六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

“干支”セトラ

2021-11-09 02:06:48 | THE GOAL IS A PUBLIC BATH〜それ行け、銭湯登山!
振り出しは山登り、上りはひとっぷろ(四)
「牛にひかれて」2話
【長野県、群馬県】

●1話目「牛に引かれて善光寺」を、少しトレースしてみる
滋野~姨捨~善光寺(長野県)

            

とりあえず仕事は、先方に提出した。
後は、直しを待つだけ。

そんな夏の昼下がり
突然、あるフレーズが頭の中を駆け巡った。

同時に、フレーズの内容について
常々はてさてと引っ掛かると感じていたことも
付かず離れず、フレーズの後ろを追いかける。

フレーズは「牛に引かれて善光寺参り」。
今年の干支にもちなむ、有名な一文だ。

そして、はてさて引っ掛かるのは移動の距離で、
自分自身に置き換えたらという点である。

この一文、細かい展開や意味はさておき
発祥というか、登場人物であるお婆さんが
牛を追いかけ始めたスタートは小諸市。

小諸は、大学時代に所属していた
クラブが所有する山小屋を訪ねた際の帰り道に、
よく隣駅「滋野」を利用するため
何度となく通過している場所である。

そんな小諸から牛に引かれしお婆さん、
着いた先、ゴールは長野市の善光寺である。

小諸と長野・善光寺間の距離は
フルマラソン以上の長丁場。
これはフィクションの世界の話であり、
まあよろしいのではとなる部類のことではある。
が、お婆さんの健脚ぶりには、天晴れのひと言だ。

そして天晴れついでに、頭をもたげて来たのは
では、お婆さんならぬお爺さん、
つまり自分の老体ならどんなもんなのか。

もしも1日かけて歩いた場合、
善光寺までは多分無理だが、
ではどのあたりで、ギブアップとなるのか。

以上のような、他人から見れば
実にたわいもない、だが自分自身にとっては
大問題といったことが
2021年の夏、頭の中ではんすう状態となる。

こうなると、何も手につかず。
解決策はひとつだけ、やってみること。
ということで、ルートをチェック。

よくよく調べてみると、途中には日本三大車窓の
絶景に数えられる「姨捨(おばすて)」や、
善光寺の近所には渋めの銭湯もあるようだ。

ではパッキングである。

今回の行動、想定は大学時代のクラブの山小屋へ出かけた
帰り道に「牛に引かれて」としてみた。

したがってスタート地点も、毎度東京へ帰る時に使う
「滋野」駅。時間も、利用することの多い夕方としてみた。

また日程は夕方発なので、途中で野宿1泊、
1泊2日で、ゴー長野&善光寺である。

バスにて東京を昼に立つ。
滋野駅には16時半過ぎに着。
軽く体操をして、沈む夕陽を追いかける形で
西へ、西へと歩き出す。

途中で、宿場に古墳など寄り道も結構あって、
「信濃国分寺」駅に着が19時を少々回った頃。
駅前で、寝るには格好のベンチも発見。


では今日はここまで、今夜は夏の夜空でも
見ながらグッドナイトである。

翌日も天気は晴天。
朝は山での行動の基本でもある
早立ちと6時には出たものの、
これまで同じく、寺にコンビニ、それ以外と
道草に回り道もかなりあり。


それでも9時半過ぎには
温泉街「戸倉」の駅までやって来た。

少しのつもりだったが、
たっぷり休んで、ここからはひと登り。
大汗かいて、もうバテバテと弱音を吐きつつ
やっとの思いで姨捨の駅へたどり着く。
到着時間は12時少々。

さっそく駅のホームへ。
なるほど景色は素晴らしい。
でも夜景も必見のようだ。

      

ここで耳にしたのが、
悪魔のささやきというか、
自らの弱気の虫の声。こんな内容だった。

せっかくだから、どう夜景も拝んだら。
長野の善光寺へは姨捨駅から
電車に乗っても行けるんだし。

ここで根性ありなら、
そんな声何ぞは無視、耳も貸さずにだが
根っからの軟弱の身。たちまち身も心も
お散歩、お昼寝モードとなる。


お陰で、横長で独特の夜景の美しさを
じっくりと堪能。そして電車に乗って
ゴールの長野へ。

予定では夜の新幹線で帰京だったが
肝心の善光寺参りはまだ、それに銭湯にも
お邪魔していない。

とりあえず仕事も一段落状態だ。
よし、今日は長野にお泊まり、
東京へは明日帰るといたしましょうか。

小諸発でもなく、あっさりリタイアと
自慢できる結果ではなかったが
漠然ながらも牛に引かれての雰囲気は
掴めたような気がする。

とりあえず、すっきりである。
ではお宿でも探しますかな。無ければ
得意のステーションビバークでもいいかな。


(追記)
夜は結局青天井、駅前の広場で
寝てしまった。

目覚めた翌日は、少々遅めの朝食と
長野名物「牛乳パン」をほおばり、
食後は長野駅から歩いて善光寺へ。

参拝後は、あの小原庄助さんは朝だが、
私めは昼。これなら身上(しんしょう)を
潰すこともなかろうと、銭湯へも。

銭湯の名称は「亀の湯」。
創業は大正中期というから、
もう100年オーバー営業中のお風呂である。

          

時代を感じつつ、ではニューヨーク、いや入浴だ。
しばらく令和のバタバタを忘れて
ハダカ天国、風もないのに
ぶぅらぶらタイムを過ごす。

これで身体もさっぱり。
では今度こそ、そろそろ先方からの
直しなど、仕事も待つ東京へ戻りますか。


〜2021(令和3)年11月、今頃夏の話をアップ。
  おまけにタイトルには「振り出しは山登り」とあるが、
    行動中に頂は踏まず。このあたりは、まあ良しとしますか〜



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