六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

「塞翁が馬」にして「禍福無門」かな

2018-05-17 21:23:19 | Graffiti~チョイとひと言
~残春のある日、新潟の山へ出かける途中で/西福寺(新潟県魚沼市)~

  

しまった、寝坊をしてしまった。

お陰で当初の朝の計画はご破算。
乗るべきはずの新幹線には乗れず、
乗り継ぐ列車も、今度は午後発しかない。

痛恨のミスだと悔やみつつ、1本後の新幹線に乗車し、
本来であれば、小走りに在来線ホームに向かう際に
通る改札・連絡口に着いたのは、予定より約1時間遅れ。

さてどうすると、しばしたたずんでいると…。

目の前にどっかと控えしは、新潟のミケランジェロ氏の
看板だった。以前、別の場所で氏の作品を見たが、
おやこちらにもございましたかである。

所在地を確認すると、案内地図にはバス、タクシー利用と
あったが、歩ける距離だ。残念ながら地図は持ち合わせないが、
タブレット「宝の持ち腐れ2号」のGPSもある。そこで
美術鑑賞へ出かけることにした。

外は大粒の雨が降っていた。
雨具を用意し、ほぼ1本道を突き進む。

道の周囲に広がる田んぼは、田植えのスタンバイ完了状態。
今降る雨は、まさしく穀雨といえそうだ。

駅から約1時間、お目当ての美術品のあるお寺に着。
拝観前に、お寺の前にある「道の駅」ならぬ
「まちの駅」の軒先をお借りして、
雨具を脱いで身繕い。スタッフの人から帰りに
時間があれば寄ってくださいねとの声を受け、
いよいよ作品とご対面である。

新潟のミケランジェロ氏の手がけた作品は今日で2回目。
こちらもブラボー、実に素晴らしい。

何を感動しとる。お前、ついさっきまで「痛恨の」と
後悔していたのではと、ツッコミが入りそうだが
迫力満点の作品の前では、気持ちも変わるのである。

そして再び「まちの駅」へ。無料休憩所ではあるが
新潟の山の幸「山菜」他、素朴なおみやげも売っており、
先程軒先を借りたお礼を兼ねて、ささやかにお買い物も。

雨天のせいか、お客さんは誰もいない。

スタッフの方からは、テイスティングにと用意されている
山菜メニューや魚沼産コシヒカリのプチおにぎりを
すすめられ、それではとガツガツ。
おまけにコーヒーまで頂戴し、ついつい長居してしまう。

あれこれ遠慮なしにがっつく傍らで、
語り部もやっていらっしゃるというスタッフの方が、
新潟のミケランジェロ氏について一席。
美味を楽しみつつ、勉強タイムにもなってきた。

新潟のミケランジェロ氏は、もともとは東京出身。
徳川幕府に雇われる芸術家だった。しかし折からの
倹約ムードの中で、仕事は先細り。ついにはお役ご免に。

その後、縁が縁を呼び、新潟の地へ。
同地で結婚もし、今日お邪魔したお寺の住職とも
懇意となり、作品制作にいたったそうである。

全く知りませんでした。そのひと言につきるお話を
一向に止まぬ雨が屋根を打つ音をBGMに
たっぷりと伺うことができた。

期せずして食欲も知識欲も満腹となる
有意義な時間を過ごすことになったが、そろそろ
出立せねば、また列車に乗り遅れてしまう。

スタッフの方にお礼を述べて、すっかり根の生えた
尻をあげ、ついでに空を見上げれば
雨も幾分小降りとなってきた。スタッフの方いわく、
ここからなら、目的に駅までも歩いて1時間。

ならば、今度は傘でもさして歩いてみますか。

再び雨脚は強くなってきたが、足は軽やか。
今度も、ほぼ一本道を一歩一歩、
ゴーゴー、進めである。

おっ学校が見えてきた。
確かこの学校は、地元出身の世界的なアクターで、
先頃シングルとなったあのご仁の母校。
そうそう、今向かっている
駅のリニューアル後の看板も、
彼が一筆と書いたものだったはず。

駅まではもう少し。
午後一の列車には乗ることができそうだ。

朝寝坊が、いいわけはないが今回は特別。
たまには素敵な寄り道、道草タイムを
過ごせることもあるようだ。

さあ、今度は山登り。

明日は天気になあれ、である。

  

〜2018年 G.Wの後半戦。翌日はさらに悪天候となるとは。
 この時は知る由もなく歩く〜


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