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オッターでシューマンのリート

2008年10月19日 15時48分29秒 | シューマン
またまた、シューマン。三回連続であります。取り立てて、夢中になっているというわけでは全然ないんですがねえ。前回が交響曲だったので、今回は歌曲。シューマンの連作歌曲の「女の愛と生涯」です。
この作品は、シューマンが「歌曲の年」と言われた1840年に書かれたものです。アーデルベルト・フォン・シャミッソーの詩(1830年)により、女性が恋人と出会い、愛を確認して結ばれ、子どもが生まれ、そして夫と死別するまでの生涯を、8つの歌曲として歌っています。おそらくは、この年にクララ・ヴィークとの結婚を実現したことが背景にあったものと考えられています。
この歌曲の演奏としては、古くはロッテ・レーマンやフェリア-、シュワルツコップなどのものが有名ですが、今回は1993年の録音。アンネ・ソフィー・フォン・オッターがベンクト・フォシュベリのピアノ伴奏で歌ったものです。私は、オッターの歌唱がかなり気に入っております。1980年代のカラヤンの「ばらの騎士」でのオクタヴィアンがよかった。そして、1992年のグリーグの歌曲集が、それ以上によく、ここでのオッターの歌声が耳にこびりついたのでした。その後も、オッターの演奏はかなり意識しておりました。まず、声がいい。Msにしては高めの声でしょうか。そして、巧さや表現力一級品ですし、それ以上に賢さを非常に感じる歌唱はたいそう魅力的です。①「彼に会って以来」、将来の夫になる人に会ったときめきを不安な気持ちを込めての歌唱です。「わたしは盲になってしまったよう」と困惑の気持ちで閉じます。オッターの繊細な表現が実にいいです。②「彼は誰よりも素晴らしい人」、愛を確信した誇りに満ちた気持ちがたいそうよく感じられます。③「分からない、信じられない」、一転して愛情に対する不安を訴える強い調子です。④「わたしの指の指輪よ」、この歌曲中、もっとも美しい曲です。愛の証である指輪で愛を確信する歌。オッターの平静の中にも喜びがにじみ出るような歌は新鮮ですねえ。⑤「手伝って、妹たち」、結婚式。幸せな気持ちが反語的に表現され、それに合わせた歌。⑥「やさしい人、あなたは見つめる」、愛の実際の表現がいい。ゆっくりめの歌ですが、オッターの細やかな巧さが光っていますね。⑦「わたしの心に、わたしの胸に」をへて、終曲⑧「今、あなたは初めてわたしを悲しませる」では夫の死をしっかりとしたピアニッシモでの表現がうまく、深い悲しみに誘ってくれます。それに続いて、第一曲のフレーズが繰り返され悲しみを深めてくれますよね。
オッターは、なかなかの美人さんです。数年前にグラインドボーンで「カルメン」をやりましたが、それもよかったですねえ。いやいや、よかった。

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