとした活気に満ちています。低弦の唸るような演奏と、いろんなところに顔を出す木管が美しい。 第3楽章スケルツオ、堂々としたテーマが心になり響く。中間部以降ではしなるような弦と木管の合奏がいいです。そして、終楽章。ここでもN響は安定感のある底力を発揮し、勝利の凱歌を歌い上げています。
このCDは3枚組で、1・3・5・7番の演奏が収められています。朝比奈さんとN響のコンビの演奏は、それほどあるわけでもないので、このCDは貴重なものであります。
(fontec FOCD9200/2 2004年)
まあ、そんな花粉症を音楽で発散させましょう。ということで、今回はベートーヴェン。交響曲第5番ハ短調作品67『運命』であります。この曲を取り上げようと思ったのは、先日三宮の中古やさんで朝比奈隆指揮のCDを見つけたことによります。朝比奈隆指揮NHK交響楽団。1994年6月4日NHKホールでのライブ録音です。私は、朝比奈さんの演奏、ベートーヴェンを聴くのはCDでは初めてです。いままで、なぜか朝比奈さんのベートーヴェンは聴いていませんでした。そのわけは、その昔の中学生のころの良くない印象があるからなんですね。というのは、そのころ学校に本屋のおじさんが毎月、『ミュージック・エコー』という学研のクラシック音楽の雑誌を販売に来ていました。この雑誌には17センチLPが付いていていろんな名曲を聴くことができたのです。値段は300円ほどだったと思います。これを毎月買ってもらっていたのですが、ある号の付録が朝比奈さんと大フィルの『運命』だったんです。そして、早速聴いたのですが、中学生の耳にはオケのアラばかりが耳につきまして、極めて評判は悪かったのです。今はそのLPはありませんので、どんな演奏だったか聞き直す術はないのでありました。このイメージはかなり大きかったんですねえ。以上、昔話でした。
それはさておき、朝比奈さんのベートーヴェンは、どんなもんなんでしょうか。まず、ゆったりとし、また揺るぎないテンポでの演奏が印象に残ります。まるで演奏の王道を堂々と歩むようです。何があっても慌てないようなインテンポの演奏は、実に堂々として心地よさを感じますね。そして、それでいて随所どころか全体を覆うように、熱気に満ちた演奏になっています。オケが全体的に熱の籠もった演奏を聴かせてくれるのです。そして、NHK響の演奏が、これまた素晴らしい。楽器ひとつひとつがほんとに充実した音色を放っていることも素晴らしいことであります。そして、曲が始まったら、それに耳を奪われてしまい、この演奏の特徴にハッと気づくのでありました。第1楽章、運命の動機が登場するたびに、迫力を増すように、次第に熱気を帯びてくる。その熱気は全曲を通じて聴かれます。そして、N響の澄んだ音色も心地よいものです。第2楽章、実に堂々とし、恰幅のよい援徐楽章。楽器それぞれが生き生きとした活気に満ちています。低弦の唸るような演奏と、いろんなところに顔を出す木管が美しい。 第3楽章スケルツオ、堂々としたテーマが心になり響く。中間部以降ではしなるような弦と木管の合奏がいいです。そして、終楽章。ここでもN響は安定感のある底力を発揮し、勝利の凱歌を歌い上げています。
このCDは3枚組で、1・3・5・7番の演奏が収められています。朝比奈さんとN響のコンビの演奏は、それほどあるわけでもないので、このCDは貴重なものであります。
(fontec FOCD9200/2 2004年)
この「運命」を私も拙ブログで最近とりあげました。この演奏は当日FMで生中継されてエアチェックしたテープがあったからです。
内容は真面目な切り口のものではなく、ちょっと粗探しのようなものですが(^_^;)
この演奏の第1楽章の入りが完全に乱れました。誰が聴いてもわかる不揃いでした。
それを除けば恰幅のある悠然とした今ではなかなか聴けない演奏なので大事にしています。
CDでは修正してあるのでしょうか?