前回、ムラヴィンスキーによるチャイコフスキーの悲愴を取り上げましたが、取り上げた翌日の訪問者数と閲覧数が、2204人と3386件を記録しました。平常の数値は、だいたい300~400人と500~600件くらいなんですね。過去にもこんなことがありました。まあ、こんな数値はどうでもいいのですが、なぜこれだけの数になったか。ムラヴィンスキーの力か、タワーさんからのSACD発売があったからか、詳細はわかりませんが、まあ少しびっくりしました。
ということで、もう一度ムラヴィンスキーのチャイコフスキーとしてみようか、とも思ったのですが、まあ、それもなあ、ということで、今回はシューマンであります。シューマンって以前にも申しましたが、まあ聴きませんねえ。このあたりの作曲家で、メンデルスゾーン、リスト、それにシューマンと、ロマン派作曲家聴かない三巨頭かもしれません。事実、シューマンを以前に取り上げたのは、2017年11月ですから、まあずいぶん前ですよねえ。取り上げた曲は、弦楽四重奏曲でした。
それで今回は、交響曲第1番変ロ長調作品38『春』であります。ヨーゼフ・クリップス指揮ロンドン響による演奏です。1957年5月ロンドンでの録音。このCDは、ブラームスの交響曲第1番と一緒に収められています。クリップスの演奏は、あまり聴かないですねえ。1902年ウィーン生まれで1974年没。オーストリアなどの歌劇場で活躍し、戦後はロンドン響などの首席指揮者も歴任しました。オペラ、とくにモーツァルトとRシュトラウスが得意だったようです。
一方、シューマンですが、これまた多くの名演奏がありますが、近年では古楽器系がモダン・オケストラを押しやっている現状。後者では、スウィートナー、バーンスタイン、サヴァリッシュ、クレンペラー、コンヴィチュニーなどの演奏が有名でしたかねえ。このクリップスの演奏は、残念ながら、このCDを聴くまでは、まったく知りませんでした。このCDもユニバーサルの「20世紀の巨匠シリーズの「ヨーゼフ・クリップスの芸術」(10CD)の一枚で、1200円(中古で買ったので、もっと安かった)であります。
ということで、このクリップスの演奏ですが、まあ一言で言うなら、優美で角張ったところがない。全曲を通じて、たいそう穏やかで声高になることもなく、強奏やスケールの大きさなどとは無縁。ロンドン響の響きも優雅であり、実にまろやかで優しいのでありました。シューマンってこんなに優しいのうーん、なんだかやっぱりクリップスの演奏やなあ、と思うことしきりであります。私にとってシューマンの音楽は、それほどいいな、と思うことが少ないのですが、このクリップスの演奏は、自然に心に染み込んできます。すべての楽章において、その旋律がとてもいいのです。ロンドン響の音色も実に美しい。このような演奏がシューマンに合っているのかどうかは、いろんな意見があると思いますが、ガチガチのガンガン響く劇的な演奏もいいのですが、案外、シューマンにはこんな演奏もいいな、と思うのでありました。
第1楽章、冒頭から非常に柔らかく、まろやかな音色。特に、弦楽器が非常に優しい。そして、オケは室内楽的に、おそらくは規模もそれほど大きくない、と思えるような演奏になっていますねえ。第2楽章、弦による優しい主題が、夢見るように歌われます。弦に続き、木管も滑らかに歌いあげる。この楽章はいいですねえ。心が和んでいきますね。第3楽章スケルツォ。端正なスケルツォですね。クリップスの演奏はここでも優美で、そして安定感すら感じるのが、とても心地よいです。そして、終楽章、落ち着いて決して平常心を乱さない。これまでのオケの美音と精密な演奏に最後まで終始するところは、安心して聴いていけますね。そして、聴き終わっても、さわやかな気持ちになるところもいいですねえ。
冒頭で、閲覧数などのことを触れましたが、もしかすると、ムラヴィンスキー関連ではなく、水田さんのことに言及したので、それもあるのかもしれませんねえ。まあ、いろんなことがありますねえ。そんなこんなでもう10月になりました。
(DECCA UCCD-3822 2007年)
ということで、もう一度ムラヴィンスキーのチャイコフスキーとしてみようか、とも思ったのですが、まあ、それもなあ、ということで、今回はシューマンであります。シューマンって以前にも申しましたが、まあ聴きませんねえ。このあたりの作曲家で、メンデルスゾーン、リスト、それにシューマンと、ロマン派作曲家聴かない三巨頭かもしれません。事実、シューマンを以前に取り上げたのは、2017年11月ですから、まあずいぶん前ですよねえ。取り上げた曲は、弦楽四重奏曲でした。
それで今回は、交響曲第1番変ロ長調作品38『春』であります。ヨーゼフ・クリップス指揮ロンドン響による演奏です。1957年5月ロンドンでの録音。このCDは、ブラームスの交響曲第1番と一緒に収められています。クリップスの演奏は、あまり聴かないですねえ。1902年ウィーン生まれで1974年没。オーストリアなどの歌劇場で活躍し、戦後はロンドン響などの首席指揮者も歴任しました。オペラ、とくにモーツァルトとRシュトラウスが得意だったようです。
一方、シューマンですが、これまた多くの名演奏がありますが、近年では古楽器系がモダン・オケストラを押しやっている現状。後者では、スウィートナー、バーンスタイン、サヴァリッシュ、クレンペラー、コンヴィチュニーなどの演奏が有名でしたかねえ。このクリップスの演奏は、残念ながら、このCDを聴くまでは、まったく知りませんでした。このCDもユニバーサルの「20世紀の巨匠シリーズの「ヨーゼフ・クリップスの芸術」(10CD)の一枚で、1200円(中古で買ったので、もっと安かった)であります。
ということで、このクリップスの演奏ですが、まあ一言で言うなら、優美で角張ったところがない。全曲を通じて、たいそう穏やかで声高になることもなく、強奏やスケールの大きさなどとは無縁。ロンドン響の響きも優雅であり、実にまろやかで優しいのでありました。シューマンってこんなに優しいのうーん、なんだかやっぱりクリップスの演奏やなあ、と思うことしきりであります。私にとってシューマンの音楽は、それほどいいな、と思うことが少ないのですが、このクリップスの演奏は、自然に心に染み込んできます。すべての楽章において、その旋律がとてもいいのです。ロンドン響の音色も実に美しい。このような演奏がシューマンに合っているのかどうかは、いろんな意見があると思いますが、ガチガチのガンガン響く劇的な演奏もいいのですが、案外、シューマンにはこんな演奏もいいな、と思うのでありました。
第1楽章、冒頭から非常に柔らかく、まろやかな音色。特に、弦楽器が非常に優しい。そして、オケは室内楽的に、おそらくは規模もそれほど大きくない、と思えるような演奏になっていますねえ。第2楽章、弦による優しい主題が、夢見るように歌われます。弦に続き、木管も滑らかに歌いあげる。この楽章はいいですねえ。心が和んでいきますね。第3楽章スケルツォ。端正なスケルツォですね。クリップスの演奏はここでも優美で、そして安定感すら感じるのが、とても心地よいです。そして、終楽章、落ち着いて決して平常心を乱さない。これまでのオケの美音と精密な演奏に最後まで終始するところは、安心して聴いていけますね。そして、聴き終わっても、さわやかな気持ちになるところもいいですねえ。
冒頭で、閲覧数などのことを触れましたが、もしかすると、ムラヴィンスキー関連ではなく、水田さんのことに言及したので、それもあるのかもしれませんねえ。まあ、いろんなことがありますねえ。そんなこんなでもう10月になりました。
(DECCA UCCD-3822 2007年)