
朝晩は、それなりに涼しくなりましたね。10月も中旬、秋たけなわであります。前回、シューマンを初めて取り上げましたが、その後シューマンのCDを岡山で見つけてまして、それを聴いてこれは前の記憶があるときに、書いておこう、ということで、今回続いてのシューマンとなりました。交響曲第4番ニ短調op.120です。ギュンター・ヴァント指揮の北ドイツ放送交響楽団の演奏。1991年ハンブルク、ムジークハレにおけるデジタル録音です。ヴァントのCDは、けっこう早い時期から注目していたこともあり、だいたいどんなCDがあるかは知っていたんですが、やはり自分のあまり興味のないものについては、記憶が定かではありません。このシューマンもこんなんがあったのか、ということで。まあヴァントを贔屓にしていたものとしては、買わなければいけませんな、と思った次第です。
ヴァントは、主観的な演奏やメロディを叙情的に歌わせるとかと言った演奏にはほとんど無縁の指揮者ですよね。取り上げた作品の範囲も広くはなく、ドイツ古典派からロマン派の諸作曲家が多いですね。その中でも叙情的な音楽を展開した作曲家の作品は、多少物足りないな、と思ったり、けっこうCDでも残っているチャイコフスキーなどにおいてもその傾向は顕著なんですね。まあ、妥協を許さない厳しい演奏、しかし美しさや面白味は…、ということになるんですねえ。
このヴァントのシューマン、素晴らしいです。厳しさと迫力、緊張感、これらに満ちた演奏です。第1楽章、まず序奏から、ただならぬ緊張感に驚かされます。力強く伸びのある弦に、ティンパニの強打。そして、第一主題、これに金管、特にトロンボーンが加わり、盛り上がっていきます。一音も揺るぎのない演奏で、圧倒的な厳しさ感じます。この楽章は特に、ドイツロマン派を体現したような内容で、ほんとにいいですねえ。第2楽章、三部形式。オーボエによる主題は意外にあっさりしているが、チェロの伴奏や弦の合奏が憂いに満ちた表情を、叙情的ではなく強調させる。続く中間部もヴァイオリンはさらりと流すが、背後の演奏が重圧感を打ち出し、なかなか聴かせてくれます。第3楽章、スケルツォ。一転して強打による主題は、スケールも大きく衝撃が流れる。中間部は第2楽章と同じ旋律。そして再びの強打一発。長く耳に残る旋律ですねえ。そして、第4楽章になだれ込む。金管を主にした序奏がうまい。それから第1楽章の展開部に見られた主題が力強く登場。ここのあたりの迫力ある演奏はいいですよ。ヴァントの面目躍如の感があります。この楽章は、曲自体の力に、ヴァントの厳しさや力強さが加わって、実に充実したものになっています。シューマンの個性がよく出た曲ですね。
この曲にはフルトヴェングラーの名演がありますが、厳しさや緊張感では、このヴァントの演奏も優るとも劣らないものであります。フルトヴェングラーを凌駕する名演…とも私は思っています。
(RCA 82876 60289 2 CLASSIC LIBRARY 2004年 輸入盤)
ヴァントは、主観的な演奏やメロディを叙情的に歌わせるとかと言った演奏にはほとんど無縁の指揮者ですよね。取り上げた作品の範囲も広くはなく、ドイツ古典派からロマン派の諸作曲家が多いですね。その中でも叙情的な音楽を展開した作曲家の作品は、多少物足りないな、と思ったり、けっこうCDでも残っているチャイコフスキーなどにおいてもその傾向は顕著なんですね。まあ、妥協を許さない厳しい演奏、しかし美しさや面白味は…、ということになるんですねえ。
このヴァントのシューマン、素晴らしいです。厳しさと迫力、緊張感、これらに満ちた演奏です。第1楽章、まず序奏から、ただならぬ緊張感に驚かされます。力強く伸びのある弦に、ティンパニの強打。そして、第一主題、これに金管、特にトロンボーンが加わり、盛り上がっていきます。一音も揺るぎのない演奏で、圧倒的な厳しさ感じます。この楽章は特に、ドイツロマン派を体現したような内容で、ほんとにいいですねえ。第2楽章、三部形式。オーボエによる主題は意外にあっさりしているが、チェロの伴奏や弦の合奏が憂いに満ちた表情を、叙情的ではなく強調させる。続く中間部もヴァイオリンはさらりと流すが、背後の演奏が重圧感を打ち出し、なかなか聴かせてくれます。第3楽章、スケルツォ。一転して強打による主題は、スケールも大きく衝撃が流れる。中間部は第2楽章と同じ旋律。そして再びの強打一発。長く耳に残る旋律ですねえ。そして、第4楽章になだれ込む。金管を主にした序奏がうまい。それから第1楽章の展開部に見られた主題が力強く登場。ここのあたりの迫力ある演奏はいいですよ。ヴァントの面目躍如の感があります。この楽章は、曲自体の力に、ヴァントの厳しさや力強さが加わって、実に充実したものになっています。シューマンの個性がよく出た曲ですね。
この曲にはフルトヴェングラーの名演がありますが、厳しさや緊張感では、このヴァントの演奏も優るとも劣らないものであります。フルトヴェングラーを凌駕する名演…とも私は思っています。
(RCA 82876 60289 2 CLASSIC LIBRARY 2004年 輸入盤)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます